新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は自宅庭で咲いた「レディ エマ ハミルトン(2024年6月22日撮影)。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

“OCNブログ人”時代の過去記事(~2014年6月)へは左の旧館入口からどうぞ!

2017/02

げんこつを食らわず、さわやかになれず♪吉松/アトム・ハーツ・クラブ

20170223Shizuoka  冷えた足の煮物
 先週。
 それは朝から強い雨が降っている日だったが、静岡に出張した。

 こんな雨だから出張どころか、家から1歩も出たくないところだが、そんなことを理由に休んだら“雨下り”と批判が集中しかねない。
 私は珍しく折りたたみではない、大きくて強健な傘を持って、勇気を奮って外に出た。このことはまた、傘をどこかで忘れてはならないという、帰宅するまで気を抜けない選択をしたということでもある。

 もちろん静岡に落ち度はないし、私も静岡に恨みを持っていない。
 静岡に行く前に大方の問題、被害、傷心が生じたのである。

 名古屋駅に行くまでの間、いや、厳密には名古屋駅に向かう地下鉄に乗るその駅に向かう間に足元はびちょびちょになり、靴は防水スプレーをかけたにもかかわらず雨水をガードしきれずに、足そのものもびちょびちょになった。

 子どものころ、短靴(タングツ)と呼んでいたオールゴム製の靴を履いているときに水たまりに足を突っ込んでしまい、歩くたびにアトムが歩くときのようにキュッキュッという音がしたことを思い出した。
 短靴は長靴をふつうの靴の高さにしたようなものなので、外から水は浸みてこないが、いったん水が入り込むと絶対に抜けてもいかないわけだ。
 この日は革靴だったから、もちろんそんな音は発しなかったが、心の中では悲しげにキュッキュッという音が鳴り響いていた。

20170223Mikawa 静岡に停車する“ひかり”の本数は多くはない。行きは伏草課長から指示を受けた“こだま”に乗った。

 ご存じのように“こだま”は停車駅が多く、その停車駅でも後ろから来た“ひかり”や“のぞみ”を、場合によっては1本のみならず2本も追い抜かせてやるお人好し者なので、時間がかかる。
 でも、ふだんなら瞬時に通過してどこなのか名前も読めやしない駅に停車するのは、心がうきうきしないもののつまらなくもない。


 午前中、靴の中の冷めた煮物のような感触がとっても不快なまま、それでも顔は笑顔で用務をこなし(靴を脱がなきゃならない訪問先でなくてよかった)、昼は静岡ではとても有名なハンバーグレストラン・チェーンである“さわやか”へ。

  油煙のなかでもさわやかになれる!
 ところが、ここでげんこつハンバーグを食べて気分を爽やかなものに切り替えよう(とはいえ、店内はジュージューハンバーグから立ち上る脂の煙が充満しているが)と思った私たちの願いもむなしく、12時前だというのに30分の待ち行列。

 帰りの新幹線まで時間の余裕はあったものの、それでも万が一のことを考え、涙を呑んで向かいのそば屋に入る。
 こちらはこちらで、なかなかこだわりがありそうな店名で、頼んだ天ざるそばに期待がかかる。
 が、そのわりにすいている(“さわやか”との相対比較だが)。

 そばが運ばれてくる前に何気なく目にしたテーブル上のパンフレットで、この店が“家族亭”が運営する店舗であることを知った。……あっ、そう……


20170223Kodama “家族亭”が悪いというわけでは決してない。
 しかし私は何となく意気消沈してしまい、運ばれてきたそばを黙々と食べた。一緒にいたのは開元さんと氷山係長の後任となった丸針係長であり、開元さんはしらすかき揚げそばを、丸針係長は鴨せいろそばを、私は天ざるそばを、という実に統制のとれていない3人組だったが、3人とも大盛りにしたという点では指向が一致した。
 そばの味は不可ではないが、可でもなかった。

 帰りは“ひかり”に乗った。
 つまり写真の列車は私が利用したものではない。私はこの“こだま”のあとの“ひかり”に乗ったのだった。


 吉松隆(Yoshimatsu,Takashi 1953-  東京)の「アトム・ハーツ・クラブ(Atom Hearts Club)」組曲第1番Op.70b(1997/2000)。

 1997年に書かれた弦楽四重奏曲だが(Op.70)、その後編曲版が作られており、ここで取り上げるのは弦楽合奏版。

YoshimatsuSym4 作曲者はこのように書いている。

 この曲、フル・ネームを「ドクター・タルカスズ・アトム・ハーツ・クラブ・デュオ」(直訳すれば「タルカス博士の原子心倶楽部二重奏曲」)と言う。
  これはもちろん、クラシックからロックンロールまでの人類の音楽全てを混合させたビートルズの傑作アルバム「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(直訳すると「ペッパー軍曹の傷心倶楽部楽団」)のもじり。これに70年代プログレッシヴ・ロックの名作であるエマーソン・レイク&パーマーの「タルカス」とピンクフロイドの「原子心母(アトム・ハート・マザー)」そしてイエスの「こわれもの」を加え、それをさらに手塚治虫の「鉄腕アトム」の十万馬力でシェイクしたのが、この作品である。
  全体は4つ楽章からなり、
  1は変拍子が全開のプログレ風アレグロ。
  2はちょっとイヤラシめのバラード風アンダンテ。
  3はつま先立ちでコソコソの逃げるコキュ(間男)風のスケルツォ。
  そして4はスラップスティック(ドタバタ)風ブギウギ。
  1997年夏にモルゴア・カルテットのために弦楽四重奏版として作曲。CD録音初演。ギター・デュオのための「アトム・ハーツ・クラブ・デュオ」、サクソフォン・カルテットのための「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット(トルヴェール版)」、ピアノ・トリオのための「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ」、弦楽オーケストラによる「アトム・ハーツ・クラブ組曲」などの異稿がある。op.70。

