北海道人ながら参加したくない集い
日曜日は仕事だった(そして昨日はその振り替え休みをいただいた)。
中京地区に住む北海道人の集いに出席したのである。
半ば仕事だが本来の業務ではなく、北海道企業の役割としてのお付き合いである。そして私としては、全然前向きな気持ちにならずに顔を出したのであった。
もし個人的な自由参加ということなら、私は天地がひっくり返っても出席しない。
会場となったホテルには100人ほどが集まっていた。
部屋の前の案内札がなかったなら、絶対に老人クラブの集まりだと思われるだろう。
なかには老人よりは若い人もいるが、その人たちは介護人に見えるに違いない。そういう私だって、この集まりの中では若い部類に入る。
このような会が抱えがちな問題だが、若いメンバーを集めることが急務である。
宴会料理の細かなことは書かないが、私の嫌いなニシン漬けがあった。
ニシン漬けとか飯寿司は私と敵対関係にあるのだ。
だから食べなかった。
最後の方になって出てきた鮭チラシ寿司と銘打ったご飯は、酢飯の上に惜しげもなく豪華絢爛に鮭フレークをぶちまけたもので、ご飯がはしかになったような見栄えで、それを見ても、コンビニの鮭おにぎりを思い出しただけで、ちっとも北海道が恋しくならなかった。
最後の最後になってミートソース・スパゲティが出てきた。
北海道とは特に関係ないが、満を持してようやっと私好みの一品が姿を現わした感じだ。
ソースは固まる前のかさぶたのように赤黒く、そこにナスのトッピングがなされ、まさにナスのボロネーゼ・スパゲティという、まぁそのまんまの表現ですまないが、正統的なニッポンの洋食の体を成していた。
隠し味?いえ、主役です
そして取り分けて口にした瞬間に、私の口腔内に広がったのは、こ、こ、これは!ってものだった。
口に残ったすっごくしょっぱいスモークサーモンの味を払しょくしてくれ、うれしさのあまりポロネーズでも踊ってしまったらどうしようと危惧していたが、それは杞憂に終わった。
それどころか、ミャーミャー泣きたくなった。トマトソースよりも味噌の味が勝っていたからである。
好きなんですね。こちらの方たちはお味噌が。
それも北海道になじみがある白味噌じゃない味噌が。
地域の名物、地域の味、こちらの方々の魂を揺さぶる味。
わかります。ソウルフード。
でも、少なくとも私にはデミソースとか(名駅にある某レストランにはハンバーグデミ味噌煮込みっていうのがある)スパゲティのミートソースで、隠し味ではなくしっかりと八丁味噌が自己主張する味は、私には苦手である。
そうそう、道南農林水産部の室蘭焼き鳥のたれにも八丁味噌が使われている。
名古屋にある店として、こちらの人の味覚に合わせるのは当然の戦略だが、北海道人としては「これ、別物」なのである。だから、これは室蘭焼き鳥ではないと心して口にしなければならない。
あのミートソースを食べたときに、中国のホテルにあったボロネーゼの日本語訳“イタリア肉の味噌ラーメン”をふと思い出してしまった。あのボロネーゼは学校給食のソフトめん+ミートソースでさえ比較にならないくらいまずかったが……(ルームサービスでは頼まなかったが、ホテル内のレストランで食べてしまったのだ)。
そんなわけで、今日は安易ながらも正統的に“ポロネーズ”を。
有名な、ショパン(Frederic Francois Chopin 1810-49 ポーランド)のポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄(Polonaise heroique)」(1862)。
ポロネーズというのは“ポーランド風”の意味で、もともとはポーランドの民族舞踊のことである。
それが音楽様式の1つとしてヨーロッパに広まったのだった。
一方、スパゲティソースのボロネーゼはイタリアのボローニャ地方の地名が由来であり、ポーランドともポロネーズとも関係ない。すまん……
ここではベルマンの演奏を。ピアノ名曲集に収められている。
1979年録音。グラモフォン。
ところで、この会場では沼田町役場の職員が来て、この町の産物だというケチャップを売っていた。
沼田町は旭川の日本海側に位置する町だが、私はここがトマトの産地だとは知らなかった。
が、販売員としてやって来ていた役場の方が言うには、生食用トマトでなく、ケチャップやジュースにする加工用品種を栽培しているのだそうだ。加工は町の施設が行なっている。
私はケチャップを1瓶買った。
翌朝オムレツを焼き、このケチャップで食べてみたが、実に美味い!
江別市の農家が作っているケチャップも美味しかったが、こちらは私が苦手とするガラモン、いやシナモンが使われているのが難点。
が、沼田町のケチャップは私に対するそういう障害がない。ホントに美味しいトマトケチャップ、注目の一品である。
この美味なるケチャップについてはこちら 【Yahoo】
⇒
北海道ぬまた産 完熟トマトケチャップ
関係ないが、日曜日の夜は、北海道のスープカレーを食べた。
いや、北海道人の集いとは全く関係ないのだが、家で北海道名物のスープカレーを食べた。
その話は、また後日。
異国風ミートソースを食べ、そのあと美味しいケチャップを味わった私がいまモーレツに望んでいるのは、ふつうの-イタリア料理店とか高級レストランのものとは違う-喫茶店とか大衆レストランにある、できれば鉄板の上でジュウジュウ悲鳴をあげながら運ばれてくるミートソース・スパゲティを食べることである。
このケチャップ、そこまで硬くはないです。トマトがもつ甘みがとても感じられますが、同じシリーズでさらに100円高いプレミアム品もあります。
茄子、お嫌いなんですね。
むかし、トムとジェリーを観ていて、なすびを犬に投げつけるとぶつかった途端卵の中身が出て来る、その意味が全然わからなかったものです。