新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は自宅庭で咲いた「レディ エマ ハミルトン(2024年6月22日撮影)。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

“OCNブログ人”時代の過去記事(~2014年6月)へは左の旧館入口からどうぞ!

2016/04

今朝はごきげんいかがかしら?♪メシアン/鳥たちの目覚め

MessiaenHaikai  デーデーポッポー……
 いま始まったことじゃないが、朝の鳥のさえずりは実に心を爽やかにさせてくれる。

 冬なら7時近くになってあたりがようやく明るくなってくると鳥の声が聞こえ始めるし、いまは日の出が早くなっているので私が起きたころにはもう何種類かの声が聞こえる。

 それがなんの鳥たちなのかすべてはわからないが、スズメとセキレイがいることは確かだ。

 たまにカラスの声も聞こえるが、カラスは都会でも聞ける、というかいやでも耳に入ってくるのであまりうれしいサウンドとは言えない。

 ジジ臭い感じはするが、ドバトの声も何とも言えずのどかでいい。←耳にしている私がジジ臭いのではなく、ドバトの声がジジ臭いという意味である。


  冷たい涙を流して空は泣く
 ところで昨日の記事の最後に、今年のカッコウの初生声はいつごろになったら耳にできるのだろうなんてこまっしゃくれたことを書いたが、午前10時前に飛行機は新千歳空港に着陸。

 厚い雲の中をなかを降下してきたの、まさに五里霧中のなかパイロットもたいへんだなぁと感心したものだ。
 当然そこそこ揺れて、私の関心はおみやげに買った赤福の形状、とまでいかなくとも表面が揺れで崩れるのではないかということに向いたが、考えてみれば買ってあとによっこいしょと袋を持った直後に早々に傾けてしまったりもして、それに比べるとこの揺れごときで変形することはないなという結論に達した。

 着陸すると窓の外は寒そうな雨。滑走路にはひっきりなしに雨粒が落ちているのがわかった。

 快速エアポートに乗り、札幌駅のホームに降り立つと、寒~い。
 数時間前にいた今朝の名古屋もいつもよりは寒かったが、こちらはまさに北国らしい気温。
 寒さのあまりホームの端にある新生児室のようにガラス張りになった部屋に風よけのために退避、じゃなくタバコを吸った。

 家に着き、昼を゛とんでん”に食べに行き、妻は゛母の日スペシャルセット”だかなんだかの期間限定おすすめメニューを頼んだが、私は゛くしろ・そばセット”を頼んだ。
 結論から言うと、食べすぎた。朝を食べてなかったので張り切ってしまったのだ。

 私たちの少し後に隣の席に着いたおばあちゃんはカツ丼を頼んで食べていた。
 あの年でカツ丼とは頼もしい。
 胃も歯も丈夫なんだろう。

 そのあとホーマックに行き、新しい夏用ワイパーを買った(言っておくがホーマックには古い夏用ワイパーは打売っていない)。
 が、小雨が風に煽られて舞っている寒空のもと、とても夏用に気分もワイパーも切り替えられず交換作業は見送った。このような気候だから、タイヤ交換も連休後半にすることにした。
 
 つまり私が言いたいのは、こんなに寒けりゃカッコウはまだまだ鳴きそうもないということだ。

 そしてまた、今朝は雪がパラパラと降っていて、風の音がゴーゴー言っている。違うよ、「行け行け」っていうんじゃないよ。鳥の声はひとっつも聞こえない。外気温も5:30現在、0度だ。

  鳥たちの声が飛び交う
 メシアン(Oliver Messiaen 1908)の「鳥たちの目覚め(Reveil des oiseaux)」(1953)。

 ピアノと管弦楽のための作品で、当初は交響詩「春」という作品として書かれたという。

 メシアンは鳥フェチとして知られるが、いや失礼、鳥類学者でもあったが、「鳥たちの目覚め」がメシアンの“鳥シリーズ”の第1作である。

 真夜中から正午までの春の1日の鳥の声を扱っており、曲中に30種の鳥の声が模倣されているという。
 メシアン特有の色彩豊かで透明感のある音響が味わえるが、鳥たちの声は必ずしも爽やかなってわけでもなく、目覚めの悪い鳥たちが機嫌の悪さをぶつけ合っているというように聴こえなくもない。
 
 エマールのピアノ、ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で。


 1994,96年録音。グラモフォン。

 メシアンはこの作品のあと、1955年から56年に「異国の鳥たち」、56年から58年にかけては全13曲からなるピアノ曲「鳥のカタログ」といった、“鳥シリーズ”の作品を作曲していく。

 あっ!シリーズのコンセプトに反してあまり一般的じゃない曲を取り上げちゃった。
 でも、文章が短いところはコンセプト通りである。

 このブログ、つまり「新」になってからもうすぐアクセス数が10万になろうとしている。
 ありがとうございます。
 どうぞみなさん。10万人目を目指してください。私には誰が祝・10万人目なのか知る由もありませんけど……

 masaさん。昨日メッセージをいただいたように、私はやることがたくさんあります。
 昨日はそちらもかなり寒く、帯広空港では雪が積もったそうで……

 あっ、鳥の声が聞こえてきた!
 と思ったら、霰が……

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持って歩ける女性郵便局員?♪ディーリアス/初カッコウ

DeliusParadiseG  初が抜けてるが……
 私は歴とした“男”である。

 いや、変な暗喩ではなく、生物として♂である。

 だからこそおなかが痛くなるのは消化器系か尿管結石であって決して生理痛ではないし、人間ドックでの血液検査における各数値が正常か正常でないかの基準も男性の基準値で判断される。

 女の人もやろうと思えば不可能ではないのかもしれないが、原則おしっこは立ってする(最近は飛沫で周囲が汚れないよう座っておしっこをする男性も増えているようだが、その姿勢でするとおちんちんの付け根あたりに尿が残って出きってないような感触が残るので、私は好まない。あなたには私の好みなど関心はないだろうけど)。

 なのに、なぜこういうメールが来るのだ?

