筋はわからんので笑えない。が、ひどく引き込まれる
P.M.デイヴィス(Peter Maxwell Davies 1934- イギリス)の歌劇「復活(Resurrection)」Op.129(1987)。
“彼の作品は人を食ったものが多く、中でもオペラ「復活」が超笑えます。ほんと。ぜひオタメシください。”
これは私が「石の連禱」について書いた記事に、“ぶっちさん”が寄せてくれたコメントの一部である。
ここまで書かれると、試さないまま済ませることなどできない人情味の厚い私である。
で、聴いてみた。
すごい!おもしろい!衝撃的!
クラシック以外の音楽について疎いのでうまく言えないが、ドラムセットがズンズン鳴り響くなか、ロックってものなのだろうか?、とにかく非クラシカルな歌が歌われる。それはしばしば絶叫的。
しかし、どの歌も、あるいは前衛的な箇所も、さらには抒情的なところも、メロディーや響きが非常に魅力的で印象的。
「ウエスト・サイド」を初めて耳にしたとき、これがクラシックの作曲家が書いた曲かと驚いたが、そのときの驚きなんて吹き飛ぶほど衝撃的。
そして、もう何度も通しで聴き返してしまっている。
人間の頭が爆発して、それを手術して、アレが暴発して、これがああなって…これ以上は説明不可能です
プロローグと1幕からなる作品で、内容はCDの帯の見出しによると上のようなものらしい。
編成も特殊で、このCDではオーケストラ以外にロックバンドやエレクトロニック・ヴォーカル・カルテットというものまで動員されている。
とにかくあなたもオタメシあれ!
CDの帯には、もっと詳しいことが書かれている。
作品はさすがに彼らしく、様々な要素が内包されていて、とても一言では言い尽くせません。まさに「暴力的な多様性」を秘めた作品です。登場人物だけを取り上げてみても異様です。何しろ、テレビ広告の声や、ロック・バンドまで登場するのですから。手術台に載せられ脳の手術を受けた英雄は、その痛みや不快感をナンセンスな歌で外科医に伝え、救世主の復活はテレビコマーシャルで伝えられます。英雄は等身大の人形で、家族の中の母の役割はカウンターテナーが受け持ちます。随所に猫の歌が挿入され、様々な楽器は調子はずれの曲を流し続けます。雑多なものが詰め込まれている風を装いながら、実は社会への痛烈な批判が込められているあたりが、この作曲家のすごいところでしょう。
プロローグに続く各曲は、
Man/Dad/Sister/Brother/Headmaster/Vicar/Doctor/Chorale/Transition and Surgeous' Introduction to The Act/Abbot,Minister,Croesus,Comrade Serbsky/Political Rally/Revivalist Rally/Sex History/Hymn of Satisfaction/Song of the New Resurrection
長木誠司監修の「作曲の20世紀 Ⅱ」(音楽之友社:1993)には、デイヴィスについて次のように書かれている。
また、デイヴィスの作品には、1965年以来、演劇的な傾向が強まってきた。その作品群には、舞台上に歌手や俳優だけでなく楽器奏者も見えるという点と、ストーリー性が希薄だという点で、形態的にも内容的にも革新的だと考えられた「ミュージック・シアター」から、大規模なオペラまで含まれる。
たぶん「復活」も従来の歌劇の概念には収まらないものなのだろう。
作曲者自身の指揮BBCフィルハーモニック他の演奏。
1994年録音。ナクソス(Collins Classicsからの移行盤)。
これ、聴かなきゃ損ソン!です。
いいもの教えてくれてありがとう!
ぶっちさんにぶっちぎりの感謝である。
復活といえば、チリチリしたへんてこな葉しか出ていなかったわが家の庭のバラの“ボサノヴァ”。
今回帰宅して見たところ、少し回復の兆しが……
このまま無事元気な姿に復活してくれるといいが……

ホント、すばらしい作品を教えていただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。
たまに気分転換にジャムパンも食べます。