3位だが2強との差はあまりにも大きい
ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 ボヘミア)は9つの交響曲を書いた。
いちばん有名なのは第9番「新世界より」である。
2番目に人気があるのは第8番である。
この曲はイギリスで楽譜が出版されたために「イギリス」というニックネームで呼ばれることもあったが、それは“欽ドン”に出ていた女の子を出身地から気仙沼ちゃんと名づける以上に曲そのものとは全く関係のないもので、さすがに最近はその名を目にすることは少なくなった。
で、3番目に聴かれる機会が多いのは、多分第7番だろう。
ドヴォルザークの交響曲は第7番で、作曲者本人曰く「本格的なもの」になり、そのあと第8番と第9番という傑作へと発展していった。
だが、3番目といってもその人気度は、スーパー業界のイオン、セブン&アイに次ぐユニーのような感じで、上位2つとは大きく差をつけられている。
第8番や第9番に比べると、一発で心に染み入るようなメロディーが少ないからだろう。
結果的に、現時点でエリシュカ全ゲット
で、今日はそのドヴォルザークの交響曲でもたぶん7番目に地味な存在の交響曲第7番ニ短調Op.70,B.141(1884-85)。
ドヴォルザークは自作の交響曲第6番が演奏されるのを聴きにロンドンを訪れたが、これが大成功。
そのためロンドンのフィルハーモニー協会の名誉会員に選ばれた。
そしてまた、新しいシンフォニーの作曲の依頼を受けたのだった。
こうして生まれたのが交響曲第7番である。
そしてまたこの曲には、作曲を始める少し前に耳にしたブラームスの交響曲第3番の影響もあると言われる。
本日紹介する演奏はエリシュカ指揮の札幌交響楽団。
エリシュカ/札響の演奏に対し、私はことごとく褒め言葉を浴びせまくっているが、これは道産子としての郷土愛によるひいきといった偏った評価ではない。
ホントにいいんだもん。
実際、すばらしいんだもん。
この演奏についても、私がこれまで聴いてきたドヴォ7の録音の中で、全然途中で気持ちが緩むことなく引き込まれた。
第7番という曲そのものをあらためて評価したくなる、そんな演奏だ。
特に最後の最後の部分は宗教的な敬虔ささえ感じさせる。
2009年ライヴ録音。Pastier。
で、結局はエリシュカ/札響のCDはすべて買い揃えてしまった私。
まったくもって、遅ればせながら、である。
感動を先送りしてしまっていたわけだ。

話は変わるが、このあいだの日曜日に名古屋に戻るとき、いつものようにコンビニや近くのスーパーで夕食を買うのも芸がないと思い、飛行機に乗る前に弁当を買うことにた。
しかし考えてみれば、空弁は高い。
高いうえに、たとえばイクラが乗った弁当なんて、かばんの中で縦姿勢になると卵の粒の位置がブラウン運動のようにぐちゃぐちゃになる。
そこで札幌駅で駅弁の“やまべ鮭寿し”を買った。
好物ってわけじゃないが、価格も600円と手ごろだし、魚を食べたい気にもなっていたのだ。
ヤマベの皮模様を鮮烈にアピールしているヤマベの押しずしは、ビジュアル的に私の好みではないが、味は良い。良いのだがこの皮の食感は私には喜びをもたらさないものだ。そのことを知っていながら買ったのだから文句は言えない。
一方鮭の押しずしの方は食感も味も良かった。
みなさんも札幌に行くことがあれば一度ご賞味あれ。
それにしても新千歳空港駅で“サーモン寿司”が売られていないのは実に残念なことだ。
そーいえば、今思い出したけど、むかし狸小路にあった(といってもアーケードのなかではない)“シャンボール”っていう名曲喫茶では、よくドヴォルザークの7番がかかっていたなぁ。
それも、(LPレコードだったので)ばっちり傷の音が聞こえてた。
あのとき1人で店を切り盛りしていたお姉さん、もうすっかりおばあさんになったんだろうなぁ。って、すいません余計なお世話でした。
私も最近になって1~6番の良いところに気づき始めました。5番なんかもエリシュカのおかげです。いま聴くと、昔は(今も)評判の良かったノイマンの全集の良さがあまりわからなくなってきています。あの演奏のせいで初期作品に魅かれなかったのかも、です。