今週の月曜日。
「また一週間が始まるのかよぉ」と、少女漫画の主人公のような輝く瞳にはまったくなれないテンションなのに、それに加えてずっと雨が降り続いていて心理的にもどしゃ降りってもんで、そんな低レベルの肉体的精神的状態で私は直径70センチの傘をさして駅へと向かった。もちろん、車内で咳が出たときのためにドロップを持つことを忘れなかった。
緊急事態宣言が出てはいるものの、電車はガラすき状況ではまったくなく、そりゃ急にまた家にこもってろ、テレワークしろって言われたって、大地震の翌日でも歩いて出社するほどの勤勉なる国民が想定外の宣言に行動を即座に切り替えられるはずもなく、ましてや朝令暮改ですっかりお国のことを信用しなくなっているから、笛吹けど踊らずなわけで、つまりはJR北海道の電車は定刻に札幌駅に到着した。
「さて、今日は6日ぶりに『おふくろの味弁当』にするか」と千円札と一円玉を事前に用意し Kiosk に行った私(561円なのである)。
急きょ、22円を追加調達
しかしである。
私の視野に入ってきたのは、「おふくろの味弁当」の横に「はじめまして!」とばかり、心なしか遠慮がちに置かれていた「噴火湾産ホタテご飯弁当」であった。サザエの、この初めて見る弁当に私は噴火した。いや、奮発することにして、あわてて一円玉をもう2枚小銭入れから取り出した(583円だったのである)。
ものすごいホタテ好きってわけでは、私はない。ましてや、このベビーホタテだ。こんなに小さけりゃ、帆を立てることさえできないのではないか?
でも私がひかれたのはホタテではない。銀鮭弁当や「おふくろの味弁当」のおかずの良いとこどりをしたような内容に、私のドーパミンが大量放出されたのだ。
魚はさばだが、塩焼き(「おふくろの味弁当」は西京風)。ちょっとさばの魚臭さが強め(もう少し焼くべき?)で、しかもパサつき気味。ここが、私にとってはマイナスポイント。
かき揚げはこんなものか。、甘酢のかかった揚げシュウマイのようなものが、チープながらもうれしくなるおいしさ。銀鮭弁当ではやや油っぽい鶏のから揚げが、この弁当では「おふくろの味弁当」と同じ鶏照り焼きになっている。
ホタテは小さいながらもちゃんとホタテしている。味付けの違いはあるが、駅弁の「いしかり」や「春便り」のホタテよりはおいしい。
税抜き価格で「おふくろ」や「銀鮭」より20円高い540円だが、満足度はひじょうに高い弁当である。
一時的なものではなく、定番化することを願っている。
おや?良くないことに入手困難(事実上の廃盤)のようで……