YoshimatsuSym5 藤岡幸夫指揮BBCフィルの録音で聴くことができる。

   2001年録音。シャンドス。

 なお、吉松は「アトム・ハーツ・クラブ」組曲第2番も1999年に書いている。
 こちらの弦楽合奏版(Op.79a。2000)も、藤岡による指揮の演奏で聴くことができる。

 あなたにはどうでもいいことかもしれないが、静岡駅で売っていた駅弁の幕の内がとっても美味しそうだった。
 いずれぜひ食べてみたいものだ。

とっても大きくて、ドキドキしたんです♪ハイドン/Sym49

20150225PuddingMix  寒くないのか?って、話どころじゃなく……
 土曜日の朝のこと。

 いつものようにアサイチで散歩をかねてスーパーに行った。
 なぜなら、特に買うものはなかったのだが、なんとなく買いたいものがあったからである。

 途中、大きな通りの歩道を歩いていたら、年のころははたちでくらいのとても背の高い青年が、この季節にはそぐわないTシャツ姿で何をするでもなくうろうろしていた。
 もちろん私の友だちでもなんでもない。初めて目にする人物だ。

 なにか嫌な予感がしたが、たいていの場合私の嫌な予感は当たる。良い予感なら浮かびもしないのに……

  ブラウン運動のような動き
 無精ひげを生やした長身のその青年は、先の方へ小走りに行ってしまったかと思うと、くるりと向きを変え、今度は私の方へ戻って来て、私の左前方約45度、2メートルほどの距離で立ち止まり、私をうつろな目で見つめて言った。

 「お、お、おは よぅ……」

 この場で彼を無視するとひどいことが起りそうな気がした私は、バッテリーが切れかかっている上に音声ミュートスイッチをONにしたペッパーくんのように答えた(ミュートスイッチがあるかどうかは知らないが)。

 「おはよう」

 「ね、ねぇ、ど、ど、どこ行くの?」

 「  買い物」

 「い、い、いってらっしゃぁ~い」

 私はひきつった微笑を返して、振り返らずに歩みを進めた。
 よかった。いっしょに行っていい?って言われなくて。
 しかも、幸いなことに彼は追って来なかった。

 ふぅ~。けっこう怖いものがあった。

 小学校のころ、家の庭に迷い込んできた野良犬に面白がってオンコ(イチイ)の実を食べさせたら、よっぽど腹が減っていたのか、その犬は私から離れようとしなくなった。そのときの恐怖に通じるものがあった。
 私はオンコの実を十数粒まとめて遠くに投げ、奴がそれを追いに行ったすきを見て家に入ったが、しばらくの間その犬はウチの玄関の前で狛犬のように座っていた。もちろんこちらを向いて。
 ところでオンコの実の中心にある種子には毒があるというが、あの犬はそのあと腹が痛くならなかったのだろうか?

HaydnSymsDorati  容器がないので特大に
 ハイドン(Franz Joseph Haydn 1732-1809 オーストリア)の交響曲第49番ヘ短調Hob.Ⅰ-49「受難(La passione)」(1768)。

 過去、ゴバーマン盤コープマン盤を取り上げているが、今日はドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカの演奏を。

 1969年録音。デッカ。
 貴重であり偉業でもあるドラティのハイドン交響曲全集である。

 なんとなく買いたかったプリンミクスを、スーパーで2箱買った。1箱税込159円だった。
 価格が意外と安いこともそうだが、この商品がきちんと現役で、あたりまえのように棚に並んでいることにある種の感動を覚えた。
 記事で、ものの例えでプリンミクスのことを書いたら無性に食べたくなってしまったという、ミイラとりがミイラになったような話だ。やれやれ。

 スーパーからの帰り道。

 またあの青年に遭遇したら厄介だと思い(何を買ってきたの?とか聞かれるに違いない)、回り道をした。
 初めて通る道だったが、おかげさま(?)で、梅が咲いているのを見ることができた。

20170225Ume

 プリンミクス1箱でプリン4個分ができる。
 私はハッピー・パウダーともいうべきあま~い香りの粉をお湯で溶き、レシピ通りさらに水を加えた。
 このとき、プリンの型がないことに気づいた。当たり前だ。単身赴任生活において、キッチンにプリンの型が準備されていたら、その方が気持ち悪い。

 でも、災い転じて福となすじゃあないが、特大プリンができた。

20170225Pudding

 ちょっぴり貧乏くさいが(味も形も)、懐かしくてじゅうぶんおいしかった。

年下と年上の2人の人妻の最中にメールが♪R.シュトラウス/ばらの騎士

StraussRZara  もたついているうちに有力情報が
 村上春樹の「騎士団長殺し」。

 金曜日の発売日のうちに読み終えた人もいるのだろうが、私は土曜日の朝の時点でまだ数ページしか読み進んでいなかった。
 “私”が8か月の間に年下と年上の2人の人妻と関係をもった、ってところあたりである。
 ふぅ~っ。

 ところがこの日の朝、タワーレコードからメールが来ていた。

 【あなたへのオススメ情報】
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 ◆村上春樹「騎士団長殺し」の音楽〜歌劇“ドン・ジョヴァンニ”&“ばらの騎士”を中心に
 2017年2月24日(金)村上春樹の新刊「騎士団長殺し」が発売されました。物語には今回もクラシックやジャズ、ロックの名曲が流れています。とくに注目されそうなのがショルティ指揮の歌劇“ばらの騎士”全曲盤です!



