CoplandBox  そんなに倒せばかえって疲れないかね? 
 金曜日はスーパーとかち3号で戻った。

 時折見かける光景ではあるが、自分の席に着くや否やいきなりシートのリクライニングを目いっぱい、それも威勢よく倒す人がいる。後ろの人に対する配慮はゼロだ。
 一言、「倒してもいいでしょうか?」と聞けば、たいていの人は「うんにゃ、まかりならん!」とは言わないだろう。とはいえ、目いっぱいはちょいと迷惑。「ちょっとだけよ」とか「いいけど、やさしくしてね」とは言いにくいし……
 しかし、そのように後ろの客に配慮する人ならば、目いっぱい倒すことはあまりないだろう。また、こういう人間は自分が逆にそういう目に遭ったらけっこう文句をつけてきたりするような気がする。

 それからまた、途中で降りる場合、リクライニングをそのままにしていく人も少なくない。
 ちゃんと戻して下車する。そうすれば後ろの人のこの先の旅も、より快適なものになるはずだ。

  低温による脂肪凝固ですな、これは
 その前に木曜日の話。

 会議は2つ。その前に打ちあわせがあって、会議の後も突発的な打ち合わせ。
 打ち合わせがパンだとしたら、会議が具のダブルバーガーってな感じだ。

 2つの会議の間に昼食の弁当が出たが、これほどまで人の心を和ませない弁当があるだろうかというものだった。
 箱には“2時間以内にお召し上がりください”と書かれた脅迫めいたシールが貼られている。
 よほど鮮度が命のおかずが入っているのかと思いきや、メインは牛バラ肉のすき焼き風煮込み。つまり牛丼の具のようなもの。それがご飯の上ではなく、味のついていない白いスパゲティの麺の上に盛られていたが、冷めてしまっているせいでホワイトチョコをコーティングしたような状態になっていた。
 そして準メインはエビフライ1本とスモーク・サーモン1切れ。エビフライはエビのフライというよりもパン粉の硬揚げってものだったし、サーモンはどういう意図があるのか読み切れないが、ホントにペラペラのものが1枚だった。
 あとはおひたしだの漬物だのニンジンの煮物、それにポテサラ。

 心温まるどころかご飯は南極直送のように冷たく、“何から”2時間以内なのかさっぱりわからない。しかも製造時間がわからない(何個かずつ詰め込まれた段ボールに書かれていたのだろうか?)。
 やれやれ。

  鬼三度、じゃなくライス・サンドイッチ
 金曜日は朝から道内各地に大雪警報だの波浪警報だのが発令されていた。
 ということは、帰りの列車“スーとか3号”が遅れる恐れがある。

20151127OniSando スーパーとかちには車内販売がない。自販機もない。
 万が一のことを想定し、多めの食料と飲み物、懐中電灯にヘルメットを買い込んで乗車するかどうか迷ったが、結局非常食のおにぎりとミネラルウォーターと缶コーヒーにとどめた。

 結果的にこの非常食は妻の夕食になった。
 というのも途中多少遅れが生じたものの、列車は定刻通りに帯広駅に到着したからであった。新狩勝トンネルを抜け新得に入ったときには青空だったくらいだ。

 昼食に食べればよかったじゃないかって?

 確かにいつもならそうする。
 しかし、この日は温かいものを食べたくなった。

 そこで到着すると、エキナカのラーメン屋で豚丼+小ラーメンセットを食べてしまった。
 味?
 黙秘権を行使したい。

 コープランド(Aaron Copland 1900-90 アメリカ)の「ジョン・ヘンリー ― 鉄道のバラード(John Henry - A Railroad Ballad)」(1940/改訂1952)。

 ウィキペディアによると、付随音楽より改訂された小管弦楽のための作品と書かれているが、そこの付随音楽一覧にはそれらしき曲が見当たらない。「クラシック音楽作品名辞典」(三省堂)にも載っていないし……

 なんだが西部劇映画を思わせる音楽。そして、汽車が走る光景を思わせるメロディーも現われる。
 なんでもジョン・ヘンリーっていうのは。1870年ころにいた鉄道工事に従事した黒人の肉体労働者の名前らしい。ただし本当に実在した人物かどうかはよくわからない。

 コープランド指揮ロンドン交響楽団の演奏で。
 
 1968年録音。ソニークラシカル。