病院に行くと、待合室に見たことがあるような、でもあんなにおっさん臭かったっけという人物が椅子に座っていた。
それは(って、物のような言い方ですまん)やはり知り合いだった。ずいぶん久しぶりに会ったが、実は同じ社の社員。
所属部署が違うので-そもそも彼がいまどこにいるのかも私は知らない-めったに会わないのだ。
しかも私は名古屋勤務ときている。冷静に考えれば、彼の方がなんでこの人ここにいるの?って私に対して感じただろう。
彼は私より若いのだが、社交辞令で「どこか悪いの?」と尋ねると「どう見ても健康体には見えないですよね?」と答えた。
思わず「そのとおりっ!」とかつてのアタック25の児玉清のように叫びそうになったが、「そうかい?」と無難な答えにとどめておいた。が、彼は自分のことをよく理解している。
私より2歳は年長さんに見える。実際は3歳くらい若いはずだ。
残された1ヵ月で4回目はあるのか?
「今年になって、もう3回も痛風の発作を起こしてるんです」
彼は申し訳なさそうに言った。
聞いてもいないのに自分から言い出すのは、もしかするとちょっぴり自慢なのかもしれない。
それにしてもすごい。
そのうち全身が結晶化しちゃうかもしれない。
尿酸値7.2でくよくよしている自分がちっぽけに思えたし、幸せだと思った。
頸部エコー検査は10分ほどで終わった。
まっ、そんなもんだ。
空き時間を生じさせてしまった私が悪いのだ。
検査を受けている間に、あの彼の姿はもうなかった。
よその病院に行けと追い返されたのかもしれない。
しばらくして診察室に呼ばれた。
エコー検査の結果は何も言うことがないくらい申し分のないものだった。
写真を見ると、実に美しいパイプがそこに写っていた。
動脈硬化の兆しはまったくない。内壁にコレステロールがたまっているところもない。
私は中性脂肪は高いがコレステロールは正常値だ。それが功を奏しているのだろうか?
また甲状腺ものう胞が1つあるもののそれは病的なものではなく、こちらも異常なし。
これを、なんだよだから検査なんて受けることなかったんだよと捉えるか、あるいは、4時間待った甲斐があったと考えるかは難しいところだ。
しかし美しい私の血管像を見て自分の血管のことのように医師が喜んでくれたので、後者と捉えよう。
さて、前日の血液検査の結果も出ていた。
尿酸値6.7。全然正常だ。すでに姿を消していた年間3冠王に自慢したいくらいだ。
中性脂肪は340。2か月前の半分だ。
異常値は異常値ながらも、これは朗報である。って、中性脂肪の値は前日や当日検査前の食事内容によってずいぶんと変わる。たぶん検査前にラーメン・半チャーハンセットなんか食べたら一発で700や800になるだろう。
ところでパイプといえばバグパイプだ。
バグパイプと言えばスコットランドだ。
そこでブルッフ(Max Bruch 1838-1920 ドイツ)のスコットランド幻想曲(Schottische Fantasie)Op.46(1879-80)。
スコットランド民謡を用いた独奏ヴァイオリンとオーケストラのための作品で4楽章からなる。
また、オーケストラ内のハープが活躍する。
この作品についてはここでチョン・キョンファが独奏を務めた盤を紹介したが、なんということでしょう、グリュミオーの録音を紹介し漏れていた。
だからこの良き演奏を今日は載せておく。
指揮はワルベルク、オーケストラはニュー・フィルハーモニア管弦楽団。
1973年録音。フィリップス。
私にとってスコットランド幻想曲は、厳寒時期の気候のイメージに重なる。
それはスコットランドという国の気候とかそういうものではなく、この曲を初めて聴いたのが-それは札響定期だった-2月だったからだ。
コンサート会場に向かうとき、青信号で横断歩道を渡っていたら無理に右折してきた車に危うくはねられそうになった。下はアイスバーン。あの車、よく直前で停まったものだと思う。
ちなみに運転していたのは高齢者ではなく、若僧だった。
ところで、チョン・キョンファで思い出したわけではないが、パク・クネの退任要求の集会。
ニュースでは150万人が集まったとか言っているが、150万っていったら札幌市の人口(約200万)には及ばないものの、すごい数。
そういう人が1つの集会に集まるなんて物理的にも無理だと思うんだけど、どういうふうになってるんだろう?
NHKでは27万人って言ってたな……
これ、同じ話?それとも違う集会のこと?
なお、あなたにはどうでもよいことだろうが、今日の私は休暇中である(勤労感謝後日祭)。
でもって、お出かけ中。
だから今日は予約投稿。