さて、何を食べようかと池中さんと協議しようとしたら、池中さんは瞬時に「あんかけスパゲティを食べましょうか?」と提案してきた。
きたかぁ……
これまで逃げ回っていたあんかけスパゲティ。
もうだめだ。
「食べましょうか?」の「か?」の声が小さかった。ということは、彼の本意は「あんかけスパゲティを食べましょう!」である。勝手に「!」をつけてしまったが……
店に入る。
すでに兄ちゃんが食べているそのボリュームに腸閉塞になりそうな気がする。
レギュラーサイズ(M)の麺の量は300gである。
池中さんは「Sにしておいた方が無難ですよ」という。
最初はいちばん安い(というか、ベーシックな)“スペシャル”にしようかと思った。レギュラーで700円である。これは赤いウインナーと玉子がのっているもの。池中さんはそれのSを頼むという。Sは50円安くなるが、それでも麺は200gである。
しかもオリジナルメニューを頼んでみた
私も右にならおうと思ったが、たまたま座ったのが彼の左側だったせいもあって“ねぎ鶏”にした。
長ネギと鶏肉がトッピングされている。この店(あんかけ堂の某店舗)のオリジナルメニューだという。
860円だがSなので810円。
あんかけスパゲティは、一説によればミートソースを名古屋人好みに仕立てたものというが、まったく別種の食べ物だ。
で食べてみると、意外とふつうに食べられた。
名古屋めしのなかでももっとも警戒していたものが、案外とイケた。予想してたほど歪んでなかった。
とはいえ、いろんなバリーエーション(ハムカツとか鶏のから揚げとかまいたけとベーコンなど)に今後積極的に挑戦していこうという前向きな気持ちにまではならなかった。
この辛味、コショウすか?
グレツキ(Henryk Mikolaj Gorecki 1933-2010 ポーランド)の交響曲第3番Op.36「嘆きの歌の交響曲(Symphony of Sorrowful Songs)」(1976)。
作品についてはこちらで詳しく解説しているが、“20世紀後半において最も成功した交響曲のひとつ”(ウィキペディア)なんだそうである。なんせイギリスでラジオ放送されたのをきっかけに世界中で大ヒットしたくらいだし。
確かにこの曲は人の心に訴えかけてくる美しさがある。が、寝不足の翌日には避けた方がよい。
コルド指揮ワルシャワ・フィル、コショウスカのソプラノ独唱で。
1993年録音。フィリップス。
あんかけスパゲティのあんかけは辛みがついている。
けっこうコショウが効いているのだ。
そんなわけでこのCDとあんかけスパゲティと直接的な関係はないが、いや、その、独唱者の名前が……
店にいて驚いたのは若い人もけっこう歳をとった人も(もう定年近くかってぐらいのサラリーマン)、けっこうLとかLLを注文していることである。
麺500g……。私なら腸のなかで麺がからみあってツマリそうだ。
いや、それ以前に完食不可なのは間違いない。


すべては記憶してません。ワードで作成した所有CDのリスト(作曲家別)があります。
今回の場合はコショウの話になったので、コショウにまつわる曲ってなかったかなと検索して、あっ、コショウスカがいたってことになりました。巷の話題からどの曲を取り上げるかはこういう場合もありますが、曲ありきのときももちろんあります。ケースバイケースです。