
モンをご存じだろうか?
門でも紋でも悶でもなく、モン。
厳密にはMonnである。
ちょいと書き間違えれば月になってしまうが、MoonではなくMonn。
ムーンスターは月星だが、モンスターは化け物。ここに書く必然性は全くないが……
モン(Marhias Georg Monn 1717-50 オーストリア)は、前古典派時代の作曲家であり、オルガニスト。
実は私もちっとも知らなかった。この人のこと。
しかし、モンはソナタ形式発展に重大な役割を果たしているそうだ。というのは、交響曲(まだ未熟な“シンフォニア”の時代)で第2主題を導入するということに成功したというのである。
音楽形式の発展には、有名どころだけじゃなく、その陰に多くの貢献者がいたわけだ。
生まれ年でみると、モンはカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(大バッハの次男)より3歳年下にあたる。
が、没年をみると、なんとまあ若くして死んでしまったものかと、気の毒に思う。
平易に聴こえるが……
そこでシェーンベルク(Arnold Schoenberg 1874-1951 オーストリア→アメリカ)のチェロ協奏曲ニ長調(1935初演)。作品番号はない。
前古典派の、それもほとんど誰も知らない作曲家の名をあげておいて、いきなり12音音楽の創始者の作品とはいったいどうしたことかと思われるかもしれない。ワープか?(って古い、、、)
「漫画は好き?」と聞かれた後に、「だったら貸してあげるよ」とプラトンかサルトルの哲学書を手渡されるようなもんだから。
あるいは、街中を凛々しく歩いていると、知らない女性が恥らいながら「あのぅ~」と声をかけてくる。けっこうかわいいじゃん。こっちも一瞬脇が甘くなる。その次に彼女の口から出たのは「アタシと、一緒に、お祈りしませんか」っていうもの。急に無視するかのように足早に立ち去らねばならないという、気分のギャップにも似ている。
が、この2人、いやだから彼女と私じゃなく、モンとシェーンベルクには実はつながりがある。
シェーンベルクのチェロ協奏曲は、モンのクラヴィア協奏曲ニ長調を改編したものなのだ。もっとも、ただチェロ協奏曲の形に直したというだけではなく、けっこう創作を加えているという。
オリジナルのメロディーのせいなんだろうが、なんだかとぼけた感じがする曲。
概して親しみやすいとは言えない音楽を残してくださったシェーンベルクだが、これは親しみやすさを通り越してパロディーのように聴こえる。
シェリーのチェロ、クラフト指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏をお試しあれ。
2000年録音。ナクソス。
ちなみにこのCDの帯には次のように書かれている。
独奏パートに超絶技巧を取り入れ、オーケストレーションを極彩色に染め上げた、モンのチェロ協奏曲もまた、オドロキの一品です。
この曲、カザルスに献呈されたが、カザルスは演奏困難だとして取り上げなかったといういきさつがある。
その他報告事項
みなさんにご心配をかけたが、腰痛はかなり良くなった。
しかし湿布の長期連用で、その部分のお肌が若干荒れている。
また、先日えべチュンら~めんを食べてみた。
まずはみそ味の方。
うん。すっごく感動はしなかったが、なかなか美味しかった。
へぇ、N響で取り上げたんですね。