Haydn05-07Goberman  続々入る悪い報せ(見なきゃいいのか……)
 私が、運休となったスーパーとかち3号に替わり新たに5号の指定券を発券してもらっているとき、そのあとの便であるスーパーとかち7号も運休することが決定した。

 つまりこれで5号も運休になったら、戻れる可能性はほとんどゼロってことになる。

 早めにサツエキに着いてしまったので、本屋やCD屋やビックカメラをうろつき、2回駅構内の喫煙所に行き、ようやっと改札を通るのにふさわしい時間になった。

 私が乗りこんだスーパーとかち5号は1分遅れ、つまりほぼ定刻に発車した。
 発車したこと、そして最後の1席を確保できたことは不幸中の大ラッキーだったと言わざるを得ないだろう。

 ところでこの列車、入線したときシートがすべて進行方向と逆向きのままだった。また、ところどころシート前ポケットにあるはずの車内誌が入っていなかった。
 混乱の跡がうかがえる。って、清掃作業の人たちに何があったのだろう?

 私の席が最後の1席だったはずなのに、私の前のシートはそっくり2人分空いていた。
 キャンセルが入ったのかもしれない。
 しかしそのさらに1つ前の男が不可解な動きをした。

Haydn08-11Goberman  マナー知らずの外人客
 その男は列車が新札幌駅を出たあと、私の前の席に移動したのだった。そして座るや否や、思いっきりリクライニングを倒した。

 後ろの人(つまり私)に何の配慮もない暴挙だ。

 が、その無表情でややつり目の男は英語で書かれた北海道の鉄道路線図を取り出して眺めはじめた。
 やっぱりニッポンの人じゃなかったのだ。
 「もう少し戻してくれませんか」と言ったところで通じないだろう。言葉もマナーも。

 窮屈な思いをしていた私だが、その男、南千歳駅が近づくとまた元の席に戻った。
 私は背もたれ越しに腕と指を最大限に伸ばしてリクライニングのボタンを押し、もとに戻した。
 にしても、なんのためにあいつは席を移動したのだろう?

 スーとか5号は南千歳到着時点で20分ほど遅れが生じていた。
 南千歳を出て数分後に停車。
 何による停車か、このときはアナウンスがない。
 こういうの、すごく不安。
 停車していても車体が風でけっこう揺れる。時おり地吹雪で窓の外がホワイトアウト状態になる。

 16時半過ぎに携帯から他の列車の遅れの情報を調べてみる。

  なぜ進めなくなったのかはニュースにならなかった
 札幌11:51発のスーパーおおぞら5号が新夕張で停車中ということになっている。
 が、そのあとの札幌14:20発のスーパーおおぞら7号は60分遅れとなっている。
 ということは、スーぞら7号はスーぞら5号を追い抜いたのか?
 何が起こっているんだろう?

 新夕張に着くと、ホームには大勢の人が。
 そして向かいのホームには“回送”という表示になって、病人のようにじっとしているスーぞら5号が。
 この列車が定刻の11:51からどれぐらい遅れて札幌を出発したのかは知らないが、なんらかの理由でここで運転を打ち切り、じっとここにたたずんでいたようだ。

 スーぞら7号はこの進めなくなった、あるいは進むことを禁じられた5号を追い抜いたのだろう。
 7号は本来なら新夕張は通過駅だが(5号も)、ここで5号から降ろされた人を乗せて釧路に向かったのだろう。そして、乗りきれなかった-たぶん帯広以遠に行かなくても良い人たち-が、このスーとか5号を待っていたと思われる。

 この時点でスーパーおおぞら7号は60分遅れ。
 ということは、このスーとか5号が追いついちゃうんじゃないかと思ったが、そこはもちろん間隔をあまりつめないようコントロールしているのだろう(だから「芽室で除雪作業のため待機します」としばらく停車したのが、ずっと手前のトマムだったのだろう。きっと新得あたりにスーぞら7号が停まっていたに違いない)。
 結果的にスーぞら7号は下のように2時間以上遅れた。

 そしてわがスーとか5号は1時間20分遅れて帯広のホームに進入。進入後いつまでもドアが開かない、なんてトラブルもなく、無事に降り立つことができた(下の1時間10分は途中経過の値だろう)。

 20時15分現在の状況

 ▲特急列車の遅れ
 ・札幌 15時43分発 帯広行き 特急スーパーとかち5号 : 約1時間10分遅れ
 ・札幌 14時20分発 釧路行き 特急スーパーおおぞら7号 : 約2時間20分遅れ

 ・釧路 16時18分発 札幌行き 特急スーパーおおぞら10号 : 約1時間30分遅れ
 ・釧路 19時02分発 札幌行き 特急スーパーおおぞら12号 : 発車が大幅に遅れます。

 遅れたもののそれが1時間半ほどで済んだのは幸いだった。あと30分遅れたら特急料金が払い戻しになるところだったが……

 朝から昼までバタバタし、夕方は心の中はざわざわしてしていたものの身動きができない1日だった。

  で、朝・昼・晩 
  ハイドン(Franz Joseph Haydn 1732-1809 オーストリア)の「朝」「昼」「晩(夕べ)」。
 すなわち、

 交響曲第6番ニ長調Hob.Ⅰ-6「朝(Le matin)」(1761?)
 交響曲第7番ハ長調Hob.Ⅰ-7「昼(Le midi)」(1761?)
 交響曲第8番ト長調Hob.Ⅰ-8「晩(Le soir)」(1761頃)

の3曲。

 これらの交響曲はハイドンがエステルハージ侯爵のもとで副楽長として仕えた際に作曲されたが、ここのオーケストラの奏者たちが腕を披露できるよう、つまりは彼らの心をくすぐるために合奏協奏曲の性格が強いものに仕立てられている。

 第6番は4楽章構成、第7番は5楽章構成(4楽章ではあるがR.ランドンの校訂(原典版)では第2楽章を2つに分け5楽章としている)、第8番は4楽章構成である。
 また、第8番の終楽章は「あらし(La tempesta)」となっている。 

 ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団のはつらつとした演奏を。
 このハイドン交響曲集はすばらしい!
 この先も順次取り上げていこうと考えているが、これは買いだ!
 ハイドンに、それも初期の交響曲に、こんなにワクワクさせられるなんて!


 1960年から1962年の録音。ソニークラシカル。