このあいだの出張で、行きの飛行機に乗る前に思わず売店で買ってしまった本。
菊池真由子の「食べれば食べるほど若くなる法」(三笠書房『知的生きかた文庫』)である。
キノコが良い、納豆や豆腐、枝豆といった大豆、アーモンドや鮭、アボカドやオクラにワカメ、ショウガにトマトなどが体に良いことは知っていたが(鮭じゃなく酒、オクラじゃなくイクラならいいのに……)、それらを整理して教えてもらえる。そういう内容だ。
後半に向かうにつれ、同じような記述の繰り返しが目立ち、「んもぅ~、ひつこいんだからぁ~」って感じだし、読み始めてすぐに、
「牛肉やしゃぶしゃぶ鍋を食べるなら、やはりお酒も」という人は多いでしょう。
さて、 ……
と、魅惑の記述が出てきたと思いきや、すぐさま“さて”と闇に葬られ、「この一文はなんだったのか」と読み手の脳の若返りを促す工夫も施されている。いずれにせよ、飛行機の中で読むにはうってつけの内容だった(少なくともブルーバックスの「方程式のガロア群 深遠な解の仕組みを理解する」よりは)。
今後は、あまり日常的に食べていないが、この本で推奨されている牛ロース肉やホッケ、セロリを食べなくてはならない。
先日観た健康番組に感化され、血圧を下げる亜麻仁油(北海道の当別町がアマの産地だとは知らなかった)や肝臓機能を回復させるというごま油を能動的に摂取している私。
食べなきゃならないもの、飲まなきゃならないもの(サプリ)が増え続け、体を壊さないか心配である。
私の行動は誤っていないだろうか?
『ロッシーニ風』はいかにも体に悪そう
レスピーギ(Ottorino Respighi 1879-1936 イタリア)が、晩年になってロッシーニ(Gioachino Rossini 1792-1868 イタリア)が書きためた未出版の小品集「老いの過ち(Peches de vieillesse)」から素材を得て編曲し、14曲からなるバレエ音楽にした「風変わりな店(La boutique fantasque)」(1918)。
依頼主はロシア・バレエ団のディアギレフである。
「ローマの松」などのように圧倒的な音の饗宴ってものではないので、レスピーギの作品の中でもぜんぜんポピュラーとは言えないバレエ音楽だが、メロディーがロッシーニによるためか親しみやすい。もう少し人気が出ても良いようなもんだと、ずっと思っている。
ノセダ/BBCフィルの演奏を。
2002年録音。シャンドス。
ところで、2週間ほど前に『シャリアピン・ステーキ』について書いたが、『トゥールヌド・ロッシーニ』っていう料理もある。
ヒレステーキにフォアグラとトリュフのソテーを添えたもので、つまりは『ロッシーニ風ステーキ』である。
食通であり、晩年はレストラン経営もしていたロッシーニ。
きっとそのレストランで出しており、もちろん自分でも食べていたのだろう。
わが家-『MUU庵』と呼ぶことにしよう-にも『MUUSAN風ステーキ』という料理がある。
どうやら世間一般では『豚肉の生姜焼き』と呼ばれているようだが……