MurakamiKishi1 私(MUUSAN)がまだ、主人公の“私”が2人の人妻と簡単に関係をもったという、ページとしては20ページ目あたりを読んでいるときに、このような情報が入ったわけだ。

  ってことは、この先も情事続きのストーリー?
 この情報によると、やっぱり「ドン・ジョヴァンニ」だったわけね。それと「ばらの騎士」なんだ。

 私はリヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss 1864-1949)の歌劇「ばらの騎士(Der Rosenkavalier)」Op.59(1909-10)の全曲を聴いたことがない。私自身がバラの貴公子のようなものだからだ。っていうのは理由になってないが……

 このオペラは18世紀ころのウィーンが舞台となっており、情事にあけくれる貴族の失敗談を扱っているという。
 台本はH.v.ホーフマンスタールで、全3幕。
 
 今日はここでも取り上げたドラティ編による演奏会用組曲版を。

 ドラティ指揮デトロイト交響楽団の演奏。

 1983年録音。デッカ(TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION +plus)。

 今日は、少し読み進めるだろうか?
 あわてることはないんだけど……

部下もしっかり半笑い♪サティ/3つの恋愛詩

  機密保持のためごく一部を塗りつぶさせていただきます

 あの記事を読んだアイスさまこと氷山係長からメールが来た。
 そのままだと私たちの間の秘密が表面化してしまう恐れがあるため、機密保持の観点、ならびに防衛本能からごく一部を隠させていただく。

 疲れ様です。名古屋を離れて「2週間」あっという間で「ございました。
 この間、名古屋支社の環境(「あの日、とうとう出せなかった手紙もヒミツに昇華させる環境」が整備が変
わったことyaやMUUSANの長年「のも一気に解明されたこと」は喜ばしく思います。
 こちらは、これまでの薄暗い「地下鉄から、艶々あずき色の」ボディに「シックな内装の阪急電車に通勤の手段が」変わり、たま「に見かけるココイチに名古屋の面影」を重ねつつ、「担々麺を頼めば、麻婆豆腐はおろかライスは別料金と言われ、あの店のコスパとギガ速の思い出に」ふける毎日でございます。
 名古屋「の影響を受けている食べ物をほんとに見かけず、中華料理と洋食が増えました。相変わらず」ヨクバリダカラ「少々」飲みすぎます。
 「次長は毎日、市場周りで大阪、神戸、京都と積極的(?)に出かけており、青果課にもちょくちょく話かけておりま」す。「来月」、個人的にお「誘いをいただき」ました。部下もしっかり「チェックしていて、「誘われていましたね」と」半笑い「で言ってくる有」様です。
 3月2日に支店長・次長を交えて課で会食をすることとなりましたので、どんな話が聞かれるかです。
 「ソナ」
氏は「如何です」か?先日の「監査」の「会食はスムーズにいきましたでしょう」か?
 今宵はオディール氏と、若園課長との会食、大いに盛り上がりますように。
 わたくしは、「取引先」「北新地」「接待でございます…。


SatieCiccolini  アクセサリーって何のことかしら?
 サティ(Erik Satie 1866-1925 フランス)の「3つの恋愛詩(3 Poems d'amour)」(1916)。

 作曲者の詞による歌曲で、3曲のタイトルは次のとおり。


 1. 砂粒でしかないのならば(Ne suis qu'un grain de sable)
 2. 生まれつきの禿(Suis chauve de naissance)
 3. あなたのアクセサリーは隠れている(Ta parure est secrte) 


 バキアのバリトン、チッコリーニのピアノで。


 1969年録音。ワーナー(原盤:EMI)

 さて、初めて行ってみたヨクバルハダカの    店だが、かつて満席ですといとも簡単に入店を拒まれた理由がわかった。


 「理由ったって、予約でいっぱいだったからだろ?」ってご指摘を頂戴しそうだし、まったくそのとおりなのだが、私が言いたいのは、なぜそんなに簡単に予約で席が埋まってしまうのかということである。

 つまり、今回わかったことは、外観よりも店内はずっと狭く、席数が意外と多くないということだった。


 私たちはハラミステーキやイチボのステーキを食べた。
 といっても、どちらも100gを3人でシェアした。

 それぞれ1人当たり33.33333333333……グラムと割り切れないのに、肉の分け前についてけんかにならなかったのは、3人とも胃腸が強健ではなくなってしまっているからに他ならない。

 昨日、「騎士団長殺し」が届いた。
 焦らずに読むことにする。

それはジャーキーのようでもあり……♪シューベルト/Sym7(8)

20170220Sample2  ありがちな駅広告の姿ではある
 先日、JR東海道本線に乗っていて(金沢からの帰りだ)列車が大垣駅に停車したときに、私はホームの天井からぶら下がっている色あせた電飾の広告看板に目が釘付けになった。

 電飾の広告看板ってどうも古臭くまどろっこしい言い方だが、なんて言っていいかよくわからないし、看板そのものが古臭いのは間違いない。
 だけど精一杯説明すると、つまり直方体で中に蛍光灯が入っていて、内側から光る広告である。コルトンと言えばいいのだろうか?駅名表示板も屋根があるところにはよく使われている、あの方式のやつだ。


20170220Sample1 しかも私は“目が釘付け”になったとウソを書いてしまった。
 ぼけぇ~と窓の外を眺めていたら、それが向こうから視野に入ってきたというだけの話だ。だいいち、目が釘づけになんてなったら痛いどころの騒ぎではなくなる。


 その電飾看板は地元にあるハム会社のものだったが、書かれているキャッチフレーズが“味わいの交響楽”というものだった。

 広告としては逆効果に違いない薄茶色に退色したハムの写真(元祖84ppmの方で先日掲載した写真の肉のサンプルと同じような色合い。そこであのショーケースの別な写真-特別にもっと近寄った写真)を、おさらいを兼ねて載せておこう)は、どの角度から見ても味わいという日本語からは縁遠いのだが、私が懐かしく感じたのは“交響楽”という言葉だった。

  なぜ“曲”でなく“楽”だったのだろう?

