えっ?なぜ?
数日前に北海道庁の出先機関である某総合振興局から封書が届いた。
中身は“道税還付金還付・充当通知書”というものだった。
このあいだ車を入れ替えたが、前の車の時に支払った自動車税の一部が月割りで戻ってくるのである。
すでに先月最初の案内ハガキが来て、電話で支払い手続きをとった。
ところが今回届いた通知書には、支払場所の欄に“ゆうちょ銀行及び郵便局”とある。
んっ?ユウビンキョク?
裏面に書かれている内容を読むと、支払場所欄にこのように印字されている場合は、この通知書では還付金を受け取ることができず、後日ゆうちょ銀行の貯金事務センターから「振替払出証書」が送付されるのでそれを郵便局に持って行って還付金を受け取れと書かれている。
なにっ?
おかしいではないか!
というのも、上に書いたように9月に“自動車税減額通知書”というハガキがすでに届いており、そこには銀行振込を希望するなら振興局の担当課担当係に連絡するように書かれていた。そして私はそこに電話をしたのだ。
電話では口座番号まで聞かれ、10月〇日(もう過ぎている)に振り込まれる予定とまで言われた。
ところが振り込まれるどころか、このような通知書が届き、しかもさらに実際に支払われるのは後日だという。
私は7日に通帳の記帳をしてみた。
やはり還付金は入金されていなかった。通知書にあるように、払出証明証書が届くまでお預けなのだ。
なぜ手続きしたことが、当たり前のように行なわれていないのか?
「記録なし」と有無を言わせない回答
そこで再びI振興局に電話してみる。
電話の先にいるおじさん(声から推定)は、廃車にした車のナンバーと私の名前を聞き、「調べますから」としばし保留音。
保留音が切れ、聞き取りにくい声で相手が口にした結論は、「記録がありません」。
つまり、私が口座番号を伝えて振込希望の手続きをしたという記録が残っていないというのだ。
私は寝ぼけてなどいない。間違いなく電話した。
「えっ?聞き取った私の口座番号がどこかに消えたってことですか?」
「はい、受け付けた記録が残ってません」
キョウビ、これだけ個人情報がどうだ詐欺がどうだと騒がれているというのに、口座番号を聞くだけ聞いておいて、どっかいきましたってひどくね?
こっちは入金日まで教えられていたのだ。だから、あのとき役所の誰かは間違いなく私の手続きをきちんと受け付けたわけだ。聞いてなかったという言い訳は成り立たない。
入金が遅れることはいい。
そもそも電話で振り込み申込みっていうのもいまどき危なっかしいなぁと、先月手続きしたときに感じたが、実際危なっかしかった。
記録がないってことは、聞いたことを忘れたか、たぶんそのメモかなんかはどこかにいっちゃったってことでしょ?
言った言わないでそれ以上文句を言ったってしょうがないので(前回電話で話した相手の名を聞いてなかったのは私のミスだ)電話を切ったが、ちょっとムッとした。申し訳ないって感じの態度でもなかったし……
口座番号がどこかに漏れたからって何かの被害に遭うってものでもないかもしれないが、気持ちいいものではない。
私のように泣き寝入りタイプの人じゃなかったら、相当食いついて文句を言い、場合によっては“はいはい道新”に電話をし、実名が出るのも辞さないタイプの人なら道新の“読者の声”に投稿し、それでも怒りが収まらない場合は“どさんこワイド”にファックスを打つかもしれない。
マイナンバー導入とかなんとか言ってるいま、個人情報の管理、ホントに大丈夫なのかと心配になる。
大太鼓の音が妙に素敵
腹が立ったときは伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)でスカッとするに限る。
楽しいときも悲しいときもどんなときでも……って、タプカーラを踊るときのようだが、今日は私にとって伊福部教信者になった原点というべき作品「マリンバとオーケストラのための『ラウダ・コンチェルタータ(Lauda concertata)』」(1979)、の山田一雄指揮新星日本交響楽団による初演時ライヴ。マリンバはもちろん安倍圭子。
この曲、この演奏についてはこれまでも何度も取り上げてきており、それだけでもしつこい男なのに、さらに執拗なオスティナート野郎だと思われるといやなので過去記事へのリンクは今回は遠慮しておく(でも……→1つだけ)。
現在私が持っている「ラウダ・コンチェルタータ」のCDは次のとおり。たぶん販売されているほとんどあるいは全部を網羅しているのではないかと思う。
・安倍圭子,石井眞木/新交響楽団(1993年ライヴ)
・安倍圭子,岩城宏之/東京都交響楽団(1990年ライヴ)
・安倍圭子,山田一雄/新星日本交響楽団(1979年ライヴ)
・山口多嘉子,金洪才/佼成ウィンド・オーケストラ(1997年)
【吹奏楽版:作曲者&和田薫編(1986)】
・高田みどり,川上敦子(ピアノ)(2012年)
【ピアノ・リダクション版:長瀬博彦編】
オリジナルのオーケストラ版で比較すると、山田よりあとに録音された岩城盤、石井盤の方が安倍の表現の幅が広がっている。初演時ライヴではマリンバのパートがやや一本調子である。が、逆に非常にバーバリックでもある。
いちばんバランスがとれているのは石井指揮によるベルリンでのライヴ。マリンバもオケもいい。
だが、どれだけ聴いたか数えきれない山田盤は、録音が決して良いとは言えず、カサカサ乾燥肌のような音色の録音になっているにもかかわらず、長らくそれで育ってきたせいもあって、聴くと血が騒ぐ、燃える、爆発する。
そして、不思議なことに大太鼓の音が妙にリアルで豊かな響きなのも大きな魅力だ。
私は今回、役所の仕事の仕方が悪かったと言い切る気はない。
そう言い切らないことに抵抗を感じなくもないが……
けど、どんな組織も、結局は“人”なのだろう。