新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は自宅庭で咲いた「レディ エマ ハミルトン(2024年6月22日撮影)。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

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2016/08

干からびたセミを掃除してくれる者はいないか?♪サティ/冷たい小品

P8260261  今日で8月は終わりだが……
 気がついてみれば、あれだけ朝からやかましく鳴いていたセミの声がまったくしなくなっている。

 8月上旬は盆を待ちわびるかのように鳴きっぱなしだったのに、いまでは一斉に死んだように静かだ。実際、一斉に死んだんだろうが、ああいうのってある日を境にゲネラルパウゼのようにピタっと止むのだろうか?

 あれだけのセミが一斉に死ぬということは、大気中の酸素濃度は多少は上がるのだろうか?

 マンションの外階段には、いまだに1匹の死骸が残っている。
 もちろん触る気はない。私は。
 あくまで他人の善意に頼る。最後まで他力本願を貫く。

 そして今日で8月も終わる。
 終わるのだが相変わらず暑い。

 これぞ残暑ざんしょ?なんて言っても寒くはならないし、ちっとも残りものとは思えないくらい暑い。
 こう暑い日が続くと、この次生まれ変わるなら冷蔵庫の内装材(野菜室あたり)がいいなと思ってしまう。

PoulencBabar  変態には冷たい態度を? 
 今日はサティ(Erik Satie 1866-1925 フランス)の作品。

 「干からびた胎児」じゃなく、涼を求めて「冷たい小品(Pieces froides)」(1897)。

 「3つの逃げ出させる歌(3 Airs a faire fuir)」と「3つのゆがんだ踊り(3 Danses de travers)」からなる。


 残念ながら(と本気で思っているわけでもないが)、私は第1曲の「3つの逃げ出させる歌」しか聴いたことがない。

 そのCDを。

 ルイサダのピアノ独奏。プーランクの「子象ババール」「ヴェクサシオン」とのカップリング。


 1994年録音。グラモフォン。


 なお、サティはこの10年後の1907年に「新しい冷たい小品」を作曲している。


 ところでウィキペディアならぬアンサイクロペディアというのをご存じだろうか?

 そこでサティについて書かれている内容は、けっこう笑える。

 なお「冷たい小品」を聴いても涼しくはなりませんので、念のため。

 今日は歯医者に神経を抜いた場所の消毒に行かねばならない。

 にしても、こちらで一軒家を建てる人は、庭に大きくなる木を植えない方が賢明だと思う。
 じゃないと、セミの鳴き声で難聴になってしまう。

気分は雨漏り♪プッチーニ/ある晴れた日に

OperaAriasDecca  雨は降って欲しくないんだけど……
 私も妻も気が晴れない状態が続いている。

 というのも、雨が降り続いたときに自宅のリビングの窓の上部からジワリジワリと雨がしみ出てくるからだ。
 これを人は雨漏りと言う。

 もちろんハウスメーカーに見てもらった。
 ホースで窓の上部や外壁に放水し、雨漏りの再現を試みもした。

 しかし、再現されない。
 漏ってほしいときに漏ってこない。

 自分の腹を切るぐらいつらかったが、部屋の壁を一部はがして内部の調査もした。

 断熱材がかすかに湿っていたものの、しかしながら「ここだ!」という漏ってくる場所がわからない。しかも湿っていたのは外壁側ではなく、内側だ。

 雨降りは好きではないが、雨が降って現象が再現されないとその先に進めない。

 特定できるまでけっこう時間がかかりそうだ。
 ということで、雨が降ってないのに、いや降って来ないゆえに、気持ちが晴れないのだ。

 雨が降ったら降ったで、近くの川の水位上昇に恐れおののかなければならないのだが、先の19日~22日にかけては雨が浸みだしてこなかった。あんなに激しかったのに、うふん、これまた不思議だ。

  子どものころから馴染みがあった“ピンカートン”
 プッチーニ(Giacomo Puccini 1858-1924 イタリア)の歌劇「蝶々夫人(Madama Butterfly)」(1900-1903)。


 長崎を舞台にした、J.L.ロングの小説が台本の大元。
 この小説から三角ならぬD.フラスコが劇を作ったが、その劇からG.ジャコーザとL.イリッカが台本を書き2幕1場のオペラとした。

 って、知ったような口をきいているが、実は私、このオペラ中で最大の有名曲であるアリア「ある晴れた日に(Un bel dì, vedremo)」しか耳にしたことがない。


 このオペラは没落した藩士の娘・蝶々とアメリカ海軍士官・ピンカートンとの悲恋物語だが、どうしても私には往年のミヤコ蝶々の顔が思い浮かんでしまう。

 私が持っている「ある晴れた日に」の演奏は、オムニバス盤に収められているテバルディのソプラノによるものだが(セラフィン指揮サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団)、このオムニバス盤は現在入手困難なので、このメンバーによる全曲盤を紹介しておく。

 販売元が次のように自信をもっているものである。


 イタリア・オペラの黄金期を支えた最高のソプラノ、テバルディの歌う、温かく可憐な蝶々さん。加えてリリック・テノールの最高峰ベルゴンツィ、シミオナートの後を担う若き日のコッソットらの見事な歌唱。更にイタリア・オペラの神様とも言える大御所セラフィンの指揮によるこの録音は、あまたの演奏の中でもベストと言えるものでしょう。録音も優秀で、イタリア・オペラの神髄を伝える歴史的な名盤です。
                         ユニバーサル ミュージック/IMS