 相手のことなどちっともわかろうとせずに、見境なく送りつけるためだが(わかってんなら疑問を呈するなと言いたいふだろうが、それには耳を貸さぬ姿勢を貫きたい)、でも【女性用】とただし書きがあるあたりはちょっぴりお茶目だ。

 タイトル 【女性用】在宅日払いバイト募集!


 本文は、


 ご自宅で安全に稼げる携帯メールレディの募集です。
 毎月安定した収入が見込める副業です。
 http://*w.l*/**X***
 仕事始めの期費用や登録費用、通話料は一切必要ありません。
 ノルマ等も御座いませんのでお気軽にご登録ください。


なのだが、推測するに“初”が抜けてるな。4行目の6文字目のことだ。

 この間抜けさんったらぁ~!

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初なの……

 さて大型連休、植物が鳥たちがミミズも虫も生き生きとする季節の到来なので(写真は昨日に引き続きなんとなくのイメージ)、ここしばらくはこの時期に聴くにふさわしい曲、しかもうれしいことに(読者が)ディスクを入手しやすい曲をシリーズで取り上げたいと思う。

 題して“ゴールデンウィークやっつけ手抜き記事”シリーズである。


 今日は“初”にちなんで、ディーリアス(Frederick Delius 1862-1934 イギリス)の「春初めてのカッコウを聞いて(On Hearing the First Cockoo in Spring)」(1911)。

 日本語名がどうも曲のタイトルとしては流れが悪いというか、ピシッとしてなくてちょいと気になるところだが、それは個人的なわがままだし、じゃあそれ以上の訳をしてみろと言われたところで私には謝る以外にないので、がまんすることにしよう。

 なんともいえぬ味わいと質感。
 いいなぁ~

 楽曲についてはここをご覧いただきたいと思うが、「河の上の夏の夜(Summer Night on the River)」(1912)とセットで「小管弦楽のための2つの小品(Two Pieces for Small orchestra)」という作品になっている。


 今日はマリナー指揮アカデミー室内管弦楽団(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)の演奏を。


 1977年録音。ロンドン(デッカ)。


 ところで、そんなシリーズは許さんとお怒りなられているそこの君!

 あなただって連休はいろいろ忙しいでしょ?他人様の書いたブログを真剣に読む時間なんてないでしょ?
 そもそも読む気もかなり失せるでしょ?
 そうですよね。実家に帰ったっり、ミズバショウを見に行ったり、美味しいものを食べに出かけたり、渋滞に巻き込まれなきゃならないですからね。


 私だって庭の雑草を抜いたり、壊れたラティスフェンスの支柱を大型ごみに出したり、物置の片づけをしたり、タイヤ交換をしたり、床屋に行ったりしなきゃならないんです。


 だからほんのちょっとだけ手抜きすることを許してちょーだいな。


 さて、私はこのあとセントレア空港に向かう。
 向かうだけではない、飛行機を見に行くのでもない、向かったあげく飛行機に乗る。
 そして自宅へ帰る。

 今年、カッコウの初生声はいつごろ耳にできるだろう。


激しすぎる昼と夜のギャップ♪緑の森の木陰で

Under the Greenwood  お揃い?その着目点が不思議 
 先週のことだが、支社の3人と飲みに行った(混同しないように一応はお断りしておくと、千葉課長たちとの夕べとは別の出来事である)。

 どこか行きたい店があるかどうか聞かれたので、“夜のキンジョー”に行ってみたいと、恐る恐る試しに言ってみた。
 キンジョーとは社の近所にある、あのせわしない店のことだ。

 すると意外なことに私の希望は受理され、いつもランチタイムは戦場のようにざわつき、仕事も迅速かつ粗雑なあの店に夜デビューすることになった。


 行くと他に客は誰もいなかった。

 昼のあのお姉さんはまだ普段着で、子供も店にいた。

 つまり料理しているのが夫で料理を手際よすぎるくらい手際よく出しているのが妻で、2人の間には子供がいるということがわかった。

 窓から見ると、彼女は店の前にヴィッツだかアクアだか、とにかくそんな感じの車を停めていて、そこから何かを店に運んでいたが、それは鮮やかなグリーン。そしてまた、子供のトレーナーも鮮やかなグリーンだった。

 私の視線を追って、同じくそれを見た平瀬さん(このときの3人のうちの1人だったのだ)は「揃えてますね。おしゃれですね」と言ったが、私にはどう考えても偶然にしか思えなかった。


