彼らのことが気になる
水曜日に乗った札幌14:20発の特急・スーパーおおぞら7号は、平日のこの時間にもかかわらずグリーン車も普通指定席車もすべていっぱい。すなわち専門用語でいうところの“満席”だった。
なぜ満席だとわかったかというと、車掌がそうアナウンスしていたわけで、自由席を利用する人は座席に荷物を置いて占有することのないようにお願いしたいということだった。
札幌駅を出発する時点で、私が乗っていた車両(もちろん指定席)もほぼ席が埋まっていた。
そこに高校生らしき青年3名が乗り込んできた。
スーツ姿だ。
両手、両肩がふさがり、通路を歩くのがやっと。
というのも、みんなものすごく大きなかばんと、大きなかばんと、ふつうのかばんにスーツが2着、さらには駅弁が入っていると思われるKIOSKの買い物袋を持っている。そのうち1人はさらにビニール傘まで持っている。
若いってすばらしい。
これだけ数多くの荷物を持って歩けるのに感心するが、数が多くて面倒な以上に、総重量はものすごいことになるだろう。
ホームには先生だろうか、何人かの男性と女性がいて、列車が発車するまで見送っていた。
巨大なかばんは円筒形で、何かスポーツに関連するものが入っていそうにも見えるが、スポーツの大会に出るなら移動時にわざわざスーツを着る必要もないだろうし、3人のスーツもお揃いではない。
じゃあ弁論大会か何かだろうか?
だったら口があればだいたいは済むだろうから、あんなに大量の荷物はいらないはずだ。
集団就職なんて今どきないだろう。
就職試験?受験?
時期的には早いような気がする。
どうもよくわからない。
彼らは釧路までの切符を持っていた。
ホテルにふさわしい選曲
話は変わる。
火曜日の会議は札幌市内のホテルで開催された。
私がエレベーターを降りて会議会場に向かって廊下を歩いていると、天井のスピーカーからちょうどブランデンブルク協奏曲第2番が流れ始めた。
誰の演奏かわからなかったが(まあ、わかるわけないよな)、シックな音楽もいいが、こういう祝祭的な曲も案外BGMに合うものだ。
バッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の「ブランデンブルク協奏曲(Brandenburgische Konzerte)」(1721献呈)。
バッハの作品の中でも特に有名な曲の1つであるこの協奏曲集についてはそこやここなどで取り上げているが、バッハの自筆譜にはこの曲名はなく、「いくつかも楽器による協奏曲集(Concerts avec plusieurs instruments)」と書かれているだけである。
6曲の協奏曲のうち第2番はトランペットが独奏楽器として加わってることもあって、もっとも華やかである。
あのとき流れていた演奏はなんとなくコープマンぽかったので(たぶん違うに違いないけど)、コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団の演奏を。
1983年録音。ワーナー(エラート)。
コープマンの演奏って、昔は何を聴いてもものすごく刺激的に感じたのに、最近あまりそう感じなくなったのはなぜだろう?
刺激に対する私の感受性が鈍ったのか?