IMGP0118  封を切ると脚がまるごと1本
 私はスープカレーよりもふつうの彼が、いやカレーが好きだ。
 が、ライスに浸透しないぐらい粘りが強いルーは嫌いである。

 帯広の人たちのソウルフードといえるインデアンのカレーは、そりゃ美味しいことは美味しいし値段設定も嬉しいが、私の好みはもう少しルーが“ゆるい”ものだ。


 かといって、緩かろうが締まっていようが、とにかく大事なのは味である。
 そして、難しいのはその味が人によって好みが違うというこだ。


 ところで、たまたまYahooでレトルトのスープカレーの広告を見かけた。

 スープカレーはあまり好きではないと言っても、私とて北海道人のはしくれ。スープカレーを食べたことのない本州人よりもスープカレーに親しんできた。

 クチコミでの評価もやたら高く、妙に惹かれるものがあって、注文しちゃった。

 それは札幌市の“ぼーの”というところが製造・販売している“やわらかチキンスープカレー”。
 1袋1人前だが、2袋で約1000円という価格は、通常のレトルトカレーよりは高いが、通常ではないこだわりの、でも味の違いがあまり明確ではないカレーよりは安い。

 数日後に届いた。

IMGP0702 レトルトパウチは単に銀色。何の印刷もされていない。
 コストダウンとも言えるし、業務用なんじゃないかと思わせる。

 同封されていた説明書には、美味しく食べるコツが書かれていて、お湯で温める最適な時間も厳密に明記されている。
 また、野菜(オクラやキノコなど)を素揚げもしくは軽く焼き、トッピングするとよいと書かれている。


 ちょうど来ている妻が、オクラやニンジン、タマネギなどを準備する。

 そしてレトルトを温め、皿にあけると……


 中に入っている野菜はニンジンとコーンだけだが、チキンレッグが丸ごと骨付きで入っている。


 味は……美味い!
 レトルトとは思えないけっこう本格的な味だ。

 ここに至って、ぜったいこれを出しているカレー店もあるに違いないと、私は思い込んだ次第である。


 このスープカレーはお薦めだ。家で本格的なスープカレーを味わえる(って、アツアツを食べるべく写真撮るのを忘れてしまった。すまない……)。

 そしてレッグが丸ごと1本入っているのに(このチキンがまた、肉がホロリと骨から簡単に外れ食べやすい)この価格とボリュームなら、かなりコスト・パフォーマンスは高い。
 偶然だったが、この商品に出会えてよかった。

BeethovenSymsMonteux  この喜びに通じる幸福感あふれる演奏
 そんな私の喜びを表現するにふさわしい、モントゥーによるベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の交響曲第4番変ロ長調Op.60(1806)。

 この曲自体、愛らしくも決して華奢ではない、そしてまた幸せな気分に満ちたものだが、モントゥーの演奏はその特長を最大限に表現している。


 封を開けて皿に出したときに、ゴロリンと横たわるニワトリの御御足。そのサプライズ的喜び。
 口に入れるとスパイシーな味と香りが口蓋内に充満する、幸福感。
 食べ終わった後の満ち足りた気分。


 そういうのが、この曲、この演奏とピタリと重なってしまうのだ。

 スープカレーはともかく、この演奏に出会えてよかった。

 オーケストラはロンドン交響楽団。

 1959年録音。デッカ。