 もちろん交響楽団という言葉はしょっちゅう目にするし自分も使っているが、この看板に書かれた交響楽という語は交響曲という意味だ。

 交響曲のことを交響楽と呼ぶ人に、私はいまだ出会ったことがないし、今後も出会いたくない。


 交響楽という語がむかしは当たり前だったのかどうかは知らないが、大昔の映画の邦題に「未完成交響楽」っていうのがある。その影響で広まったのかもしれない。

 「未完成交響楽」はシューベルトの未完成交響曲を題材にした映画らしいが、原題は「未完成交響曲」とは直接関係のないものだ。

 さて、シューベルト(Franz Peter Schubert 1797-1828 オーストリア)の「未完成交響曲」は長らく交響曲第8番のナンバーが与えられていた。私がクラシック音楽を聴き始めた20世紀には、まちがいなく第8番だった。


 となると“第9”のジンクスをいやでも連想させられる。
 それも9番を完成させることができなかったどころか、9番にたどり着く前の第8番の途中でシューベルトは死んじまったと。


 ところが、シューベルトには交響曲第9番があって、それは完成させられている。「ザ・グレイト」というプロレスラーみたいなニックネームをもつハ長調の作品である。

 なお、現在では「未完成」の方は第7番、ハ長調の方は第8番とナンバリングされている。


Schubert Sym8 このようにシューベルトの交響曲の番号は変更があって紛らわしいこと甚だしいのだが(現在はこのようになっている)、それはともかく、じゃあ「未完成」は書いている途中でシューベルトが死んじゃったから完成されないまま終わった、っていうことでは全然ないわけで、“かわいそうなシューベルトさん”みたいな悲劇的な要素はない。


  どっちにしろ未完成ということに深い意味はない?
 なぜ交響曲第7(旧8)番ロ短調D.759(1822)が「未完成(Die Unvollendete)」に終わったのかはわからない。

 第2楽章を書き終えた時点で続きを書くのに行き詰った(第3楽章はスケッチがほぼ出来上がっている)という“にっちもさっちもいかなくなった”説や、第2楽章までで十分に完成された作品で続きを書く必要はないと判断したという“自己満足”説、作曲を中断しているうちにその存在を忘れてしまったという“うっかりフランツ”説などがあるが、真相はわからない。

 今日は良い意味でオーソドックスな名演というべきジュリーニ/シカゴ交響楽団の演奏で。


 1978年録音。グラモフォン。
 マーラーの完成した最後の交響曲である第9番とのカップリング。

 かつてはこの「未完成交響曲」はベートーヴェンの交響曲第5番「運命」とともにクラシック音楽の入門曲とされていた

 LP時代はレコードのA面に「運命」、B面に「未完成」という組み合わせがひじょうに多かったそうだ。


 が、「運命」はともかく、「未完成」が入門曲向きかというと、若いころの私は全然そうは思わなかった。

 若者が聴くにはあまりにも渋くて地味。

 「未完成」がいいなと私が思うようになったのは30歳を過ぎてからだ。やはり職場で上司に叱られたり、取引先に理不尽なことを言われたり、酔っぱらって転んでズボンが切り裂き状態になったりという試練をある程度経験して、初めてこの曲の味わいがわかるというものだ(個人的な見解です)。

 CD時代になると、「運命」と「未完成」という組み合わせはほとんど見かけなくなった。
 そういう意味では、いま「未完成」はむかしほど聴かれていないのかもしれない。


出張先で汚れてしまったスーツのズボン♪オケヘムのモテット

OckeghemRequiem  氷山係長が去って2週間
 前略 アイスさま

 私たちの前からアイスさまが姿を消してから、こちらでは大きな変化が1つありました。

 あなたが「いつも調子が悪い。よくつまってしまう」と嘆いていたシュレッダーですが、あなたの執念が実を結び新しい機種が職場にやって来たのです。まるでアイスさまの生まれ変わりのように。
 それを使うことは、アイスさまにはもう叶わぬことですが、せめて感触だけでも伝わればと、私はあなたから届いた転勤の挨拶状をその口に入れてみました。あなたからの挨拶状は誰から来て誰に宛てたものなのか科捜研の女でも分析できないくら粉々になりました。

 この2週間でずっと気になっていた謎が2つ解けました。
 もし今までのようにあなたがここにいたならば、青椒肉絲を食べながら報告するところですが、私は1人さびしくセブンイレブンの青椒肉絲弁当を目の前にして、この文をしたためています。

 謎の1つは、私が8年ほど前に行ったことのある、錦の山本屋はいったいどこにあったのかということです。
 立派なビルの1階と2階が山本屋本店でした。出張で名古屋を訪れたとき、そこで味噌煮込みうどんをすすりながら飲んだビールがとても美味しかったのですが、去年こちらに来たときにはその店は忽然と姿を消してしまっていました。ところが先日、牛坂課長たちとコーチン料理の店に行ったときに、その店が山本屋の跡に出店したものであることがわかったのです。