 彼女は私たちのビールの注文を受け、それを運んで来ると子供と車に乗り込み、しばらくしてから戻ってきた。

  すっかり緑に染まったアタシの思考
 戻ってきたときには子供の姿はなかったので、たぶん家においてきたのだろうが、ということは住まいはここからそう遠くないところにあると考えられる。託児所って可能性もあるが……

 戻ってくると彼女はBGMのスイッチを入れ、仕事着に着替えた。

 
 混んでいない(というか他に客がいない)せいもあって、これが昼と同じ店かというくらい落ち着いて食事ができた。そしてまた、味が良いことはすでに担担麺で確認済みではあるが、他の料理もなかなか美味しかった。


 だがエビ料理が運ばれてきたとき、なぜか海老名美どりの顔が思い浮かんだ。
 いや、そうはっきりと顔を覚えているわけじゃないが、そんな顔が浮かんだ。

 きっと平瀬さんが変なことを言ったせいで、私に頭の中で神経回路がショートしたんだと思う。
 
  写真はイメージです 
 そんなわけで季節も季節だし、デリック主宰の古楽グループであるエスタンピによる「緑の森の木陰で - 森にまつわる世俗音楽集」。


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 このCDは前にも紹介しているが、ロビン・フッドに関係する中世の世俗音楽を集めたもの。


 「夏の始まり」や「ああ、楽しい5月」、アルバム名にもなっている「緑の森の木陰で」やヴォーン=ウィリアムズが幻想曲に用いた「グリーンスリーヴズ」など、全部で28曲が収められている。


 1995年録音。ナクソス。


ビクトリーの死♪キラル/ヴィクトリア

IMGP0576  原因はよくわからないまま……
 かつては(クールファイヴの歌のように“一度だけ”だが)開花したこともあるパパイヤの鈴木、じゃなく“ビクトリー”。

 帯広のマンションでも順調に生育し、札幌の自宅に持ち帰るときは引っ越し荷物と一緒ではなく、わざわざ自家用車に積み込んで運んだ。

 というのも、引っ越しトラックの中に一晩置かれるだけで寒さでやられてしまうからだ。

 そういう経験を、私はかつてパキラでした。

 大阪に住んでいるときに神戸に出かけた際に購入し(なんでわざわざ鉢植えを神戸で買わんきゃならなかったんだろう。衝動買いにしても変すぎる。私は)、次の転勤で東京に持っていき、私の道外暮らしでいつも一緒だったパキラは、札幌勤務に伴う2日間にわたる引っ越しトラックによる移動で、凍え死んだのだった。


 だが、私の行き届いた配慮にもかかわらず、パパイヤは枯れた。先週自宅に戻ったとき、私はそのように判断せざるを得なかった。

 しかし今回のパパイヤの死に関してはちょっと不思議に思う点もある。

  たわわに実るのはまだまだ先だけど……
 同じように自家用車移送大作戦で自宅まで運んだベンジャミンとモンキーバナナとミニパイナップルは元気なままなのである。“元気なまま”という表現はまるで元気なのがいけないことのように感じるかもしれないが、もちろんそうではない。
 元気なままがいちばんなのだ。子どもにとって、ママが元気なのがうれしいのと同じように。


 ベンジャミンはいったんすべての葉を落とした。
 が、いまはどんどん新しい葉が出てきて新緑のまっただ中である。まるで帯広の埃がついた葉をすべて脱ぎ捨てたかったかのようだ。

IMGP0577 モンキーバナナは温暖地で育てるのと比べたら、成長は緩慢としているのだろう。
 だが、ちょっぴり気味が悪いほど葉を大きく広げ始めている。柏餅ならぬ、ジャンボサイズのバナナ餅が作れそうなくらいだ。
 もっともバナナ饅頭っていうのは存在するが、バナナ餅なんて見たことも聞いたこともないが……


 オーニソガラム・コーダツム(偽海葱=にせかいそう)も、毎日マカでも摂取してるんじゃないかってほど元気だ。


 そんなわけで、パパイヤだけが枯れてしまったのである。

 My LEGACY号で丁重に運んだのだ。温度管理には問題はなかったはずだし、水のやり過ぎということもなかった。

 なのに……ビクトリーは生存競争に負けた。


  うそくさい荘厳さ 
 なんとなく、キラル(Wojciech Kilar 1932-2013 ポーランド)のなんとも不思議な怪しさをはらんだ合唱曲「ヴィクトリア(Victoria)」(1983)。

 この作曲家の作品では、とんでも音楽としか言いようのない人を食ったような「クシェサニ」を以前取り上げているが、「ヴィクトリア」はオルフの「カルミナ・ブラーナ風のある意味まじめっぽい、けど胡散臭い曲。
Kilar
 どんなところが胡散臭いかは聴いてみなきゃわからない。
 発売元が「ポーランドのキラル、いとをかし」と書いているのはウソではない。

 ヴィット指揮ポーランド国立放送カトヴィツ交響楽団、クラクフ・フィルハーモニック合唱団の演奏。

 この1枚でめまいがしそうなくらいキラルを堪能できる。


 1994年録音。ナクソス。


 ちなみにシャコバサボテンとクジャクサボテンはやたら色つやが良い。
 ふだん私に構われるより、放っておかれた方が彼らにとってはのびのびできるのかもしれない。
 が、そう思うとちょっとさびしい。