 私が子どものころ、TVで流れていた桃屋のイカの塩辛のコマーシャル。

 イ~カないで、イカないで~♪
 お願い~、ピンカートン
 
 イカった、イカあった 桃屋のイカの塩辛

 みたいなせりふだったと思う。

 このとき、将来「ある晴れた日に」を聴く日が訪れるとは夢にも思わなかった(そういう曲があること自体知らないし)。

巴里は老舗らしい♪マッケラスのWAM/Sym31

MozartMackerrasComp  けっこうな手間である
 この土日はもっぱらCDのリッピング作業を行なっていた。

 本来ならきちんと取り込みできているのか確認すべきなのだろうが、そんなことをしていては私の人生が終わるまで作業は終わらないだろう。

 なので、抽出検査、つまり取り込んだ音楽ファイルのいくつかの箇所を試聴して、そこが大丈夫なら全体も良しというスタンスで割り切ることにした。

 部屋のなかはエアコンでやや快適なくらいに室温を保ってはいるものの(それでも昨日はそれほど暑くなかった)、こう暑いとCD自体の寿命も縮まるのではないかと思う。平日の日中は不在にしていて自然のままに室温は上昇するわけだから。
 CDがおかしくなる前にせっせとハードディスクに取り込まねば。

 そういう意味では、北海道ってほんとうに住みやすいと思う(冬場の4か月間を除く)。
 な~んて、いいところまで進んだときにハードディスクがクラッシュしたりなんかして……

  パリの前を通って……

 話は変わるが、先日平瀬さんたちとある居酒屋に行った。

 この日の趣旨は、職場のある公的グループの会合だったのだが、それにご招待あずかったのだった。


 “巴里”とか“人妻さんの散歩道”(どうしてこんな雑居ビルに人妻さんが散歩しに来るというのか?でもセンスの良いネーミングだと感心する)とかいう名の風俗店が立ち並ぶなかを進み、たどりついたのは“竹取物語”(仮名)という店。


 すすきのもそうだが、名古屋の栄や錦は飲み屋と風俗店がお互いまったく遠慮することなく混在している。
 けど、入店しにくくないのかなぁ、お客さんは。入るとこ見られたら恥ずかしいんじゃない?他人のことだからどうでもいいけど……


MozartMackerras28_31-33 モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の交響曲第31番ニ長調K.297(K6.300a)「パリ(Paris)」(1778)。

 第40番と第41番の演奏があまりにもすばらしいと思っていつつも、ほかの番号の交響曲の演奏を聴いたことがなかったマッケラス/プラハ室内管弦楽団のCDを入手。

 最初にこの第31番を聴いてみた。

 私はもっと人気が高いと思われるモーツァルトの交響曲のなかでも第38番や第39番よりも第31番や第32番の方が心惹かれるのだが(逆にいえば、35番や36、40、41番はもっと好き)、それはクラシック音楽を聴き始めた最初のころから親しんだせいだろう。そんなこともあって、ここやらここでも詳しく書かせていただいている(ということはつまり、これ以上書くことがないという言い訳である)。

 マッケラスのこの31番もいい!
 小気味良い音楽運びだが、シャリシャリした無味乾燥なところはまったくない。
 祝祭気分は最高潮だ。
 ただ残響過多なのが気にかかる。

 アンダンテ楽章の異稿付き。

 “竹取物語”は料理も飲み物も出て来るのが遅くて、飲み放題なのにちょいといただけなかった。

 それにハイボールの表面には豚肉を煮たときのアクのような茶色がかったモワ~ンとした泡が浮いている。
 オディール・ホッキーさんが店のお姉さんに「この泡はなんですか?」と控えめに聞くと、「ハイボールですので炭酸です」という、的を得ているようで得ていない答え。

 でも、次の日も元気に目覚めたから変なものではなかったのだろう。
 

中国風女性は感じが悪く、インド風男性は紳士だった♪クープラン/第27組曲

CouperinOrdreCompBaumont  はい、間に合いませんでした
 先日の夕方、セントレア空港から名鉄に乗ったときのこと。


 私が乗ってきた飛行機は折り返しで使用する機体の千歳への到着が遅れたのと、機長曰く「とっても強い向かい風」の影響で、定刻よりも30分ほど遅れてセントレアに着いた。


 急ぎ足で名鉄の駅に向かうと6分後に発車する“μSKY”があるのを大発見してしまった。

 が、私の前で券売機で切符を買っていた中国風の若い娘が、財布を出すのは遅いは、チケットの買い方がわからずひどくつまずくは(これには多少目をつぶるが)、私が後ろから「ミャゴヤ?」と声をかけて助けぶねを出しても(だって早くして欲しいんだもの)無視するは、おまけにチケットが出てきた後もその前でどけずに財布をちんたらバッグにしまうはで、イライラの頂点。そして、案の定悲劇が起こった。

 私がチケットを買おうとしたとき、画面に表示されたのはその電車の指定券はもう発券終了だよってもの。
 μSKYの指定券(特別乗車券)は発車の4分前で販売が終了するのだ。


