封を切ると脚がまるごと1本
私はスープカレーよりもふつうの彼が、いやカレーが好きだ。
が、ライスに浸透しないぐらい粘りが強いルーは嫌いである。
帯広の人たちのソウルフードといえるインデアンのカレーは、そりゃ美味しいことは美味しいし値段設定も嬉しいが、私の好みはもう少しルーが“ゆるい”ものだ。
かといって、緩かろうが締まっていようが、とにかく大事なのは味である。
そして、難しいのはその味が人によって好みが違うというこだ。
ところで、たまたまYahooでレトルトのスープカレーの広告を見かけた。
スープカレーはあまり好きではないと言っても、私とて北海道人のはしくれ。スープカレーを食べたことのない本州人よりもスープカレーに親しんできた。
クチコミでの評価もやたら高く、妙に惹かれるものがあって、注文しちゃった。
それは札幌市の“ぼーの”というところが製造・販売している“やわらかチキンスープカレー”。
1袋1人前だが、2袋で約1000円という価格は、通常のレトルトカレーよりは高いが、通常ではないこだわりの、でも味の違いがあまり明確ではないカレーよりは安い。
数日後に届いた。 レトルトパウチは単に銀色。何の印刷もされていない。
コストダウンとも言えるし、業務用なんじゃないかと思わせる。
同封されていた説明書には、美味しく食べるコツが書かれていて、お湯で温める最適な時間も厳密に明記されている。
また、野菜(オクラやキノコなど)を素揚げもしくは軽く焼き、トッピングするとよいと書かれている。
ちょうど来ている妻が、オクラやニンジン、タマネギなどを準備する。
そしてレトルトを温め、皿にあけると……
中に入っている野菜はニンジンとコーンだけだが、チキンレッグが丸ごと骨付きで入っている。
味は……美味い!
レトルトとは思えないけっこう本格的な味だ。
ここに至って、ぜったいこれを出しているカレー店もあるに違いないと、私は思い込んだ次第である。
このスープカレーはお薦めだ。家で本格的なスープカレーを味わえる(って、アツアツを食べるべく写真撮るのを忘れてしまった。すまない……)。
そしてレッグが丸ごと1本入っているのに(このチキンがまた、肉がホロリと骨から簡単に外れ食べやすい)この価格とボリュームなら、かなりコスト・パフォーマンスは高い。
偶然だったが、この商品に出会えてよかった。 この喜びに通じる幸福感あふれる演奏
そんな私の喜びを表現するにふさわしい、モントゥーによるベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の交響曲第4番変ロ長調Op.60(1806)。
この曲自体、愛らしくも決して華奢ではない、そしてまた幸せな気分に満ちたものだが、モントゥーの演奏はその特長を最大限に表現している。
封を開けて皿に出したときに、ゴロリンと横たわるニワトリの御御足。そのサプライズ的喜び。
口に入れるとスパイシーな味と香りが口蓋内に充満する、幸福感。
食べ終わった後の満ち足りた気分。
そういうのが、この曲、この演奏とピタリと重なってしまうのだ。
スープカレーはともかく、この演奏に出会えてよかった。
オーケストラはロンドン交響楽団。
1959年録音。デッカ。
お買い上げありがとうございます!
美味しいですよ!これ!