 話は変わるが、おとといの晩は支社の千葉課長とその手下たちと“つぼ八に行った。
 もちろん名古屋のつぼ八である。
 ホッケやザンギを食べた。
 プチ北海道気分になれた。

 

口約束は守られた♪ゼンフル/彼が彼女に何を約束……

Virture and Vice  信じてなかったわけじゃないんです
 先週、人間ドックの結果が郵送で送られてきた。

 ドックを受信した日の午後に、すでに医者からは丁寧な説明があり、心配するような異常はなかったことは伝えられていたが、書面は一切渡されず口頭のみ。
 「あなたには異常がなかったですよ」というのは、いわば口約束。
 やはり結果が詳細に記された紙が来ないとちょっと心配である。

 しかし届いた結果表の内容とあのときの医師の説明との間に差異はなかった。

 つまり、あのとき言った言わないというような、たとえば「センセ、膵臓には異常がないっていったじゃないですか」「そんなこと言った覚えがないなぁ。あなたの聞き間違いじゃないの?」とか、「この胃の入り口の盛り上がりは年齢による筋肉の緩みで心配ないといったじゃないですか?」「そんな話は知らないな。これはどう見ても再検査だな」みたいな、後味の悪いトラブルが起こりうるというのは杞憂に終わった。

 ごめんなさい。ちょっと、ほんとにちょっとだけだけど、あなたを信じきれなかった私がいけなかったの。

  なんだかムムムな内容?
 ゼンフル(Ludwig Senfl 1486頃-1543 スイス)の「彼が彼女に何を約束したか私は知らない(Ich weiss nit, was er ihr verhiess)」。

 ゼンフルはルネサンス期のドイツ音楽の最大の作曲家とされる人物で、イザークに師事した。
 ミサ曲やモテット、リートを残しており、最近もこちらのブログで彼のリート作品を取り上げたが、「彼が彼女に何を約束したか私は知らない(彼は彼女に何を約束したのだろう)」もゼンフルの作品としては比較的よく知られているリートである。

 ここで紹介するCDのライナーノーツに書かれている歌詞の対訳(英語)は次の通り。

 I do not know what he promised her,
 as so many times before,
 so that she unlocked the door
 and a little bit more
 as so many times before.
 Heigh-ho,heigh-ho!
 (The list of aphrodisiac herbs continues,as before)
 Heigh-ho,heigh-ho!
 She wants to become my lover.

 ベルガー/アンサンブル・ヴィラネッラの演奏で。

 1994年録音。ナクソス。


 あら、いやだ。
 このタイトルったら……
 私は彼の彼女じゃないっていうのに……

  腹八分目のために……
 昨日の昼はFANNYに行った。

 いつも弁当を頼むので、たまには違ったものをとも考えたが、やっぱり弁当にした。
 しかしFANNY弁当はやめて、おかずの構成は同じながらご飯の量が少なく、容器も一回り小さなヘルシー弁当にした。


 ドックの結果に喜んでいるようでいて、実は落ちていない血糖値やヘモグロビンA1cの値が気になるので、2年前の初心に戻って炭水化物の食べ過ぎに注意しようと思ったからである。

 この日は池中さんと2人で行ったのだが、4人掛けのテーブルに案内され、並んで座るように言われた。
 最初から相席前提であるが、こういうのって名曲喫茶でスピーカーに向かって座るような感じだ。
 その直後におじさんとベテランっぽいOLのペアが向かいに座った。

 これがOL2人連れだったら、フィーリング・カップルのように(古くてすまない)趣味はなぁにとか将来子供は何人欲しいのかとか質問するのがマナーだが、私には職場の女性と2人で食事に来るなんて発想はまったくないのでよくわからないが、とにかくそういう2人だったので気を遣わずに済んだ。

 で、そんなことはどうでもいいのだが、私たちにヘルシー弁当が運ばれて来たすぐあとに、向かいにも料理が運ばれてきた。
 おじさん(言っておくが私より若い)がFANNY弁当でOLがヘルシー弁当だった。

 自分のヘルシー弁当を見て、あぁなんて少ないんだろうと内心嘆いていたのに、それをあざ笑うかのように向かいは堂々たるFANNY弁当。

 失敗したと思った。私も素直にFANNY弁当にすればよかった。

 が、食べ終えるとけっこうな充足感。
 やっぱりFANNY弁当なら食べ過ぎなのだ。私の年齢なら。
 そのあと、すごく正しい選択をした自分に満足した。

状況急変。作戦変更♪サン=サーンス/アフリカ幻想曲

SaintSaensPfCon  障害に気づいていない?
 このブログの管理画面-つまり記事を書いたりデザインを選んだりアクセス状況を見たりする画面だが-のなかに“ブログ情報-利用状況”というのがある。

 そこにはここ最近の私のデータ転送量とかブログの順位(画面左や記事の下にある私が自主的に参加しているブログランキングとは別で、livedoorブログの中の順位)が表示されるのだが、なぜか4月20日以降数値に全く変化がない。

 いや、このブログの順位やアクセス数が浮き沈みなく安定しているとかいうことではなく、データが20日以降更新されていないのだ。
 こういうのって、運営者側でまだ気がついていないのだろうか?
 いやそんなことはないだろう。私のように泣き寝入りするタイプのブロガーはそうそう多くないはずで、「おかしじゃないか!」とクレームが入っているに違いない。
 けどずっと直らない。ということは、そのうち直そうとしているのか、それとも意外と厄介な障害で復旧に難儀しているのだろうか?

