
先週の土曜日の話をしよう。
してほしくない?そう、遠慮なさらずに……
土曜日は良い天気だった。
で、私は8:45から予定していた作業にとりかかった。
その作業というのは雪下ろしと雪かきである。
このためにわざわざ自宅に寄り道したといってもよい。というか、モロこのためである。
そうそう、このあいだの地震で耐震安全装置が働き消火してしまったのではないかと危惧された暖房ボイラーは黙々とその任務を遂行していた。
一方、給湯ボイラーは電源を入れるとエラーメッセージが表示された。といっても“ジシンデコワカッタデス”とかじゃなく、エラーコードの数字である。
いったんOFFにして再度スイッチを押すと復帰した。給湯ボイラーは(電源は入れていなかったが)耐震装置が働いたようだ。
その他の地震の被害としては納戸の中の棚の上の方に置いてあったポリバケツが落下していた。
雪の量は無限ではないのだ。そうだそうなのだ
さて、まずはバルコニーの雪下ろし。
雪は50cmほど積もっており、下の方は寒暖の繰り返しのせいでやや硬くなっていた。
黙々と下の庭の一角へ投げ捨てること30分。
作業はあまり困難を伴わないで、微かな嫌気は感じたが無事終了した。
次はカーポートである。
いよいよもって年始に買った脚立(はしご)の出番である。
カーポートは2mの積雪まで耐えるというふれこみだ。
しかしそれは“雪”の場合である。空気を含んでいる雪だからこそ2mの積雪に耐えられる。
しかし下のほうがいったん融けて再び凍結し氷状のものが厚くなってくると重量が増すわけで、そういうのが混在すると2mはちょいと危険と思われる。
カーポートを建てたときに施工業者の人に「やはり雪下ろしはした方がいいんでしょうか?」と尋ねてみたが、「するに越したことはないですよ」という答えが帰って来た。説得力があった。
妻は2mまで大丈夫というなら下ろす必要がないんじゃないと言うが、どう考えても妻よりも施工業者の方の言葉の方が信用できる。
この作業は結構しんどかった。2台分の大きさなので屋根が広い。雪が庭まで達するように力を込めて投げ捨てなければならない。途中腕がプルプルし、腰がゴキゴキした。
が、雪かきスコップでひとすくいするたびに、「確実に減っているのだ。 n-1=∞ ではない」と自分を励まし、なんとかやり終えた。
1時間15分かかった。
そのあとは物置の雪下ろし。
これは5分で終わった。遠くに放り投げる必要なく、雪をそのまま押して落とすだけでいいからだ。
あとは玄関周辺の雪かき。
案外と手こずり40分を要した。
終了時刻は11時15分。計2時間半。
そのあとレトルトカレーを温めて昼食としたが、レトルトパウチを手で開けるのにも難儀した。
耳の中がかゆくなったので耳かきで掃除しようとしたが、それもままならなかった。
ずっと雪かきスコップを握り締めていたため、指がその形からなかなか戻ろうとしなかったからだ。
この日の午後は札響の定期演奏会があった。
私も当初は出かけようと思っていたのだが、いろいろなことが重なり行けなくなった。
そんなわけで午後4時前のスーパーとかち5号に乗車。
しかし、この日は終点の帯広までではなく十勝清水で降りた。
というのも、いろいろないきさつから清水でお酒を飲むことになったからだ。
とにかく、近ごろの私の周りでは、私を中心としていろいろなことが起こっている。
キップハドコニイレレバイイノデスカ?
十勝清水駅に降り立つのはたぶん20年ぶりくらいだ。
車ではこの町にはちょっちゅう来ているのだけど……
定刻の17:58に着いたが、降りたのは私を含め3人だけ。
ホームからの連絡通路を通り駅舎に入ったが、この駅には自動改札機はない。
本来は駅員が切符を回収するためにあるであろう窓には、何者も受け付けないとばかりシャッターが下りている。
じゃあこの切符はどうしたらいいんだ?
駅にはこの降車した3人以外の生体反応がない。つまり駅員はもういないし、別な列車を待つ人も、得体のしれない署名活動をしている人もいない。当方3名、先方0名である。
降車客のうち1人はそのままどこかに消えた。霊だったのか?
もう1人はきょろきょろしている。
私もキョロちゃん状態。
この切符は記念に持ち帰っていいのだろうか?でも、いったい全体なんの記念になるというのだ?
すると連絡通路の壁に目立たない、地味な緑色の箱が取り付けられているのを発見した。
明朝体風の手書きで“きっぷ入れ”とある。
ドアを開けて連絡通路に戻り切符を入れると、キョロキョロちゃんもほっとしたように箱の方へやって来て切符を入れていた。
私と同じ問題に直面し、私と同じ行動をし、晴れて駅舎から出ることができたというわけだ。
木金土と、連日切符回収箱に縁のある3日間であった。
レスピーギ(Ottorino Respighi 1879-1936 イタリア)の「ボッティチェルリの3枚の絵(Trittico Botticelliano)」(1927)。
ここでも取り上げているが、「春」、「東方の3人の博士たちの礼拝」、「ヴィーナスの誕生」の3曲からなる。
室内楽的な透明度の高い美しい音楽で、レスピーギの技巧、特徴がいかんなく発揮された名曲である。
今日はラ・ヴェッキア指揮ローマ交響楽団の、なんだかイタリアの空気を感じさせる演奏を。
2009年録音。ブリリアント・クラシックス。