 私の心がどれだけすっきりしたかアイスさまならわかってくれるはず。
 8年前のあの夜、私は出張中だというのにうどんを1本ズボンに落としてしまい、いくら拭いてもナメクジが這った跡のような汚れはとれませんでした。でも今回、なぜだかわかりませんが、あの悲惨な目に遭ったトラウマはすっかりと消えました。


 解決したもう1つの謎は、10数年ほど前に、やはり名古屋に出張したときに取引先にお連れ頂いたお寿司屋さんのことです。そこは市場の中に出店しており魚も新鮮ということで先方は歓待してくれたわけですが、その場所がいったいどこだったのか全然わかりませんでした。

 ところが、先だって外勤してキャスルプラザホテルの裏手の方をウロウロしていたら水産市場があったのです。
 そのどの建物だったかはわかりませんが、きっとあの寿司屋はここにあったに違いありません。
 あの日、ただでさえ生魚が苦手な私が、市場の中の、針が振りきってしまうくらい強烈な魚の臭いのなか、オエオレしながら涙目で刺身を食べたトラウマは、少しだけ解消しました。

 そうそう、今日はオディール・ホッキーさんと、それからアイスさんの送別会をインフルエンザでやむなく欠席した若園課長と、アイスさんの本人不在後追い送別会を行なうつもりです。

 場所は、前にアイスさんと行ったときに満席で入れなかった痛恨の店、ヨクバルハダカです。もちろんニックネームですけど、わかりますよね?
 私たち3人は、アイスさんの写真を骨付きカルビの皿の横に立てて、アイスさんの分までたくさん食べるつもりです。だって欲張りだから……


 名古屋めしが恋しくなっていませんか?
 いつでも来てください。お財布を持って。
 では、またお便りさせていただきます。   草々


 オケヘム(オケゲム。Johannes Ockeghem 1410頃-97 フランドル)の5声のモテット「汚れなき神の御母(Intemerata Dei Mater)」。作詞者は不詳である。

 ヒリヤード・アンサンブルの演奏で。

 1988年録音。Virgin Classics。
 
MurakamiChikyuu  地元民が行ったことのない名古屋の有名怪食店

 1年ほど前にも取り上げた、村上春樹・吉本由美・都築響一の「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」(文春文庫)の名古屋の章では、代表的というか典型的というかガラパゴス的な名古屋めしの店として、以下があげられている。

 ・喫茶マウンテン    甘口抹茶小倉スパ
 ・どんぶり屋弘太郎  しゃちほこ丼
 ・加藤、忠助       ダブル丼(ブラジャー丼)
 ・イタリアン         あんかけスパ
 ・まことや          味噌煮込みうどん
 ・モカ               エビフライドッグ
 ・加藤珈琲店      コーヒーぜんざい
 ・うなぎの宮田      うなバーガー
 ・ユキ             鉄板焼スパゲティ
 ・ユーモア         モーニングセット


 この文の初出がけっこう前になるので、もうやっていない店もあるのかもしれないが、支社の地元採用の女性社員の何人かに聞いたところでは、このなかで店の名前を知っているのはマウンテンだけだった。
 しかも、知っているのは名前だけで、行ったことはないし、とても行きたいとは思わないと畏怖の念を持っているようだった。

 彼女たちはしゃちほこ丼(本のカバーに描かれている)やダブル丼のことはまったく知らなかったし、あんかけスパや味噌煮込みうどんはもちろん知っているものの、本に書かれている店のことは知らなかった。あんかけスパは多店舗展開している有名なヨコイの他にもたくさん店があるが、意外と女性は好んで食べるものではない感じだ(脂っこく量も多い)。

 また、エビフライドッグではないが、最近ではエビかつバーガーやエビかつサンドイッチは別段奇異なものではなく、市民権を得ている。

 うなぎの宮田は星ヶ丘三越(地元ではホシミツという。オカミツなら丘みつ子と間違えられるからだろう)に入っていて、私も一度行ったことがあるが、うなバーガーなんてあったかなぁ?

 鉄板焼スパゲティは、むかしの洋食レストランでよく使われていたジュージュー熱々の鉄板皿の上に薄焼き卵が張りついていて、その上にナポリタンがのっているもの。これもこの界隈ではそんな珍しいものではないようだし、私は金沢でこれを食べた。いや、ふつうのナポリタンでした。

 モーニングセットはいまではコメダですっかり全国に有名だが(お得感が過大評価されている感があるけど)、本で取り上げられているユキはおにぎりやいなりずしも選択できるという。それは確かにちょっぴり魅力的かもしれない。


 ダブル丼はまさにブラジャー型の、つまり茶碗を2つ接合した8の字型の器に、それぞれ別な丼(天丼にまぐろ丼など)を盛ったものだが、どこかでこれにそっくりなものがあったなと必死に思い出したら、そうそう、新得のみなとやアベック丼というのがあった(片方がそばで、もう片方が丼物)。
 アベック丼はみなとやに行くたびに気にはなっていたが、ついぞ食べずじまい。食べときゃよかった……

それは私ではなくむしろあなたの方です♪GM/無駄な骨折り

MahlerRattle1-10  あんたも好きねェ
 今日は、スパムメールの話題。実はスパムメール・ネタは地味に人気があるのである。

 つい先ごろ届いたメールのタイトルは“RE


 ローマ字を覚えたての小学生なら「れ」と読むだろうが、メール文化に毒された若者なら「リ」と発音するということくらい、何人かは知っているだろう。


 にしても、こっちからメールを送ってもいないのに返信を表わす“RE”とは不思議な世の中になってきたものだ。

  こちらこそご無沙汰してます
 差出人のアドレスは携帯のもの。
 “love.0-_-0.@********.ne.jp”というものだが、その後ろに< >で囲まれた真のアドレスが表示されている。
 それは“mber@g2*******f.com”というもの。つまり、個人を装った組織的犯行である。


