MiyaVcMork  ははぁ~ん、のん気だねぇ~
 水曜日は札幌から帯広へと戻ったのだが、おかげさまで列車は遅れることなく運転してくれた。

 札幌駅を出発してすぐに油の芳香が鼻を刺激した。

 見ると通路を挟んで斜め前の女性客がエビカツバーガーを食べ始めていた。
 行きはオムライス、帰りはエビカツの香りで、私の旅は始まったわけだ。
 そういえば、いまでもホームの立ち食いソバを持ち込み容器に入れてもらって、車内ですする人っているのだろうか?見たことないな……

 トマム駅に停車したときの天気がいちばんひどかった。
 吹雪である。

 トマム駅の停車時間はわずかだ。
 が、この日、停車してからおもむろに荷棚から荷物をおろし、ちんたらまんたらと通路を牛歩してデッキに向かう親子連れ2組がいた。

 どうみても東洋系外国人だ。
 私はこの人たち全員が絶対に降りられないと思った。
 通路を信じられないくらい落ち着き払って歩いているうちにドアが閉まり発車するに違いないと思った。
 荷物も大きいが、小さな子連れでもある。席を立つのが遅すぎる。

 が、間に合ってしまった。ちぇっ
 行きあいの列車を待つ関係でたまたま停車時間が長くなったのだ。
 なんてツイてる連中だ。
 が、良かった。これで降りそびれたらどんだけ大騒ぎしたか知れたもんじゃない。

 旅行代理店の方へ。
 外人客には早めに降車の準備をし、駅に滑り込むときにはすでにデッキに行ってるようご指導願います。

  人間の見栄を巧みに利用する人々
 木曜日は午後から日向山課長と釧路へ。
 釧路支社と打ち合わせをしたあと一緒に食事。案内してくれたのは釧路らしく海の幸のメニューが豊富な店。

 が、支社長が言う。
 「ここの店はどれを食べても美味しいんだけど、やたらと高いものを勧めてくるのが困る。特に取引先とかお客さんと一緒のときなんか、『今日はすごくいい毛蟹が入ってますが、いかがですか?』とか言ってくるんだ。お客さんがいる前で。となると、こちらもそこで『いらない』とは言いずらい。そのあたり、なかなかやり手なんだ」。

 味は良いけどやり方がやや汚いということで、この店に対しては賛える声と否定的な声の両方があるそうだ。

 確かに料理はなかなか美味しかったが、この日も「新鮮なイカが入ってる」とか「今日はサバもお勧め」、「クジラの生姜焼きもあります」などと、料理や飲み物を運んでくるたびに言っていた。

 ペルト(Arvo Part 1935-  エストニア)のチェロ協奏曲賛と否(Pro et contra)」(1966)。

 3楽章からなるが、全曲で10分ほどの作品。ペルトの初期作品で、前衛的バロック音楽のようで実に面白い。
 チェリストのロストロポーヴィチに捧げられている。

 第1楽章は敬虔な祈りを思わせる和音で始まるが、すぐにガラガラガッシャンとなる。ゲンダイオンガクそのものではあるが、聴きづらくはない。

 第2楽章は両端の楽章の橋渡しのような短いもの。これまた祈りを思わせるが、パロディーのようにも響く。

 第3楽章は機械を思わせるリズムのなか、緊迫した雰囲気で進む。が、最後は大げさな、これまた祈りのような音楽。人を食ったような終わり方だ。

 モルクのチェロ、P.ヤルヴィ指揮エストニア国立交響楽団の演奏を。
 先日取り上げたミャスコフスキーのコンチェルトのあとに収められている。

 2003年録音。エラート(原盤ヴァージン・クラシックス)