DebussyRavelBoulez  価値ある品質をあなたに
 連休中に札幌市内のSEIYUに久しぶりに行き、店づくりが私が望まない方向へと拍車がかかっていることに悲しく寂しい思いをしたが、そのあとに新さっぽろのダイエーに行った。ちなみに私が行ったSEIYUは新札幌に近い厚別店ではないことを申し添えておく。添えなくてもいいといえばいいのだが……

 さて、“しんさっぽろ”だが、JR側の立場で書くと“新札幌”、地下鉄側の立場なら“新さっぽろ”となる。
 いえ、どうでもいいことです。すいません。

 ダイエーと棟続きでカテプリというデパートがある。
 カテプリというのは品質のQualiteと価値のPrixをつなげたもので、Qualiteprixと書かれると、クァライテプリックスと読んじゃいたくなる気持ちは満々だが、でもそうじゃなくてカテプリなのである。

 この百貨店はかつてはプランタンを名乗っていた。しかし、契約の関係からかプランタンの看板をカテプリに替えたのだった。

 プランタン時代からパッとしない店だったし、「会いたくて咲きました」のキャッチフレーズで新装オープンした際のカテプリも、交通量の少なくなった旧国道沿いのみやげ物屋のように閑散としていたが、最近はテナントもけっこう入れ替わり充実、ちょっぴり個性的なデパートになりつつある。
 地下の食品売り場も(しかし食品だけに統一されていないところが、いかにもカテプリらしい)けっこう賑わっていた。

 カテプリよりも“春”を意味するプランタンの方が、クラシック音楽好きとしては親しみがあるが(だって、プランタンと名がつく音楽作品はたくさんあるんですもの)、チェーン化していない一匹狼のようなこの百貨店の時代はこれからやって来るような気がする(し、やって来ない可能性もある)。

  で、本日のプランタン
 先日、ドビュッシー(Claude-Achille Debussy 1862-1918 フランス)のピアノ曲集である「映像」の第1集、第2集を取り上げたが、今日は「映像第3集(Images 3)」である「管弦楽のための映像(Images pour orchestre)」。

 曲は3つからなり、さらに第2曲のイベリアは3曲からなる。

 1. ジグ(Gigues)
 2. イベリア(Iberia)
  ⅰ) 街の道や抜け道を通って(Par les rues et par les chemins)
  ⅱ) 夜の香り(Les parfums de la nuit)
  ⅲ) 祭の日の朝(Le matin d'un jour de fete)
 3. 春のロンド(Rondes de printemps)

 作曲年は、第1曲の「ジグ」が1909-12、第2曲「イベリア」は1905-08。
 第3曲「春のロンド」は1905-09の作曲だが、この“プランタンの回旋曲”のオーケストレーションは、ドビュッシーの友人で作曲家兼指揮者だったA.カプレが完成した。また、「春のロンド」をドビュッシーは、妻のエマに献呈している。

 「映像第3集」はドビュッシーの印象主義の到達点の傑作と言われる。
 イギリス、スペイン、フランスの民謡や舞曲を素材としており、もちろん標題音楽ではなくドビュッシーが受けた印象を音楽化したものである。

 最近お気にのブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団の演奏で。
 精緻だが、音が織りなす輪郭が鉛筆で描いた線をティッシュでさっとこすったときのようにわずかにぼやけている感じがする。そこが人間的であり、官能的でもある。

 1991年録音。グラモフォン。

 関係ないけど、取引先の某役員さんの名前は栄三さんっていいます。