 ブログを書く上での重要度は低いが、本来なされるべき更新が行われないままなのは心の片隅に引っかかり続ける。引っかかり続けるのは嫌だから早く直してほしい。

  食欲がなくなったのではないけど……
 話は変わるが、先週の金曜日は札幌で会議だった。
 そのことは書いた
 会議は午後からだった。そのことは書いてなかった。

 ということで、私はこの日の昼は菅家に行って醤油ラーメンと小ライスを食べようと決意していた。
 このひそかな企てを知った人は、食べすぎだという鋭く指摘してきそうだが、たまにはいいじゃないか。
 担々麺+小ライスとかもりそば+ミニ天丼とか、食べすぎはあんまりたまにじゃないけど。

 私は、現時点でいちばん美味しいと思うのが菅家のラーメンなのだ。
 そして出張できてもなかなかここで食べるチャンスがないのである。
 今日は絶好の菅家日和ってわけだ。
 私は「おまちどうさま」と目の前に置かれる光景を頭で反復しながら街に向かった。
 
 ただここのラーメンは美味しいが、惜しいことにラーメンだけだと、育ち盛りじゃないとは全然言えない身ではあるが、勤労男性にとってはボリューム不足。大盛りにするという手もあるが、それなら触感のバラエティーさに欠ける。だから小ライスが望ましいのである。

 世の中、お好み焼きとライスのセットとか焼きそばとライスのセットなんていう驚くべきメニューがある。
 が、考えてみればラーメンライスだって同じことだ。驚いてすまんかった。

 しかしである。
 この日は暑かった。
 少し歩くと汗ばむほどだった。これなら名古屋とたいして変わらないんじゃないかってほどだ。

 私は、会議前にラーメンを食べて汗をかくのはちゃっとやだなぁと思い始めた。
 汗がひいたあと今度は寒気がして風邪にかかるのも心配だ。
 発汗による体力消耗によって会議中に猛烈な眠気に襲われる恐れもあった。
 いや、汗をかいたあとの様子が湯上りと勘違いされ、どこかの風呂にでも行ってきたのかと誤解を受ける可能性もゼロではなかった。

 苦渋の決断だった。
 私は熱い食べ物を食べないことにした。
 きのう紹介した曲が訴えていることに反するが、挫折した。
 そしてごまそば処・八雲に行き、冷やしたぬきそばを食べた。
 生卵が苦手な私は、トッピングで標準仕様の生卵を黄身を乗せないようお願いした。

 生卵のかわりに錦糸玉子を乗せてほしいところだったが、そんなの私の勝手な変更なんだからやってくれないだろうし、そもそもこの店に錦糸玉子があるかどうかもわからないし、あるとしたらそういう提案もありそうなもんなので、そんなわがままなことを心で思っているなんて店員のおばちゃんに悟られぬようにした。

 もともと冷たいそばにライスをつけることは私はしないが、この日も単品にした。
 でも、ここのそばはボリューム満点だった。
 八雲は昔からときどき使っており(札幌市内各所にあるほか、新千歳空港にもある)、食べなれた味である意味安心感があるが、こんなにボリューミーだったっけと感じた。
 それとも卵の分を麺の量でサービスしてくれたのだろうか?

  おやっ?気づかない?
 あれだけ楽しみにしていた醤油ラーメンを断念したが、そのかわり冷やしたぬきそばを食べてる最中も汗がしたたり落ちることもなく(そうなったとしたら別な病気を疑うべきだろうが)、昼間割引サービスの風呂に行ったんじゃないかというあらぬ疑いをかけられることもなく、会議中も眠くならず、それとは関係ないが本社ビルで偶然にもばったりアルフレッド氏に会った(姿を見た瞬間、氏がばったり転倒したということではない)。

 アルフレッド氏が「MUUSAN、やせたんじゃないですか?」と言うので、「毎朝満員電車で前後から押されるので体が薄くなったんだ」と答えておいたが、どうやらその言葉を鵜呑みにはしていないものの、完全に冗談だとも判断しきれてないようだった。

 そうそう、本社ビルの階段で阿古屋(前)係長にもばったり会った。
 「やあ」と言ったら、「こんにちは」と彼は言ったが、すれ違ったあと振り返ってあらためて私を見て、ようやく私だと認識したようだ。
 つまり最初の「こんにちは」はオウムと同じようなもので、相手にかかわらず発する言葉のようなものらしい。
 そのあとは「あら!」とか「えっ!」とか、たとえばだが、産直生鮮市場の魚売り場の前あたりで久しぶりに知り合いの奥さんに会ったおばちゃんのように驚いてくれた。あるいは幻想を見たようなリアクションでもあった。
 もしかすると翌日には私と遭遇したことなど覚えていないかもしれない。

 サン=サーンス(Camille Saint-Saens 1835-1921 フランス)の「アフリカ幻想曲(Fantaisie 'Africa')」Op.89(1891)。

 いや、“幻想”ってことと、作曲者がオウムに似ていたってことで……

 コラールのピアノ、プレヴィン/ロイヤル・フィルの演奏を。

 1987年録音。ワーナー(原盤EMI)。

でもあなたからのメール、受信できてますけど♪WAMの夏バテ対策曲音楽

IMGP0570  降ったんだから文句は言えないが……
 昨日の天気予報は朝の9時から雨というものだった。

 私としては前々日に抜いて地面に置いてあった雑草を雨が降る前にごみ袋に入れるべく、前々日そして前日とは打って変わって寒くそして風が強い中、作業を急いだ。

 ところでなぜ抜いた草を地面に置いておくのか?

