BeethovenOvt  バラにとかなら文句は出ないだろうけど
 高崎山自然動物公園で生まれた雌のサルに、イギリスの女王と同じシャーロットという名をつけたということが物議を醸している。
 「なんと失礼な!」「非常識だ!」といった批判が殺到しているという。


 う~ん、批判されるのもしょうがないと私も思う。
 生まれたばかりの女王と同じ名前を、生まれたばかりのサル - それも個人で飼っているペットじゃないわけで - につけるのは、失礼じゃないだろうか?

 イギリス王室の広報官は“王室としては公式にはノーコメント。もっぱら動物園側の問題”とおとなの対応。
 が、“公式には”という言い方が、ムッとしている感を放散している。

 たとえば国内、つまり天皇家でこのようなことが起こったら、どうなんだろう?

 それとも、そんなに目くじらをたてるようなことじゃないのだろうか?
 よくわからないけど、私が動物園関係者ならシャーロットと名づける勇気はないな。

 ちなみに、バラにはすでに“シャーロット”いう品種がある(“シャルロット”とも呼ばれる)。オースティンが1993年に作出したイングリッシュ・ローズである。


  映画に出られるんなら、私脱ぐわ!
 一方、「マッサン」に出てすっかり人気者になったシャーロット・ケイト・フォックス。
 来日前に出演した映画でヘアヌードを披露していたことが判明しこのところ話題になっているが、下積み時代の女優が裸になるのは珍しいことではない。まさに体を張るわけだ。

 日本でこれだけ人気が出て、しかも聖女のような扱いをされたから、こういう騒ぎになっちゃった。考えようによっては、気の毒である。
 いや、これでもっと人気が高まるのか?DVD、けっこう売れるかも。なかなかしたたか?

 その彼女、ジャーロット王女生誕に「王女の名前が私の名前と同じということに、驚きとともに光栄に思っています。これからこの『シャーロット』という名前が、長く世界中に知られていくことは大変うれしいことですし、私の愛する日本でこのニュースに接することの偶然に『何かの縁』を感じています」とコメントを寄せたそうだ。


 “日本で接することの偶然に『何かの縁』に感じる”という意味が、私にはよくわからないのですけど……


  円熟期に書かれた、ややコンパクトな序曲 
 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の序曲「命名祝日(Namensfeier)」Op.115(1814-15)。


 この曲はオーストリア皇帝フランツ2世の命名祝日での演奏を予定して書かれた。
 しかし、実際にはそのときは演奏されず、聖マルクス病院の募金舞踏会で初演された。なお、出版に当たってリトアニアのA.H.ラジヴィウ侯爵に献呈されている。

 作曲年でみると、このころにベートーヴェンが書いた作品としては、交響曲では第7番と第8番(ともに1811-12)が、付随音楽では「トルコ行進曲」が有名な「アテネの廃墟」(1811)が、器楽曲ではピアノ・ソナタ第27番(1814)などがある。一方で、「ウェリントンの勝利」というなんともいえぬ、キワモノっぽい曲も作られている(1813)。
 「命名祝日」はキワモノではないが、「ウェリントンの勝利」っぽい“おだったノリ”を感じさせる音楽だ。

 私が持っている録音は、レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団のもの。

 曲自体が軽めの響きではあるのだが、このコンビの重心が低く厚みのあるサウンドは、いかにもベートーヴェン!って感じ。
 王道を行くという感じの堂々とした演奏だ。


 一緒に収められている他の序曲、たとえば有名な「コリオラン」や「エグモント」などどれもがグッとくる名演である。

 1982-83年録音。ドイツシャルプラッテン。