
マクスウェル・デイヴィス(Peter Maxwell Davies 1934- イギリス)の「石の連禱(Stone litany)」(1973)。
過去に1度か2度耳にしただけで、その後再び耳にする機会がない音楽作品が私にはいくつもあるが、この曲もその1つ。
たぶん作曲されてすぐあとのことだと思うが、ブーレーズが来日して(オケは覚えていない)この曲を演奏しているのをTVで観た。
今から40年ほど前のことで、私がクラシック音楽を聴くようになってすぐのことだ。
ということは、私がクラシックを聴くようになったのが仮に2歳の時だったとしても、すでに今年44歳くらいになってしまっていることになる。
先週札幌の街中のCDショップ(タワレコではない)に時間つぶしのために立ち寄ったところ、ナクソスからずいぶんとデイヴィスのCDが出ているのを知り、もしやと思って目を西川きよしにして探したら、全然大きな店ではないので瞬時に、なんと「石の連禱」を発見したのである。
再び耳にしていない作品群の中でも、これは大物。
死ぬ前に再び巡り合えて感慨無量だ。
ただ、TVで1度観ただけの作品だ。どんな曲だったかはさっぱり覚えていない。
記憶にあるのはソプラノ歌手が耳に優しくない歌を叫ぶように歌っていたことと、メロディーが感じられない音楽だったということ。ただし、水が入ったワイングラスの縁を2人の奏者が各々こすって出している「キィィィィィィィィーン」という幻想的な響きがとても印象的だった。のちにこれがグラス・ハープということを知った(グラス・ハーモニカの発音原理も同じ)。
懐かしく感じるのは気のせいか?
「石の連禱」について、CDの帯には“オークニー諸島の物語。新石器時代の古墳のに刻まれた碑文…ヴァイキングの略奪…に触発された、幽玄な風景を連想させる不思議な曲です”と書かれている。
まったく記憶に残ってない曲なのに、このCDを聴いてどこか懐かしい気がするのが不思議だ。しかもこれといった印象的なメロディーがないのに、である。
グラス・ハープの音はもっと大きかった印象があるが、この録音では「おやっ?何の音かな?」という感じでひっそりと主張している。
バリバリの前衛音楽だが、当時会場にいた人たちはこの曲をどう受け止めたのだろう?
オーケストラが放つ新鮮な色彩をもった響きに魅せられたのかもしれない。
ジョーンズのメゾ・ソプラノ、作曲者指揮のBBCフィルハーモニック。
1992年録音。ナクソス。
このCDの詳しい情報 【ナクソス】
1992年録音!?
3か月に1回は、こういう再会できていない曲のCDが出ていないか検索していたのに、ずっと見逃していたのか?
私は一瞬愕然となったが、2014年10月リリースなんだそうだ。なぜかほっとした。
録音から20年以上発売されなかったことになる。
でも、リリースから半年以上経っているわけで、やっぱり見逃していたことに変わりはなかった。
やれやれ……
いえ、カードで買ってますので、8月度がクリームパンばかりになります。