四十肩の方には無理です
浅田次郎の「ブラック オア ホワイト」の中に次の一節がある。
それから二人は、まるでメヌエットでも踊るみたいに、つないだ両手を顔の高さに掲げて歩き出した。
メヌエットは宮廷舞踊から生まれたもの。実際どんな踊り方をするのか私はよく知らないが、優雅なものに違いない。
手を顔の高さに掲げるなんてたいへんそうだけど。
ところで「ブラック オア ホワイト」を読み終えたが、私にとってはやや期待外れだった。
つまらなくはないけど、「そーなんですかぁ~」って感じ。
倒錯した夢の世界が語られるが、突き進むようにどんどん読みたいという衝動は、最後まで私には起こらなかった。
なわけで、読み終えるのに思った以上に日数を費やしてしまった。
耳にしないまま死んだというのはウソっぽい
モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の数ある作品の中でも、最もよく知られているメロディーの1つは交響曲第40番ト短調K.550(1788)の第1楽章第1主題じゃないだろうか?
チャララー、チャララー、チャララーラー、チャララ、ラララ、ララララ……
って、書いたところで、かえってわかりにくいでしょうね、きっと。「ちゃらちゃらしてんじゃねーよっ!」とお叱りの言葉が飛んできそうだ。
だったら、あまり親切な方法じゃないようで抵抗を感じるが、かといって、チャララチャララ書いてても埒が明かないので、逆に手段としては究極の親切のような気がしないでもない楽譜の掲載を(写真上)。
これは音楽之友社のスコアのもの(ベーレンライター版)。
これであなたの頭にもはっきりと、チャララー、チャララー、チャララーラー、チャララ、ラララ、ララララのメロディーが浮かぶはずだ(といいなぁ)。
この交響曲の初演がいつどこで行なわれたのかわかっていない。
かつては、モーツァルトの生前には演奏されることがなかったと言われていたが、改訂版は1791年4月16日~17日にウィーンで初演されているようだ(ちなみにモーツァルトが亡くなったのは12月5日)。
初版では編成にクラリネットを含まないが、改訂版ではクラリネットが2本加わる。
モーツァルトが改訂を施したということは、1788年に作曲したあと、その初版の演奏を耳にした結果からと考えるのが自然。
このころすでにモーツァルトの人気は凋落し、開く当てのない演奏会のために交響曲を書いたという言い伝えから、生前作曲者がこの曲が演奏されるのを耳にすることはなかったというロマンティックな物語ができあがった。しかし、どうやらそれは正しくないようである。 モーツァルトの交響曲は同じ1988年に作曲された第41番が最後となるが、全交響曲中、短調で書かれたものはこの40番と25番の2曲だけ。それも同じト短調。
このため第40番を「大ト短調交響曲」、第25番を「小ト短調交響曲」と呼ぶこともあるが、わざわざそんな呼び方をしなくても、交響曲第40番と交響曲第25番って言えばいいじゃんと思ってしまう。
突き進む舞曲
ところで、第40番の第3楽章はメヌエットの楽章だが(掲載スコア・下)、テンポはアレグレット。
その突進するような音楽は、古典的なメヌエットとは大きな隔たりがある。これじゃあ踊れない。踊ったとしても髪をふり乱しながらの高速モードで踊るしかない。へとへとになるのは必至。ダイエット効果抜群!
それまでの概念をひっくり返すような、こんな「メヌエット」を書くモーツァルトって、なんと革新的だったのだろう!
ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏を。
あっさり、さっぱりした演奏で、胃もたれしない。最初はあっけなさすぎるように感じるが、聴きなれると余計な手が加わっていない分、素の姿が見える。当時はこういう風に響いていたはずだ。
1989年録音。デッカ(原盤フィリップス)。
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