 結果、その8分ほど後の特急に乗らざるを得なくなった。
 発車は8分後だが、停車駅が多いので名古屋に着く時間は、あのμSKYよりもっと差が開く。
 損した気分だ。いや、実際まぎれもなく損だ。

 チケットを買ってホームに入ると、μSKYの発車までまだ2分ある。
 間に合ったのに……
 いっそう損した気分になった。

  残念ながらあなたに権利はありません
 ところでμSKYは全車指定なのに対し、特急は2両だけが指定席車である。

 

 私が乗った岐阜行きの特急だが、隣にインド系っぽい男性が座った。
 私はピンときた。

 この人、この車両が指定席だってことを絶対にわかってないと……

 そこで私は自分の指定券(特別車両券)をチケットホルダーにはさんだ。
 嫌味ではなく、気づいてもらおうという純粋な親切心からだ。

 私の予想は当たった。


 彼は不安げな表情で、自分の切符を私に見せた。
 乗車券のみだった。彼は私の隣に座る権利を有していないのだ。自由席に移ってもらわざるを得ない。


 私は教えてあげた。「This 伊豆 リザーヴド・しーと」と。

 これは日印友好のためにユーモアや頓智をきかせたのでは決してない。私の英語力は乏しくこのぐらい流れが停滞するのだ。

 そして、「Car3 and Car4 non Reserved」とも教えてあげた。3と4のときに「さん」「よん」と言わないよう、特に配慮した。
 あとから知ったが、実際は6両編成だったが、あのときは何両編成かわからなかったので、3号車と4号車にとどめておいたのだ。


 彼は2~3回顎を縦に振り、私の横から去って行った。
 ほどなくして車掌が検札しにきたので、私は彼が異国で恥をかくのを未然に防いだということになる。


 クープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の「第27組曲(Ordre No.27)」。
 「クラヴサン曲集第4巻(Pieces de clavecin quatrieme livre)」(1730出版)の中の最後の組曲であり、また全4巻全27組曲の曲集の最後を飾る組曲でもある。


 4曲からなっており、それは、

 1. 上品な女(L'exquise)
 2. けしの実(Les pavots)
 3. 中国風(Les Chinois)
 4. 頓智(Saillie)


である。


 もうジャケット写真を見飽きただろうけど、ボーモンの演奏で。


 1991年録音。ワーナー。


 やれやれ、台風10号がどうなるのか。困ったものだ。

興奮したオットセイが叫ぶ!♪岩城/札響のLvB/Sym4&7

Beethoven7SSO   タイトル背景写真に偽りなし、のために 
 ってことで、今日は550でもSOSでもないSSOのCDを。

 SSOアーカイヴシリーズ第2弾でリリースされたなかから、岩城宏之/札幌交響楽団のベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)。

 曲は交響曲第4番変ロ長調Op.60(1806)と交響曲第7番イ長調Op.92(1811-12)。

 “レコード芸術”8月号の月評で特選盤に選ばれた演奏で、特に第7番が感動的だとすこぶる評価が高かった(以上、立ち読みの記憶による)。

 ちょっと褒めすぎじゃないかって気もしないでもないが、立派な演奏、すごい力演であることは間違いない。

 第4番は1977年10月25日に行なわれた第175回定期演奏会のライヴ。一方、第7番は1979年7月27日の第195回のライヴである。
 会場はいずれも北海道厚生年金会館(現・ニトリ文化ホール)。

Sakkyo175th  メイン・ディッシュのせいで、その前の味わいがふっとぶ
 私は第4番が演奏された第175回は聴きに行っている。

 が、正直なところこの演奏はあまり記憶に残っていない。ビシバシと聴き手に迫ってくる演奏なのになぜ印象に残っていないのだろうかと思ったが、すぐに理由がわかった。

 そのあとに演奏された本日のメインディッシュである交響曲第3番「英雄」が困惑するほどの演奏だったからだ。というのも、最後の最後、コーダで岩城は急激に速度を落としてそのまま曲を終えた。あれほど遅い歩みのクライマックスは初めての経験だったので、当夜の記憶はすべてそこに集中してしまったのだ。

 いま聴きかえせば記憶に残っているほど遅くはなかったのかもしれないし、トラウマになるほどユニークだったってことはないのかもしれない。
 トラウマを抱えたままの私を救うと思ってぜひともこのときの「英雄」も SSO Archive Series として売り出してほしいものだ。

  オットちゃん、札幌に現る!
 この4番が終わった後の、若干1名の叫び声が凄い。

 「ブラボー!」ではなく「オォォーッ、オォォーッ、オオオォーッ!」という、発情絶頂期のオスのオットセイがオーガスムスに達したときのような叫びなのだ(イメージです)。

 これって周りは引く。大引きだ。心の広い人は苦笑い、箸がころがってもおかしな年ごろの少女なら大爆笑。

 ホントかウソか知らないが、あのころ岩城の追っかけをしているオッサンがいて、N響なんかではどんな曲、どんな出来でも岩城が指揮した演奏は、最後の音が消えるか否やで叫んでいるという話があった。

Sakkyo195th 実際、NHK-TVでN響のコンサートの録画中継を観ると、その声はしょっちゅう聞こえてきた(サバリッシュのときも叫んでいたけど)。
 純な私はコンサートに行ったらああやって叫ぶのが流儀だと、危なく思い込むところだったほどだ。

 そして、岩城が札響の正指揮者に就任して以降、この声が札幌でも生で聞けるようになったのである(望んではいなかったが)。
 このおじさん、“ブラボーおじさん”とわれわれは呼んでいたが、実際には「ブラボー」なんて言っていない。
 当時は若気の至りで判断を誤ってしまったようだ。“オットちゃん”とか“オッサン”にでもしときゃよかった。

 第7番の195回は、私は聴きに行っていない。

 力がこもったハイテンションな演奏で、曲が終わると聴衆の叫びが自然発生的にボニージャックスの歌声のように上がる。
 下手な合唱団のように突出した1人の声が飛び出すということはない。

 つまり“ブラボーおじさん”の声は目立たない。この日は喉の調子が悪かったのだろうか?あるいは、たまには仕事の都合で来られなかったのだろうか?