 それは抜きたてだと土がまだ根にまとわりついていて取り除きづらいからである。このように日光のもとに置くことで土が乾燥しふるい落としやすくなるからだ。

 しかしここで雨が降ると、乾燥で弱っている雑草が再び元気を取り戻す可能性がある。いくら土から抜いてあったとしても相手は雑草。復活する恐れがあるのだ。

 が、天気予報は外れた。
 作業をするよう私の尻をなめ、いや叩いてくれた効果はあったが、9時に雨は落ちてこなかった。

 が、突然11時になると雨が降り出した。それも激しくだ。
 時間は狂ったが、天気予報は結果的にはまずまず当たったのであった。

 ところで、庭をチェックすると、2株のバラが新芽を出すオーラを発していない。
 枯れたのだろうか?
 もう少し様子見だ。
 ほかのバラたちは私の気分を高揚させるように、葉を出しつつある。

 またこの冬はノネズミによる食害はまったくなかった。
 こういうのって年によってムラがあるようだ。なぜだかわからないが……

IMGP0574 ラクティフローラは、地表にみずみずしい色の葉の姿を地表に現わした。
 毎年のことだが、この葉はまさに新緑の季節を感じさせる。


 
制限?実感ないんですけど…

 先日、見知らぬ相手から届いたメール。

 ご親切というか、ちゃんとしてないというか、立て続けに同じものが2通来ていた。
 いや、厳密には同じではなく、本文中に記されているURLがビミョーに違っていた。

 お使いのPCメール料金超過・通信規制のお知らせですので必ずお確かめ下さい。

 【通信規制通知】
 お客様のメールご利用料超過に伴いまして、メールと一部のインターネット接続を制限させていただいております。
 ※現在、正常にメール送受信やインターネットをご利用出来ない状況です。
 解除を希望される場合は下記URLより制限解除(無料)をお願い致します。

 ▼通信制限解除▼
 http://w***z.ma*****z.link/*from=****&t*=***1e**&***c&**x=7***c

 ウチ、フレッツ光なんですよね。

 子供にもわかるように丁寧に言うと、定額で使い放題なんです。

 どなたか、きっと少数派だとは思うんですがダイヤルアップ接続でがんばり続けている方がいて、送る相手がその人と間違っているんじゃないでしょうかね?

 でも、大人の私でもわからないんですが、あなたからのメール正常に受信できてます。なぜなんでしょう?
 それに、ご利用いただけない状況なら“通信制限解除”のサイトに進むこともできないと思うんですけど……


  だから何?
 別なメール。


 タイトルは「 私の話を聞いて!
 本文は、


 邦画・洋画・最新作・名作・B級などなど、私の大好きな映画が無料で見放題だよ。
 http://8c*****.com


 そうですか、よかったですね。それ以外私には言葉がみつかりません。
 あなたは映画が大好きかもしれませんが、ごめんなさい、そのことに私、関心がもてないんです。

 って、こんな感じでワケのわからん奴らが多いが、いま起こっていてとにかくタチが悪いのは熊本の地震被災地で起こっている空き巣や、震災義援金にかこつけた詐欺だ。
 人間として許されない存在だ。まったく。

MozartCanon  という怒りを胸に、今日は勤務地へリターン
 札幌が「おお、春だ!」というのに、セントレアに降り立つと「まぁ、夏ね」って感じかもしれない(というのは、まだ早いか……)。
 でも、会う人会う人すべてが、口裏を合わせたように「とにかく名古屋の夏は暑いですよ」という。

 これだけ全員といっていいほどそう言うってことは、きっと本当のことなんだろう。覚悟しなければならない。

 夏バテしないように、かといって肥満にならないよう気をつけながら、ただでさえ微弱な体力を失わないよう食事をとるように心がけたい。

 モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の「夏の暑いときには私は食べる(Bei der Hitz' im Sommer ess' ich )」K.234(K6.382e)(1782頃)。
 3声のカノンで、詞はモーツァルト自身による。

 実によい心がけである。
 私も見習う所存である。

 先日「おれの尻をなめろ」とか「おおお前,愚かなマルティンよ」などを紹介した、マット指揮ヨーロッパ室内合唱団によるディスクに収録されている。

 2002年録音。ブリリアント・クラシックス。

 このCDジャケットのお嬢さんのほくろ、きっとつけぼくろだと思うんだけど(だってスイカの種がついているような不自然さがある)、どういう意図があるんだろう?