 本文は、簡潔明瞭に1行のみ。


 お久しぶりです♪


 誰かわからないが、思わず「いやぁこちらこそ」と口に出しそうになってしまった。


 このように心和む(?)スパムメールもあれば、脅しタイプもある。


  私が何を保持中ですって?
 今回来たその手のメールのタイトルは“ [分類-個人3]指定済端末保持対象者殿 ”。

 本文には、

 貴殿[本メ-ー_ルアドレス所有者]に記録された『個別通_信契約未納金』に関して、各債権者からの申立てにより、仮差押申立ての手続きを開始する事を通知致します。


とか、


 メ-ー ルマガジン、動|画サイト、ニュースアプリ、SNSサイト、写_真共有サービス等、無_料期間中(初期設定含む)に解約されていない為、継続課金対象となっております。
 請求の停止および端末通 信契約の解約を希望される場合は下記より合意解_約_申 請を行って下さい。
 コンテンツの解約は利用者自身の端末からしか行えません。

 貴殿の登録情報がある情報サイトにおいて利用料金の未納が続いた為、提携個人信用情報機関より回収の任を受けています。
 現在、履歴のあるWEBコンテンツにおいて無-料期間中に解約処理の申告が行われず、登録料金、月額料金及び遅延損害金が発生しています。

 ▼未払い記録情報
 請求金額 926,500円(遅延損害金含む)
 指定期限 本通知後24時間以内.

 但し、継続利用の意思がない場合は、必ず合意解_約 申*請を行ってください。
 合意解*約 申*請成立により、未納分の支払いは免除となります。


やら、


 ▼合意解約について▼
 本通知確認後、速やかに本状より解約の申請を行った場合は、発生している未納金および損害金の支払いが免除され、登録情報の削除が行えます。
 当方での代行手続きにより該当コンテンツの解約処理完了時に本状および貴殿の個人情報は削除され、当該請求が停止および免除となります。
 完了時、希望する場合にはデータ消去証明書等を発行します。

 ↓申請の手続き方法↓
 継続利用の意思が無く未納分の支払い免除措置を希望する場合は、本状を閲覧後、本メ ー=ルに「合意解|約=申=請」と記入の上そのままご返信下さい。

 ※必ず本状が受信されたアドレスからご返信下さい。
 その他のアドレスからではご本人確認が取れず申請が無効となります。

 [警告] 本状を閲覧したにも関わらず放置した場合は、身元調査の上、差押処分を必ず行います。
 [警告]本状による合意解約有効期日は通達日より1日以内です。


って書いてあるわけだけど、つまりは未払い金を免除してもらおうと返信したら「ヤマザキ、アウトォ~」状態になるわけだ。

 “指定済端末保持対象者”って、すごく威圧感があるが、まったく意味不明の日本語である。


  手間暇かけたのに無駄になってます
 2回に分けられて届いたメール。


 1通目は、


 【(10億'円)の`生/活-安l定;助l成`金;が*発'生*し+て+お^り-ま/す+】;勝/手.な_が*ら^貴^方l様:の`個`人`信-用l情^報^を:調^査'さ.せlて^い'た:だ:き'ま/しlた;。


 2通目は、


 貴.方;様+は.無_駄;な^こ*と+を:し+て*い.ま-す-。;何^故_、^無/駄-な;こlと^か'・-・+・:す'べ-てlの/原l因`が_コ'コ:に*あ:りlま:す-。


 こうなると、ただ気持ち悪い眺めなだけ。
 乗り物酔いと同じような感覚になる。

 これじゃ、返信する気はもちろん、この本文の下にあるURLをクリックしてみる気にもまったくなれない。


 マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の「無駄な骨折り(Verlor'ne Muh)」。
 歌曲集「子供の不思議な角笛(Das Knaben Wunderhorn)」の第2曲である。


 「子供の不思議な角笛」はここに書いたように、アルニムとブレンターノが編さんした民謡集。
 マーラーはこの中から14の詩を選び、歌曲にした。


 これらの中には彼の交響曲と極めて密な関係にある曲もある。

 例えば第6曲「魚に説教するパドゥアの聖アントニウス」のメロディーは、交響曲第2番の第3楽章にも使われているし、この交響曲の第4楽章は歌曲の第14曲「原光」による。
 あるいは歌曲の第13曲「3人の天使たちがうたう」は、交響曲第3番の第5楽章に転用されている。


 なお、「原光」と「3人の天使たちがうたう」はのちに歌曲集からは削除されたため、「子供の不思議な角笛」はこの2曲を除いた全12曲とするのが一般的である。


 「無駄な骨折り」は1892年の作。
 彼氏に対していろいろ誘いをかける彼女。しかし彼の方はまったく興味を示さず彼女の努力は無駄に終わるという内容だ。


 キーンリーサイドのバリトン独唱、ラトル指揮バーミンガム市交響楽団による演奏を。

 全12曲の中から8曲を演奏した抜粋盤。

 1997年録音。EMI。


強力に恥かき♪クープラン/第24組曲

20170218Shakoba  協力して強力に
 2月18日。すなわち、ワタクシの生誕記念日の記事で、“エポキシ強力接着剤”と書くべきところを“エポキシ協力接着剤”と誤変換したまま気づかないまま大公開してしまったことが明らかになった。

 1つ歳を重ねた、ありがたくはないが一応は節目の初日に、いきなり恥かきっ子になってしまったわけだ。

 ただ、A剤とB剤の2つの液が力を合わせて強固な接着力を発揮するわけで、それなら協力接着剤でも間違いではない(←開き直りの術)。
 はいはい、わかったわかった、私が悪かった(もう修正済)