 が、こういう「ブラボー!」はいい。たった1人が強行する自己陶酔の儀式ではなく、聴衆たちの感動の自然な発露だから。

 もちろん第4番の演奏もすばらしい名演だが、第7番はその上をいく。

 フォンテック。

自分を見捨てた相手を讃える氷山係長♪マイアベーア/戴冠式行進曲

SousaBernstein  タイミングが遅いというか良かったというか……
 火曜日の朝。


 私は通勤の途中で昼食用の弁当を買い、北海道の大雨のことを憂いているうちに昼が来て、自分のスタイルや体重に気をつかっている女性が好みそうなヘルシーなおかずばかりの弁当を自分のデスクで食べた。


 最後の最後まで惜しんで残しておいた、その弁当の中で唯一肉々しさを誇っている鶏のからあげ(の小片)を口にしたときに、ちょいとコリッとした感触があった。

 衣に硬いところがあったのかなと思ったが、すぐにいやぁ~なことを思い出した。

 2年前の年度末のことである。

 あの日、私はラーメンとライスという糖尿病患者なら一発アウト!って感じの食事をしてのだが、満足感に浸りながら支社に戻る途中、突然(予告されても困るが)、右上の3連物の奥歯の冠が脱落してしまったのだ。

 そのときのことが脳裏をよぎった。


 「から揚げの衣が硬いだけさ」とばかりそのまま真剣に噛み続けると、砂だらけのハンカチでメガネを拭いたときのように被害が広がるに違いない。つまり、強引に噛んだら前歯から何から欠けてしまうことも考えられる。


 私はそっとティッシュに口内の食物由来咀嚼物質を出したが、そのなかにあった。
 鈍く灰色に光る虎豆くらいの大きさの人工歯が。

 つまり歯にかぶせてあった冠がとれたのだ。

 鏡で見ると2年前に脱落した3連山の手前、いちばん犬歯寄りの独立1匹狼が脱落していた。

 折しもそのとき、氷山係長がやって来て、「もう食べちゃったんですかぁ。一緒にどこかでお昼でもと思ったんですが」と誘ってくれたが、時すでに遅し。
 しかも、私は食後の幸福感に浸るどころではないトラブルに遭遇している真っ最中。

 「ごめん。もう食べ終わった。で、このあたりの徒歩圏で良い歯医者を知らないだろうか?」
 考えてみれば、彼はグッド・タイミングで預言者として現れたのかもしれない。

  彼の歯は手におえなかったが、腕がいいらしい
 「あそこのS歯科はいいらしいですよ」
 「なになに、それはすばらしい情報だ」
 「でも、ぼくが行ったときはあなたのは手におえないって言われましたけど」
 「拒絶するような腕前なのに評判がいいの?」
 「ええ。ぼくのは特別に悪化してたんです。特別に悪化していない人にとっては名医のようです」


 一般的な評判は良いらしいが、係長の場合は歯ぐきが腫れすぎてしまっていて大きな病院に行けと言われたらしい。

 とはいえ、その話を聞いたあとでは喜び勇んでS歯科に行く気にはなれない。そこで別な近くの歯科医に電話した。N歯科である。


 もちろんこの地で歯医者にかかるのは初めてである。その歯科医院は池中さんが通っていたところで、彼曰くはなかなか良いらしい。そのことを思い出したのだ。

 はずれた冠をつけ直すだけだと気軽な思いで行ったのだが、はずれただけではなかった。
 支柱として有効利用されて元の歯も折れていたのだ。

 どうりではずれた冠の中にはセメントが詰まっていて、その断面がナッツ入りクッキーのようにまだらになっていたわけだ。

 この歯は帯広でではなく、札幌の歯科医院で、それも10年以上も前に治療したものだ。疲れ果てて耐えられなくなったのだろう。

 レントゲンをとると、驚いたことにこの歯の神経はまだ生きているという。数ある私の歯の中でも神経が残っているのは数本らしいが、根元だけが残ったこの歯はその希少な1本ということだった。

 担当した若い医師は「神経を残した方が良いが、残すと早晩痛みだすかもしれない。そのリスクは承知の上で神経を残したまま治療するか、始めから神経を抜いてしまうかどっちにするかむずかしいところだ」と言う。

 私の本音で言えば安く済むのに越したことはない。
 が、そうは言えないので、お医者様におまかせしますと優等生ぶりを発揮した。


 ちょいと待たされ、結局、何人いるのか知らないが、医師団の協議の結果、神経を抜いてしまうのが合理的という結論になったそうだ。

 そのまま神経を抜く作業に突入。
 当面は抜いた箇所の殺菌を続けることになる。


  預言と予言は違います
 けっこう有名なマイアベーア(Giacomo Meyerbeer 1791-1864 ドイツ→フランス)の歌劇「預言者(Le prophere)」(1849初演)のなかの「戴冠式行進曲(Marche du couronnement)」。


