MozartK136Koop  不等号が逆転した日
 ずっと

 a > b

の日々が続いていた。

 しかし、水曜日の夜はなぜか寝つけず、夜中にトイレに行った際にはちょっとブルッときた。
 いや、用を済ませたあとにブルッときたのではなく、トイレへ向かうときに寒さを感じたのだった。

 そして、木曜日の朝。
 起きるとちょっぴり喉が痛かった。

 a ≧ b になりかけたのだ。

 さらに木曜日の夕方になって、けっこうのどが痛くなった。
 完全に

 a < b に逆転した。

 aは緊張感であり、bは疲れである。
 aには“気の張り”を代入してもよいが、bに“気の緩み”や“やる気のなさ”を代入することは不可である。

  出張が続いたせいもあり
 先週はいろいろと動き回ることが多かった。

 火曜日は三重に出張した。参考までに言うと、昼は御在所SAの柿安でハンバーグカレーを食べた。

 水曜日は富士市に出張。興味はないだろうが、昼は静岡のハンバーグチェーン店“さわやか”で、ハンバーグを食べた。

 木曜日は再度三重に出張した。聞きたくもないだろうが、昼は名古屋に戻ってから“想吃担担麺(シャンツーダンダンミェン)”という店で担担麺を食べた。ここの担担麺のスープは美味しかった。
 が、名古屋に来て共通なことだが、麺が細めなのが私にはお気に召さない。札幌のESTAにある四川飯店の担担麺の麺は(特注らしいが)、ラーメンの麺ほど太くないが、こちらの麺よりは太いし断面がほぼ四角である。あの麺はスープと絶妙なマッチングをみせている。

 担担麺を食べた数時間後にのどの痛みが本格化した。

 まずい!
 この日の夜は、自宅でピーマンとウインナーを炒めたが、しっかりとニンニクスライスも入れた。
 ニンニクで風邪を撃退しようという作戦である(言っておくが、これ1品だけというさびしい食卓ではない)。

 にしても、ハイボールにいつもレモン汁を入れているというのに、風邪というのは一筋縄でいかない奴だ。

  早めのパブロン!
 金曜日。
 しかし、のどの痛みはさらに強くなり、本格的な咳も出るようになった。
 新任地での仕事や生活。疲れはたまって来ていたが、何とか気力でそれを克服していた。
 しかし、ついに気の張りバリアは風邪の侵入を許してしまった。バリアは1ヵ月もたなかったわけだ。

 この日は金沢に出張である。
 朝7時に名古屋駅構内の薬局が開くや否やパブロンエースAX錠とヴィックス・メディケイテッド・ドロップのオレンジ味を購入した。

 金沢はみぞれだった。それは雨に変わった。
 風邪ひきさんの私にとってはよろしくない天候だ。

 申し添えて欲しくないだろうが、この日の昼は“もりもり寿司”という店(回転の方ではない)で“こだわり握り”を注文し食べた。もちろん店は私のチョイスではない。この日は5人で行動していたわけで、金沢のことをなにも知らない私以外の4人はここに決めていたらしい。私1人だけだったらまた担担麺を食べてむせかえったことだろう。

 なかなか美味しい寿司だった。
 ボク、苦手なアジもハマチも食べたよ!

 そして昨日の土曜日。
 ほんのわずかにのどの痛みは残っていたが、驚異的な回復を見せた。私が。
 パブロンエースAX錠とヴィックス・メディケイテッド・ドロップ(オレンジ味)のおかげであり、かつ今回は食欲が落ちなかったことが勝因だと思われる。もちろんハンバーグ・パワーも回復を後押ししてくれたのだろう。

  元気で爽やかな姿で私は金沢をあとに……
 昨日の朝の金沢駅。
 特急“しらさぎ”に乗る前に改札内のトイレに立ち寄ると、天井のスピーカーからはモーツァルトの軽快で爽やかな音楽が流れていた。私の回復を祝福してくれているかのように。

 そのモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)のディヴェルティメント ニ長調K.136(K6.125a)。

 この作品はK.137~138(K6.125b~125c)とともに1772年に書かれているが、3曲合わせてザルツブルク交響曲(Salzburger Sinfonien)」とも呼ばれる。
 編成は2つのヴァイオリンとヴィオラ、チェロであり、弦楽四重奏とも見なせる。
 一方で、各パートを複数人に割り当てて小アンサンブル編成で演奏することもできる。

 また、これらは通常のディヴェルティメントの形式とは異なりメヌエットを除いた3楽章構成で書かれているため、のちに管楽器を加えて交響曲の形に仕上げるつもりだったのではないかという説もある。
 ただ、この時代はディヴェルティメント(喜遊曲)とかノットゥルノ(夜想曲)などのジャンルの明確な区別はなかったのも事実である。

 コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団の演奏を。

 1989年録音。エラート。

 K.136はとても有名な曲だが、それでも耳にするたびに新鮮な喜びを感じるのは、やはりモーツァルトのすごさである。