P2200113  全国統一だったんだぁ~
 恥といえば、先日めったに行かないブックオフに行ったときのこと。

 この日は買い取ってもらうために訪れたのではなく、妻が本を買いに行くのに付き合ったのだが、ミイラ取りがミイラになるかのごとく、私も本を1冊買ってしまった。パソコン関係のものである。

 レジで「ポイントカード、お持ちですか」と言われ、私はそのときなぜかいま自分がTSUTAYAにいるのと勘違いしてしまい、Tポイントカードを出して憐れみを含んだ苦笑いをされた(私はブックオフのポイントカードはそもそも持っていない)。

 これが恥ずかしくなくて何であろうか!
 1つ歳を重ねた旧若様の私とて、まだ恥じらう心は持っているのである。


 レジのお姉ちゃん。まだ若いんだからこんなに厚化粧しなくてもいいのにと私はささやいた。もちろん心のなかで。
 1つ歳を重ねると、このような余計なお節介の気持ちがますます強くなるのである。

 ところで、この日私はブックオフの買取基準が全国統一であることを知った。
 ちょっとまだ半信半疑だけど。


CouperinOrdreCompBaumont  “若”関連で
 クープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の「第24組曲(Ordre No.24)」。
 「クラヴサン曲集第4巻(Pieces de Clavecin quatrieme livre)」(1730刊)に収められており、次の8曲からなる。


 1. 大殿様(荘重なサラバンド)(Les vieux seigneurs)
 2. 若殿様,旧若様(Les jeunes seigneurs)
 3. 毒槍(Les dars homicides)
 4. 花飾り(Les guirlandes)
 5. がらくた(Les brinborions)
 6. みごとな犬,またはおどけた恋(La divine Babiche, ou Les amours badins)
 7. 美しいおしゃべり女,旧題スペインの王女(La belle Javotte)
 8. 二重生活者(パッサカリアの動き)(L'amphibie)

 ボーモンのチェンバロ演奏で。


 1991年録音。ワーナー。

  つぼみも大きくなりましたぁ
 日曜日の新千歳→中部セントレアのANA便は、使用機到着遅れのため20分遅れて出発。
 けど、中部への到着は10分遅れまで回復したのでその努力は高く評価したい。

 でも、名鉄の中部セントレア空港の駅から名古屋へ向かう特急の本数は、新千歳空港の快速エアポート並みに本数がなくて(ミュースカイは30分に1本で、その間に一部特別車の特急があるというダイヤ)、乗り継ぎがスパッといかないと名古屋にたどり着くのまでに案外と時間がかかる。

 この日は飛行機の遅れによって、ミュースカイに2分遅れで乗れず、次の特急・岐阜行きに乗るはめになった。
 特急は1・2号車のみが特別車(ミューチケットが必要な指定席)で、私は指定をとるので確実に座れはするが、停車駅が多いので名古屋までの所要時間もミュースカイよりかかる。

 そんなわけで、マンションに戻ったのは(途中でスーパーに寄ったこともあるが)午後3時過ぎ。
 冷静に考えればそんなもんだけど、実感としてはけっこう時間がかかってしまった。

 ところで、今日からタワーレコードのオンラインショップではポイント10倍キャンペーンが始まる。
 ここ1年くらいのことだと思うが、以前に比べるとやたらポイント10倍(ときに15倍)キャンペーンを開催する頻度が高くなっているような気がする。

 買う方にとってはありがたいが、こんなに振る舞いまくって大丈夫なのかなぁとちょっと心配になってくる。
 これまた余計なお世話だけど。

 話は強力に飛躍するが、カニハだかシャコバだかデンマークだかのつぼみ、2週間経ってけっこうふくらんだでしょ?も、もうすぐ開くよ。うふふ……

 

甲状腺に問題なくてもやはり恒常的で……♪ドビュッシー/レントより遅く

20170218Medicine  結局、原因は???
 さて、病院に行ったわけだ。

 そして、2週間前に心拍数が速いからと、突如、通常の検査項目に加えて測ることになった甲状腺関連の数値の結果を聞いた。

 結論から言うと、異常はなかった。

 おのおのの数値が何を意味するのか、その場で説明は受けたものの、よく理解できていないが、きちんと書いておこう。

 TSHが 1.007(基準範囲は 0.36~3.67μ IU/ml)
 FT4が 1.10(同 0.7~1.5 ng/dl)
 マイクロソーム及びサイロイドテストは陰性

 オットセイの便秘、じゃなく、とどのつまり、どれも正常だった。

 だがこのときも脈拍は104。
 医者に手首を握られたので、「いやぁ~ん」とばかり上昇した可能性も否定できないが、それにしても相変わらず速い。

 医者はちょっぴり悩んだ挙句、「やはり頻脈を抑える薬を飲むことにしましょう」と私に提案。
 私は「喜んでぇ~っ!」という気持ちの高揚はなかったが(高揚したらさらに心拍数が上がるではないか)、医師の気持ちを素直に受け入れることにした。

 医師は「ふだん心臓がバクバクしたり、息が切れることはない?」と聞いた。

 実は前回、脈が速いと正面切って告白されてからというもの、しばしば心臓がバクバクするような感覚があったが、これはきっと精神的なもの、ナイーブになっているせいなのよと思い、「ありま……せん」と私は答えた。