 マイアベーアはグランド・オペラの確立者というたいしたことを成し遂げた人物で、あのワーグナーにも影響を与えたというが、死後は作品の評価が急速に低下してしまった。


 現在彼の作品のなかでよく聴かれるのは、この5幕からなるオペラ(台本はE.スクリーブ。なお「予言者」という曲名表記は誤り)のなかの「戴冠式行進曲」だけと言っても、不当な中傷にはあたらないだろう。


 バーンスタイン/ニューヨーク・フィルの演奏を。
 下のJMDのメッセージにあるように、スーザの行進曲を中心にしたオムニバス盤。

 1918年アメリカ生まれの指揮者/作曲家レナード・バーンスタインによる、弦楽器含めフルオーケストラで演奏された「ワシントン・ポスト」や「星条旗よ永遠なれ」といったスーザのマーチを収録したCD。マーチ王スーザ以外にもエルガー「威風堂々」やワーグナー「タンホイザー大行進曲」といったクラシックの有名なマーチまでもが一堂に会した肩のこらない好盤。 (JMD)

 「戴冠式行進曲」の録音は1967年。ソニークラシカル。

 医者は「神経を抜いたあとはけっこう痛みが来ますので、痛み止めの薬を出しておきます」と言った。
 4回分が処方された。
 が、今日にいたるまで1度もこれっぽっちも痛みが来ない。

 本当に神経が残っていたのだろうか?
 残っていたとして、そいつは無神経なほど鈍感だったんじゃないだろうか?
 あるいは、“おまえはもう死んでいる状態”だったのかもしれない。

ブログのランキングは下がるより上がった方がいいけど…♪ヴァイス/箱舟

WeissArche  持ち歩き続けると傷みます
 名古屋に戻るときの新千歳空港は、ガラガラかと思いきや、全然混雑していた(快速エアポートはあまり混んでいなかったのに)。

 朝のうちから羽田便がことごとく欠航していたので、多くの人があきらめてすでに空港をあとにしてしまっているかと思いきや、運航再開を待つ人でごったがえ、とまではいかないまでも、なかなかな賑わいだった。


 考えてみれば翌日は翌日で、関東で猛威をふるっているこの台風が北海道に来るわけで、たとえ暇だとしても「明日にしよ!」とはいかないのだろう。1泊分余計な出費になるし。

 私だって名古屋便は平気だもんと思いつつも、もし明日までさらに怠惰な生活精神的には緊張しているが)を引き延ばしていたらまずかったかもしれないのだ。

 空港売店の冷蔵保存のおみやげが並んでいるストッカーには“飛行機の遅延をよくお確かめになってお買い求めください”と貼り紙がされていたが、さりげなく親切であると感心してしまった。

  伊丹に引き返したばかりなので傷みません
 いまから10数年前の12月の夜。

 伊丹空港から乗った飛行機がなかなか千歳に向けて降下を開始しないことがあった。
 ようやくアナウンスが流れたのだが、その内容は千歳空港が突然の大雪になり秋田上空で待機のため旋回しているというもの。
 乗っている私は、ぐるぐる回っていることなどつゆ知らず、目も回すことなく読書していたのだった。


 こういうケースは珍しい。
 出発前に条件付きでの出発というアナウンスもなかったし、この雪はまったく予想できなかったようだ。

 やがて燃料が限界に達してきていつまでもここでグルグルしてられないので伊丹に引き返すというアナウンスが。

 私は当時まだ備え付けられていた機内公衆電話のところまで行き大阪支社に電話をしてホテルの予約の手配をお願いした。もう1泊大阪に泊まる羽目になったのだ。

 鞄には搭乗前に買った要冷蔵の“プリン大福”が入っていた。
 子どもたちが好きなのでおみやげに買ったのだった。


 ホテルに着き、チェックインの手続きを終えた私はフロントのお兄さんに“よかったらこれ食べてください”とプリン大福を渡した。

 いま思えば、「飛行機が引き換えしたせいで賞味期限が今日いっぱいのプリン大福を持ち帰れなくなった。だから皆さんで食べてください」と、自分が置かれた状況を説明をしなかった。

 あのお兄さんが妙な誤解をして心が高まり、夜に私の部屋のドアをコンコンとノックしなかったことは幸いだった。


  堤防がない?いずれ三日月湖が生まれるかも
 私と入れ違いで休みを取って関西に遊びに行っていた長男が帰ってきたはずだが、彼も私同様台風の上を通り抜けることができただろう。


 さて、火曜日はその台風の影響で北海道は再び大雨に見舞われた。
 名古屋にいると当たり前のことだが北海道の天候の状況はほとんど報道されない。
 関東圏が襲われるとNHKなんかは全国ネットで放送し続けるが、それとは雲泥の差だ。住んでいる人の数が違いすぎるといえばそれまでだが、あれだけ農作物に被害が出ていそうなのを見ると、もっと注視すべきことなんじゃないかと思う。

