阿部じゃなくて安倍でもいいよ、別に……クリスマス・シリーズ第3弾は「アヴェ・マリア」。
人口の多い日本では、たぶん少なくとも2人か3人は阿部真理亜という名の少女がいるだろうが(ばあさんでも構わないけど)、ここでいう「あべまりあ」は“Ave Maria”のこと。
意味は“めでたしマリア”で、ローマ・カトリック教会において聖母マリアを讃える歌。つまり教会音楽だが、世俗歌曲も作られた。
今日はシューベルトの「アヴェ・マリア(エレンの歌 第3)」とともに、2大アヴェ・マリアと私が勝手に呼んでいる、グノー(Charles Francois Gounod 1818-93 フランス)の「アヴェ・マリア」(1859)。
この曲には「バッハの前奏曲第1番につけられた宗教的歌曲(Melodie religieuse adaptee au 1er prelude de Bach)の副題がある。
パクリと言うなかれ
そうなのである。
バッハの前奏曲第1番に付けちゃったのである。歌を。
バッハの前奏曲第1番というのは、24の前奏曲とフーガからなる「平均律クラヴィア曲集第1部」(1722完成)の第1曲ハ長調BWV.846の前奏曲のこと。
グノーはこの前奏曲をほぼそのまま伴奏に使い、それに歌のメロディーを付けたのだった。
この曲の作曲者を書く場合、「バッハ/グノー」とか「グノー/バッハ」とあるのはこういう理由による。
グノーが書いたこの「アヴェ・マリア」はソプラノとオーケストラ、オルガンという編成だが、伴奏だけでもすばらしい偉大な作品なわけで、そしてまたグノーが付けたメロディーがこれまた清楚で美しいので、いまではいろいろな楽器のために編曲され演奏される。
その前に書かれたのは歌詞を持たないだけ?
ところで、グノーはこの歌曲の前に器楽作品も書いている。
1852年の「バッハの前奏曲第1番による瞑想曲(Meditation sur le 1er prelude de Bach)」である。
ヴァイオリンとピアノ、オルガンという編成だが、これと宗教的歌曲が歌の有無以外の違いがあるのかどうかは私にはわからない。
今日は「聖なる調べ」というアルバムを。
“究極の安らぎのための歌を集めた”というふれこみのCD。
確かにそうかもしれないが、バードやシサスク、カンプラの曲まで入っていて、なんだか無理やり曲を集めた苦労が感じられなくもない。
グノーの「アヴェ・マリア」の演奏は(「アヴェ・マリア」としては、他にシューベルトとブルックナーの作品が収められている)、ハンプソンのバリトン、ウルフ指揮セントポール室内管弦楽団で、19912年録音。

アメリカでもそうですか。
グノーの曲、すっごくよく作られてますよね。