望んでないが耳に残る歌
北海道以外にお住いの方でも、六花亭のことを知っている人はけっこういるだろう。
その昔ホワイト・チョコレートで大当たりし、一躍その名を全国的なものにした(ような気がする)。
マルセイバターサンドはすっかりおみやげの定番となっているが、レーズンが苦手な私はあまり食べたことがない。
帯広の街にある六花亭も、観光客や地元の人でにぎわっているが、値段の安さも人気の要因だろう。
その六花亭、「♪はな、はな、はな、はな……」と女声コーラスが歌うTVコマーシャルを盛んに流している。
その歌は、どこか昔臭く、どこか宗教っぽい。
もちろん六花亭がどこかの宗教と関係あるはずはないのだが、単純な繰り返しで脳みそを洗脳する感じがそう連想させるのだ。
そしてまた、画面を観ないで歌だけ聞くでもなく聞いていると、「あな、あな、あな、あな……」にも聴こえる。でも、ANAのCMには絶対使われないテイストの音楽である。したがって、穴へと誘惑する微熟女クラブのCMと勘違いできなくもない。
そこに映っている花は春から夏の山野草。
六花亭でやっている“六花の森”という庭園で撮ったものだが、終りで「♪花咲く六花亭ぃ~」って歌ってるものの、いま行ったところで画面に映っているオオバナノエンレイソウもヤチブキ(エゾノリュウキンカ/エゾリュウキンカ)もシラネアオイもまったく咲いてないし、ハマナスだってもう終わってるだろう。
下に掲載した写真はいずれも3年前に六花の森に行ったときに撮ったもの。上からオオバナノエンレイソウ、エゾノリュウキンカ、シラネアオイだが、撮影したのは5月だ。
筋力減で腕が震える、ってことじゃなかったようで……
ところで、やっぱりあのころ使っていたニコンのデジカメの方が、いまのオリンパスの製品より画像が断然いい。よかった、私の腕(技術面、筋力面、持久力)が衰えたんじゃなくて。
これからはエゾノコンギクとかトリカブトじゃないかなぁ。季節感を大切にしないと、場合によってはCMを観た人をだますことになりかねない。余計なお世話だろうけど。
嫌味っぽく感じるかもしれないけど、今日はバルトーク(Bartok,Bela 1881-1945 ハンガリー)の「2つの映像(Ket kep/Zwei Bilder)」Op.10,Sz.46(1910)。
タイトル通り2曲からなる管弦楽作品で、第1曲は「花ざかり」、第2曲は「田舎の踊り」。
作品については過去に自己評価ではかなり丁寧に書いているので、そちらを参考にしていただきたいが、タイトルがドビュッシー的。実際、ドビュッシーへの共感と影響がある。
ブーレーズ指揮シカゴ交響楽団の演奏を、再び推すことにする。
なぜなら、他の演奏で聴いたことがないからだ。
1992年録音。グラモフォン。
ウチの庭も、今年の花ざかりは事実上終わった。
人生の盛りを過ぎた私が言うのだから間違いない。
ついでに、石屋製菓の話
札幌の地下鉄が初めて開業したときに、いまや超有名になった石屋製菓が売り出したお菓子が“シェルター”。
札幌の地下鉄南北線は平岸駅と霊園前駅(現在の南平岸駅)の間から真駒内までは地上での運転になるが、雪対策のため軌道はシェルターで覆われている。
そこで石屋製菓が祝・地下鉄開業で発売したのが“シェルター”というラング・ド・シャークッキーだった。
食べたことはないけど(というか、知らんかった。いつまであったのだろう?)、このクッキーがのちに大ヒットし、今でも売れ続けている“白い恋人”の前身となっているんだそうだ。
“シェルター”に改良を加え、ホワイトチョコをはさんだものだ“白い恋人”。
と簡単に言ってはいけない。けっこう試行錯誤したに違いない。
“白い恋人”には類似品もあるが、やっぱり本家の味と食感にはかなわないと私は思っている。
小樽のホテルのことはわかりませんが、やはり札幌では雪印パーラーも定番なのですね。六花亭はチョコはすっかり定番アイテムになっているようですが、このごろはマルキャラというキャラメルに力を入れています。
六花の森は中札内村というところにあります。今ではすっかり相手にされていない感がある田中良剛の花畑牧場もこの村にあります。六花の森には六花亭の包装紙に描かれている山野草を中心とした自然庭園があり、そこに十勝ゆかりの人の小さな美術館が点在しています。