 わが家は石狩川の下流近くにあるし、その支流である川はもっとそばを流れている。
 そのすぐ近くの川の水位がジワジワと上がっていくのを見ると、まったくもって心穏やかではない。

20160824


 昨日の早朝にようやく水位が上昇から下降に転じた(“はん濫注意水位”ではあるが)。
 過去の災害経験からいまはもう十分な治水対策ができているとは聞くが、災害が実際に起こってしまったあとで「あれは想定外でした」で済まされてはたまらない。
 ホント、よかった。

 ところでその前日、つまりおとといの夕方に石狩川の下流が氾濫した。
 場所は深川市である。
 札幌からは100kmほど北に位置する。
 なのにそこも“下流”なのである。

 石狩川って、どこからが下流に相当するのだろう?(と考えていたら、疎菜課長が神居古潭から下が下流だと言っていた)。


 氾濫した場所は堤防のないところだったそうで、つまりは治水対策が施されていない場所。
 ということで、申し訳ないがそれなら氾濫もありうるかもと思ったが、これが堤防もきちんと整備されているとこ

ろだったら、私としては「まさか!」と10連発叫びをあげるところだった。


 その氾濫箇所も昨日の朝には通常水位に戻っていた。

Osamunai


 にしても、このあたり深い!
 考えるだけで恐ろしい。
 にしても急に増えたり、すぐに水が下がったり、相当たちの悪い病的気まぐれ女のようだ。


Fukagawa


 この地図で石狩川が真っ黒の線で表示されていたのを見たときは、そりゃそりゃ恐ろしいものを感じた。


 なお、余計な情報かもしれないが、川の右岸と左岸がどっちがどっちかご存じだろうか。
 上流から下流を見て左が左岸、右が右岸だ。
 えっ?アフリカの国?それはウガンダ。

 去年も取り上げているが、私が好きなヴァイス(Harald Weiss 1949-  ドイツ)の「箱舟(Arche)」(1984)。

 シアター・ミュージックであり、初演時のライヴ録音。


 すでに入手困難なようだが(NAXOS MUSIC LIBRARYでは聴ける)、彼のユニークで斬新な(しかもこの曲はなじみやすいメロディーが次から次へと現われワクワクする)音楽はもっと人気が出てもいいような気がしてならない。

 このH.ヴァイスだが、このところ新譜も見かけないが、お元気なんだろうか?……
 

「鼻毛は見苦しいのだ」by バカボンのパパ♪フランセ/パパゲーノ讃

  ありえない状況のアピールは売上に逆効果?
 某家電量販店のおトイレを拝借した際のこと。

 目の前の壁に貼られていたポスターに、なぜか振る手にも力が入ってしまった。

P8200241


 って、こんなことないでしょうに。ったく。
 そもそもこんなになったら、まずはハサミで切らなきゃならんでしょうに……

 でも、ここまではありえないにせよ、飛び出した鼻毛は相手に不快感を与えるのは概ねのところ、まず間違いない。
 バカボンのパパだって見苦しいと言い切っているのだ(バカボンのパパのは鼻毛ではなくひげなのだ)。
 にしても、このポスターの爽やかな表情と煤が詰まっているような鼻穴のアンバランスはブッキーだ。

 雑草だけでなく、鼻毛も夏バテしないってことは学ぶことができた。

Francaix100  パパ……
 フランセ(Jean Francaix 1912-97 フランス)のこじゃれた小品「友人パパゲーノへのオマージュ(Hommage a l'ami Papageno)」(1984)。

 ここでも取り上げているが、このとき紹介したディスクは入手が難しかったので、そのあとリリースされた同一音源のディスクを。

 発売元の言葉。

 ジャン・フランセ生誕100周年記念リリース

 1912年生まれの音楽家といえば、ギュンター・ヴァント、ジョン・ケージ、ショルティなど、様々な巨匠がいましたが、フランスが生んだ作曲家、フランセも1912年生まれでした。ジャン・フランセのモットーは、「喜びのための音楽」を作り上げることでした。エレガントでエスプリが効いたハーモニー、極めて明晰な音楽の響きが魅力で、音楽のユーモア、優雅さと皮肉がうまくちりばめられた、独自の世界が広がります。フランセの生誕100周年を記念してリリースされるこのセットでは、フランセの魅力のエッセンスを伝える録音を選りすぐってお届け。[disc1]は、自作自演によるピアノの作品も収録、軽やかな魅力に満ちています。フランセの演奏によるクラヴサンも非常に軽妙洒脱な響きで、驚かされます。[disc2]でも、ミヨーら6人組を思わせるなんともエスプリに満ちた、フランセならではの作品が並びます。[disc3]フランセと・・・では、ハイドンの交響曲第94番第2楽章の旋律に基づいた変奏曲や、シューベルトの3つの軍隊行進曲などに関してフランセが語った肉声、シャブリエのピアノ曲を管楽器編成に編曲したものなど、音色と楽器の魔術師フランセの真骨頂をみることができます。

 フランセ自身とマインツ管楽アンサンブルの演奏。

 1987年録音。wergo。
 フランセの作品をひと通り堪能できる3枚組のセットである。

  ママ……
 パパといえばママである。

 こういう求人の張り紙を見かけた。

P8060285


 この“ママさん美容師さん”っていうのは、素直に考えれば子育て中の美容師さんってことだろう。

 じゃあ子育て中だけどスナックをお任せしたいって人を募集するときは“ママさんママさん”ってことになるんだろうか?