じんわりと春の気配に浸る♪ドヴォルザーク/自然の中で

  自然美
 朝、コンビニに新聞を買いに行くときに、メイン通りではなく1本はずれた道を通ると、道沿いにはけっこう広い空き地があり(といっても私有地)、そこは良い意味で自然に任せた感じに草花や木が生えていて、雪解けすぐにはフクジュソウが咲き、いまは半野生化したスイセンなんかが咲いている。

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 こういう景色、なかなか好きだ。

 そういえば、浦河町の小学校に通っていたとき、小学校の裏は小さな山で、人が歩ける程度の小道が山頂までついていた。登りつめると急に林が開け牧草地になっていたが(村上春樹の「海辺のカフカ」の最初。ナカタさんの少年期に体験した事件の箇所を読んでいると、なぜかこの牧草地の風景を思い浮かべてしまう)、あるとき何人かでそこへ行ったら、牧草地としては好ましくないのだろうが、草に混じって一面赤紫色のカタクリの花が咲いていたことがあった。
 あれは実にきれいで、少年心にも感動的だった。

  これはちょっと……
 が、一面でも、ツクシが一面なのは全然きれいじゃないし、自分の家の庭でもツクシ(と栄養体であるスギナ)はA級雑草である。だからこのような光景を見ると、よそ様の土地だがとても気の毒に思ってしまう。

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  朝刊を買いに行くとき、もう明るいし
 このように北海道でもいよいよ春の到来を実感できるようになった。

 ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の序曲「自然の中で(V prirode)」Op.91,B.168(1891)。
 序曲3部作である「自然と人生と愛(Proroda, zivot a laska)」の第1曲目にあたる。

 この曲は「自然の王国で」というタイトルで呼ばれることもあるが、ウィキペディアによるとこれは英語訳からの重訳によるもので、原題からすると「自然の中で」がふさわしいらしい。

 エリシュカ/札幌交響楽団による演奏を。
 交響曲第8番ほかとのカップリング。

 2013年ライヴ録音。Pastier。

境界がなくなりちょっと恥ずかしいような♪WAM/教会ソナタ

MozartSonatas  お知らせに困惑する私
 昨日はこのあいだの日曜日の代休。
 で、今日は札幌で会議。

 となると、昨日のうちに札幌に移動しちぇえって考えるのが人情ってもの。
 が、私はそのようなことをせず、おとといのうちに早退して札幌に戻った。

 昨日はまず、4月のあたまに届いたものの私がいなかったためにそのままお地蔵さんのようにひっそりと置かれたままになっていた新しいPCのセットアップ。

 しかし、その前に無線LANルーターの“お知らせ”ランプが点灯していたので、耳を近づけると「ファームウェアの更新でっせ」という声が聞こえたような気がしたので、その更新作業。年に数回このランプが点灯するが、その程度の頻度ゆえに「あれっ、どうだったかなぁ」と毎回更新作業にけっこう手間取ってしまう。

  テンにとまどう私
 そのあとにいよいよパソコンのセットアップをしたが、セットアップ自体はスムーズに進んだものの、このウインドウズ10というものに接するのが初めてなのでなかなか違和感がある。
 この記事は新しいPCを使って書いているわけだが、名古屋で使っているのと同じNECなのでキーボードの感触や配置にはまったく抵抗がないものの、肝心のウインドウズにさんざんやれやれさせられている。

 なお、私はMSアカウントではなくローカルアカウントの設定で使うことにしたし、ブラウザもエッジではなくいままでどおりインターネット・エクスプローラーを使っている。

 そのあとは期日前投票に出向き(私は北海道5区在住なのである)、投票を終えて会場を出ると駆け寄ってきた某新聞社と某テレビ局の出口調査に正直に答え、そのあとは自宅に戻り、あまりにも汚れが目立つ車を洗い、さらには有用な園芸植物よりも早くも元気いっぱいに庭を占領しようとしている雑草を抜き、さらに歩道との境にあるラティスフェンスの支柱がグラグラになっていたので、それをついに撤去した。

  無くし物に腐る私
 これを立てたのはもう18年ほど前になる。
 よくぞここまでもったともいえる。

 まだ補強して使えるかと思ったが、もう木の支柱の根元がおかしくなっているのでセメントで固めてもだめだと判断した。

 実際支柱を強引に倒しかけながら取り除くと、その地中部には、ある支柱はアリが、別な支柱にはワラジムシが大量にいた。木が腐りかけていたのだった。

IMGP0562

IMGP0563

 が、この取り外しの際に使った電動ドライバーの先の部分を庭のどこかに落としたらしく、余計な作業としてそれを探すのに30分ほど費やしたが、結局見つからなかった。だから私の気は腐っている。

 まだ庭にはほとんど花が咲いていない。
 クロッカスはもう終わったが、例年通りチオノドクサが咲いてくれているし、こぼれダネで広がったビオラも咲いてくれている。

IMGP0564

IMGP0565

  強引でいい加減っぽい私
 さて、境界がらみの曲は知らないので教会がらみの曲を。

 モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の「教会ソナタ(Kirchensonate)」。全17曲からなるが、作曲年代はバラバラであり、楽器編成も異なる。ただ、いずれの曲も単一楽章である。
 作品についての詳細はこちらをご覧いただければと思う。 