  80なら私としてはかなりゆっくり
 この薬を1日1回、朝に飲むと、脈拍を60~80の間にコントロールできるようだ。
 この薬によって脈拍数が下がりすぎることはないが、万が一40を下回るようなら連絡をよこすようにと言われた。
 そのあと薬局でジェネリック薬を受け取ったが、要はこのアテノロールってのは不整脈の薬だそうだ。

 この日、ナシニーニ氏と檜さんに会ったが、ナシニーニ氏の情報によると高橋尚子は平時の脈拍数が38だったそうだ。
 私なら全身しびれて動けなくなるだろう。

ArgerichChamberMusic ドビュッシー(Claude Debussy 1862-1918 フランス)が1910年に書いたワルツ「レントよりも遅く(La plus que lente)」。

 作品についてはこちらをご覧いただいたらいいのではないかと思うが、レントというのは楽曲の速度標語で「ゆっくりと」。ただし「ポケット楽典」(大角欣矢著:音楽之友社)によると、速さの順番について「Lentoの位置づけははっきりしない」ということだ。

 CDについてもそのときに紹介したマイスキーのチェロとアルゲリッチのピアノによる演奏のものを(マイスキー編)。

 1981年録音。EMI。

 なお、それ以外の通常項目-尿酸値や中性脂肪など-は相変わらず異常値ではあったが、まあこんなもんだろうという驚くべきものではなかった(血糖関係については、ここで報告してあるようにすでにOKであることが明らかになっていた)。

 また、アテノロールを朝に服用した、最初の日の午後(夕方近く)の脈拍は81、2日目の昨日のほぼ同じ時間では87だった。

 確かに遅くはなっているが、医師の言う80切りはまだ達成していない。


僕の名前を知ってるかい?PMD/時と大鴉

  似顔絵を描いたわけではない?
 今回の出張で泊まったのもAPAホテルである。

 部屋に入ると、テレビが置いてあるカウンター状のデスクの上には、折り鶴とあのコミック本が置かれていた。

 窓から外を見ると、さすがはAPAの街・金沢。すぐ近くのビルの屋上にもAPAの看板が立っている。


 コミックと看板を見比べると……この漫画家、似顔絵が下手だな……なんて思ってはいけないと改心した。


20170215ApaPic

BlogPaint

 これは似顔絵ではないのだ(きっと)。

 漫画家が頭の中でストーリーをもとに世間に広く披露するにふさわしいと考えた想像上の姿なのだ。
 だいいち、顔の傾け方の角度が違うではないか!

 そんな真剣に考える意味がないことを、ちょっぴり真剣に考えてしまった。

 もちろん部屋には、中国人が泊まってやらねーぞと騒いでいる本もあった。

20170215ApaBook

 もっとも、ホテルはすごく混んでいたようだし、混んでいてもワケのわからない言葉で大声を発している集団がいなくて、こちらはよかった。

  漆黒の空に飛び交う漆黒の塊り

 夜明け前。
 ほんの少しだけ空が明るくなったときに、窓の外を見て驚いた。
 無数ともいうべきカラスが飛び回っているのである。こんな暗いうちに飛べるなんて、カラスは鳥目じゃないのか?
 だから、最初はコウモリかもしれないと思ったほどだが、大きさはどうみてもカラス。
 窓越しにかすかに聞こえる声もカァカァのようだったが。実際は私の頭の中での想像上の鳴き声だったかもしれない。

 こいつらはパチスロの看板の上に大集合。
 いったいそこに何があるのだろう?

20170215Mor1

20170215Mor2

 そして空がすっかり明るくなるころには1羽もいなくなった。

20170215Mor3

 不思議かつカフカの世界のような不気味な出来事であった。そしてまた前日の3人組のことを思い出してしまった。


 デイヴィス(Peter Maxwell Davies 1934-2016 イギリス)の「時と大鴉(Time and the Raven)」(1995)。

 ここで紹介するナクソス盤の帯によると“スコットランドの画家ジョン・ベラミーの絵画からインスピレーションを得た”という管弦楽曲である。

 なお raven を英和辞典で調べると、“大がらす”とか“ワタリガラス”という訳が書かれているが、そもそも“鴉”は“からす”と読むのである。

 作曲者自身による指揮ロイヤル・フィルの演奏で。

 1996年録音。ナクソス(原盤:Collins Classics)

MDaviesSym6

  ほんとにそんな気分になれますか?
 そんな明るくない私の気持ちを慰めてくれたのは、金沢駅にほど近い仲小路で見かけた居酒屋の看板。

20170215Hogaraka

20170215Nonki

 こういう名前の店でお酒を飲んだら、日常のストレスを忘れることができそうだ。
 が、常連ばっかりで、居てはいけない場所に入り込んでしまったという別なストレスに襲われたりして。


  おぉ、本物の北鉄
 金沢駅の地下で、北鉄の駅を初めて見た。

20150215HokutetsuSTA

 北鉄といえば、おバカな私が子どものころ「鉄道会社を作りその社長になってやろう。会社の名は“北鉄”だ」と考えたのと同じ名前だ。

 へぇ~。こんな電車が走ってるんだ。

20170215Hokutetsu

 なんかレトロ……

  空気椅子一歩手前

 金沢駅の中で、いままで気づかなかったがちょっぴり怖い置物を発見。

20170215Yutarou

 気丈な子どもも、気弱な大人も、この顔にはビビる。
 郵太郎ねぇ……

 むかし(1965年のことだそうだ)、山田太郎という人が、

 
 ♪ 僕のアダナを知ってるかい 朝刊太郎と云うんだぜ……

って歌う「新聞少年」って歌が流行ったそうですが、その影響を受けてますかね?

 郵太郎氏の股が巧みに隠されているのが残念に思いましたです……

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