 いえ、独り言です……

飾り窓のあるおうち。でもここじゃ語らえない♪グラナドス/ゴイェスカス

  郷愁をそそられる数々
 先日、洞爺湖を臨む町を訪れた。

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 この町のメインストリートは食料品店や酒屋といった商店がほとんど閉店してしまっている一方で、観光客やキャンプで訪れる人たちのための、ちょいとこだわりのある喫茶店やカフェ、ベーカリーなんかが増えているようだ。
 街の店の業態が変化し、それがまだ途上にあるようだ。

 そのあたりを散策していると、出窓のある家が。

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 う~ん。おっしゃれ~、じゃない……
 すいません。ストリートビュー担当者でもないのに、よそ様のお宅を勝手に撮った上に、憎まれ口をたたいて。
 でも、どうやら空き家になっているようだった(だよな~、この様相は)。

 グラナドス(Enrique Granados 1867-1916 スペイン)の「ゴイェスカス-恋をするマホたち(Goyescas - Los majos enamorados)」(1911)。
 “ゴヤ風の曲集”という意味のピアノ曲で、以下の2部7曲からなる。

Granados 第1部
 1. 愛の言葉
 2. 窓辺の語らい
 3. ともしびのファンダンゴ
 4. 嘆き、またはマハとナイチンゲール
 第2部
 5. 愛と死(バラード)
 6. エピローグ「幽霊のセレナード」
 追加
 7. わら人形-ゴヤ風な情景

 私が持っているのはエッセールの演奏のCDだが(1992年録音。エラート)。

  地球ゴマか? 
 この中途半端な、いやもしかすると完璧なメッセージなのかもしれない看板。

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 キタニって、小惑星か何かの名か?

  着火します?
 あのぅ、かなり陽にさらされて台紙がかなり色あせてますけど、本体は大丈夫ですか?
 ガス抜けてませんよね?

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  幽霊っぽい書体ゆえに……
 どうしても目にした瞬間は“豚”に見えてしまうが、変ですか、私?

 服屋(って言葉もあまり耳にしないけど)で、直しもしますってことなのか、それとも直志さんが経営する服屋なのか?

 けど、なんか怖い字だ。
 土台や石が墓標のようでもある。
 ビニールの中途半端な破れを“なおし”た方がいいかも。

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  さりげなくPR
 店主がどういうところにこだわっていて、こだわっている客とどう対峙するのかとっても気になる。
 けど、残念なことにサインポールは止まっていた。
 髪を切ってもいいかなって思ったのに……

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 歩き疲れて自販機で飲み物をと思ったら、50円の自販機が。
 でも、温泉の自販機。
 水が、ペットボトルに入った水が飲みたかったんだけど……

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 水はがまんし(がまんする以外に何があるというのだろう)、散策を続けると田んぼが。

 私としてはいちばん心和む風景だ。

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 ということで、誰が見ているかわからないので窓の中はきれいにしたいものですね。

電化されてないんだってばぁ!♪ドヴォルザーク/水の魔物

  帰れる状況下にない
 結局のところ、自宅のことが心配なため-私の脳裏には少年時代(なんせ世田谷食品のグルコサミンの中田喜子が女子大生役だったってくらい昔のドラマなのだ)に“再放送”で目にしたドラマ“岸辺のアルバム”での、洪水で流される家の様子が浮かんでは消え、消えては浮かんだ-支社の人たちに私がいなくて寂しい思いをさせることを申し訳なく思いつつ、もしくは不在期間が長引いて多くのひんしゅく、反感、憎しみを買うこと(こちらの可能性の方が現実的)に心が浸水状態になったものの、休みを延長した。

 なんせ、北海道最大の河川である石狩川が昨日危機に瀕したくらいの雨である。
 しかも、昨日の朝は、そのあとももっともっと降るという予報だったのだ。

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 それにJRのダイヤだってズタズタなのだ。新千歳空港に行く“エアポート”には支障は出てないようだけど……。あっ、電車じゃないって!もうっ!

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 でも、こういうときはやっぱりNHKが頼りになる。月曜の朝までに150ミリ、月曜の朝から火曜日の朝までも150ミリ降るという予想だ。

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 折しも、常呂川が氾濫。だが、画面の“多いところ”の“ところ”は常呂ではない。全道が範囲なのだ。

 このように緊迫した状況なのに、日テレではいつものように“アンパンマン”が放送されていた。
 子どもたちに不安を与えまいとする粋な配慮と言える。
 
  河川工事の効果を信じたい
 実は私が家を建てたこのあたりは、35年ほど前に(おやおや、キハ183系のデビューと同じころだ)川の堤防が決壊し浸水した一帯に隣接している(実際にはここも浸水したという説もあるが、土地を購入する際に土地組合の人は「ここは大丈夫だった。浸かったのはもっともっと西側」と言っていたが、販売主の言うことだから、遅ればせながら今になってちょいと疑わしく思っている)。

 つまり端的にいえば川が近いわけで、その後は大規模な河川工事が行なわれちょっとやそっとの大雨ではビクともしないはずだが、今回の雨はシトシトピッチャンではなく、大五郎も尻尾を巻いて逃げるほどの激しい雨になる可能性があり、そうなるとちょっとやそっとじゃない。
 警戒せざるを得ないのだ。