 上の“こちらの記事”のときも紹介した、アランのオルガン、パイヤール/同室内管弦楽団の演奏で。

 1964-65年録音。エラート。
 

四曲中生前日の目を見なかった第1番♪LvB/レオノーレ1

BeethovenOvertureHarnoncourt  漢文みたいなタイトルですまん
 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の歌劇「フィデリオ,または夫婦の愛(Fidelio,oder Die eheliche Liebe)」Op.72には4つの序曲(Ouverture)がある。

 4つのおばちゃん、じゃなくてOuvertureの話の前にこのオペラについてだが、原作はブイイの「レオノーレ,または夫婦の愛」である(レオノーレはドイツ語読み。フランス語だとレオノール、イタリア語だとレオノーラとなる)。


 レオノーレというのは物語の主役である人妻、というか(いや正しいんだけど)奥さんの名前。
 誰の妻かというと、夫の名はフロレスタン。

 彼は無実なのに悪い奴にはめられ政治犯として刑務所に入れられている。夫を助けるためレオノーレは男装してフィデリオと名乗り刑務所に入り込み、みごとに夫を助け出す。


 だから「または夫婦の愛」なのである。
 夫を裏切るアルマに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。
 
  第1,2版のタイトルは実は「レオノーレ」
 ベートーヴェンはオペラの題名を「レオノーレ」とした。
 しかし、1805年11月にウィーンで行われたの初演時のタイトルは「フィデリオ」とされた。ベートーヴェンの本意ではなく劇場側の要請による変更だった。

 というのも、パエール(Ferdinando Paer 1771-1839 イタリア)による「レオノーラ」がドレスデンなどで先に上演されており、劇場としてはお客さんが間違うのを避けたかったのだった。
 曲名変更はベートーヴェンとしてはおもしろくなかっただろうが、加えて初演は不評。弱り目にたたり目、なきっつらに蜂って感じだ。
 そして、このときに作られた序曲が現在では「レオノーレ(Leonore)」序曲第2番Op.72aと呼ばれている作品である。


 不評だったからといってシュンとなってしまうベートーヴェンではない(はずだ)。

 半年も経たない翌年の3月に、3幕だったものを2幕に改訂した版で再演(というか改訂版初演)。
 これはそこそこの成功を収めたという。なぜ初版が失敗で改訂版が成功したのか?

 最初のが長すぎたせいもあるが、何よりその1週間前にフランス軍がウィーンに侵攻してきたせいで、セレブな上客たちが街から逃げてしまったということが最大の原因らしい。不評というか、盛り上がらなかったということのようだ。

 関係ない話だが、先日マチナカで“セレブ治療院”という看板を見かけた。“セフレ治療院”かと一瞬見間違った。世の中、“セレブのためのティッシュ”だの“セレブのためのオシャレな下着”だの紛らわしい表現が多すぎである(というのは考えすぎだろうか?)。


 この改訂版のために書かれた序曲が現在「レオノーレ」序曲第3番Op.72bと呼ばれているものである。


  幻の序曲
 さらにそれに調子に乗った(かどうか知らないが)ベートーヴェンは1807年にプラハで上演するためにまた別の序曲を書いた。プラハ公演は中止になったが、そのときに作った序曲が「レオノーレ」序曲第1番Op.138ではないかと考えられている。


 作られた順に素直に第1→第2→第3と番号がついていないのは、現在第1番と呼ばれている曲がかつては最初に書かれたと考えられていたから(そうじゃなかったら1番と呼ばれないわな)。

 第1番はベートーヴェンの死後、遺品の中から楽譜が発見された。出版されたのが1827年だったため現在では138の作品番号がついている(ベートーヴェンのOp.番号としては最後にあたる)。
 しかし出版の際に、1805年に作曲されたものと誰かが勘違いしてしまったため第1番という番号になったのだった。


  最後は「フィデリオ」で作曲者も承諾
 さて、「レオノーレ」序曲シリーズの3曲について書いてきたが、もう1曲ある。

 それは「フィデリオ」序曲Op.72である。


 ベートーヴェンは1813年からまた手直しに取りかかる。この改訂版は(つまり第3稿にあたる)1814年5月の初演は大成功を収めたという。

 当初は主役の本名がオペラのタイトルであり、ベートーヴェンも「レオノーレ」というタイトルに執着していたようだが、こだわることに疲れたのか気が変わったのかはわからないが、最終改訂稿は男役のときの名前でいいやってことになったわけで(タカラジェンヌみたいね)、だから序曲も「フィデリオ」の序曲ってことになった。


 「フィデリオ」序曲のOp.番号はオペラと同じ72だが、資料によっては72cとなっている場合もある。その辺はどうもスキッとしていない。


 4曲の中では「フィデリオ」序曲と「レオノーレ」序曲第3番が有名だが、へそ曲がりってわけじゃないんだけど私は第1番が好きである。
 なんというか、オペラの序曲らしいのである。

 また最初の2作、すなわち第2番と第3番がオペラの中から素材としている場面と第1番が素材にしている場面とは異なっていて、いっちょ新しいことを試みてみようかっていうベートーヴェンの意欲的な姿勢がうかがい知れる(ような気がしないでもない)。


 アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で。


 1996年ライヴ録音。テルデック。


 で、ご安心ください。
 このCDにはレオノーレの第2番も第3番もフィデリオの序曲も、あるいはほかの序曲も収録されていますので。

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