 でも、わが家の庭木に警戒心の強い野鳩ならぬヤマバトが巣を作っているくらいだから、あいつがよほど野生の勘が働かない性格ならともかく、そうじゃないと信じて、きっと自然災害は来ないだろうと、まさにわらをも掴む思いで、何事もないことを願った。

 そしてまた自分のこと以外でも、去年まで仕事でよく行っていた陸別や本別、新得などに危険情報が出ているのをテレビのテロップで見て心配し、先週も実際に浸水した足寄の映像を観て心を痛めた。

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  細かな配慮、目立たぬ人助け
 そんなわけで、ちょうどブラジルとドイツのサッカーの試合が終わったあとに-こういう気遣いは大切である-疎菜課長に電話をして、「防災のため今日戻るのを断念する。間違っても北海高校の決勝戦をテレビで観たいからじゃない。そうそう、明日は名古屋が台風の影響を受けないよう策を講じるように」と、窮状を訴えた上に無理難題を言い、強引に納得させたあと、飛行機の解約と新規予約をした。

20160821ANA この日の名古屋便はすべて満席。
 私のキャンセルによって、空席待ちで救われた人が間違いなく1名いた。私はこういうところでも人の役に立っているのだ。

 ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の交響詩「水の魔物(Vodnik)」Op.107,B.195(1896)。

 「水の精」と訳されることもあるこの曲は、K.J.エルベンの民話集のバラードによっているが、ドヴォルザークは同じ1896年にこのエルベンのバラードによる交響詩をほかに3曲書いている(「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」「野鳩」)。
 
Dvorak8Sapporoso エリシュカ/札幌交響楽団の演奏を。
 交響曲第8番とのカップリング

 2013年ライヴ録音。pastier。

  ところで昨日の記事で、生意気にも情報提供のあり方に疑問を呈した行政からの災害情報メール。

 土曜から日曜にかけての夜中にも何通か届いたが、その1通を紹介しよう。

 指定河川洪水情報


 2016年08月20日23時30分 発表

 石狩川下流にはん濫警戒情報が発表されました。

 洪水警報(発表)
 石狩川下流では、避難判断水位(レベル3)に到達し、今後、水位はさらに上昇する見込み

 石狩川の奈井江大橋水位観測所(樺戸郡浦臼町)では、当分の間、「はん濫注意水位(レベル2)」を超える水位が続く見込みです。引き続き、洪水に関する情報に注意して下さい。


 【現況・予想】
 石狩川流域の流域平均雨量
 19日23時00分から20日23時20分までの流域平均雨量 87ミリ
 20日23時20分から21日2時20分までの流域平均雨量の見込み 8ミリ
 篠路〔札幌市〕の水位
 20日23時20分 1.56m(正常)(水位危険度レベル0)
 21日00時00分 (欠測)
 21日01時00分 (欠測)
 21日02時00分 (欠測)
 石狩大橋〔江別市〕の水位
 20日23時20分 3.23m(正常)(水位危険度レベル0)
 21日00時00分 (欠測)
 21日01時00分 (欠測)
 21日02時00分 (欠測)
 月形〔岩見沢市〕の水位
 20日23時20分 10.29m(正常)(水位危険度レベル0)
 21日00時00分 (欠測)
 21日01時00分 (欠測)
 21日02時00分 (欠測)
 奈井江大橋〔樺戸郡浦臼町〕の水位
 20日23時20分 16.06m(正常)(水位危険度レベル2)
 21日00時00分 16.38m(正常)(水位危険度レベル2)
 21日01時00分 16.81m(正常)(水位危険度レベル2)
 21日02時00分 17.23m(正常)(水位危険度レベル2)
 橋本町〔樺戸郡新十津川町〕の水位
 20日23時20分 23.86m(正常)(水位危険度レベル1)
 21日00時00分 (欠測)
 21日01時00分 (欠測)
 21日02時00分 (欠測)
 納内〔深川市〕の水位
 20日23時20分 60.29m(正常)(水位危険度レベル3)
 21日00時00分 60.37m(正常)(水位危険度レベル3)
 21日01時00分 60.58m(正常)(水位危険度レベル3)
 21日02時00分 60.76m(正常)(水位危険度レベル3)

 水位危険度レベル
 ■レベル5 はん濫の発生
 ■レベル4 はん濫危険水位超過
 ■レベル3 避難判断水位超過
 ■レベル2 はん濫注意水位(警戒水位)超過
 ■レベル1 水防団待機水位超過


 というものだ。わかります?書かれている意味が。

 まず“下流”の範囲がわからない。
 よく読むと深川で水位危険度レベルが3ってことはわかったが、じゃあ間違いなく“下流”である篠路の人はどうするべきだというのだろうか?

 23:30発表だから、21日0:00以降は未来時刻というわけで“欠測”なのかと思いきや、深川の納内(おさむない)は21日の0:00、1:00、2:00も“正常”となっている。この“正常”って何?
 正常に計測できたという意味だとしたら、まだ来ていない時刻のことをそう書くのはおかしい。
 
 じゃあ水位が正常ってことか?でも納内は水位危険度レベル3だ。どう考えても正常じゃない。

 どうせ教えてくれるなら、ど素人=一般市民の誰が読んでも、わかりやすく共通の判断ができる発信をお願いしたいところだ。

 

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