月曜日である。
今日から荒涼庵の一週間も始まる。
店主は荒涼感あふれる一週間分のメニュー案を土日休みのうちに考えたのだろうか?
先週の月~水のメニューはここに書いたものだったが、木曜、金曜は私も出張に出たために、どのようなメニューだったのかわからない。。
いや、食べたいというのではなく、ご承知のとおり、単に興味本位である。
秋吉課長や大嵐係長に尋ねたらわかるだろうか?
いや、否であろう。
きっと関心ないに違いない。
それどころか、店主に聞いても覚えてない可能性が高いくらいだ。
チャーハンと担担麺を合わせたって3分の2人前だもんね
私はといえば、木曜日は夕方近くから道北の支社の2人と札幌で打ち合わせした。
双方の幸せのために、共に同じくらいの所要時間で来ることができる札幌を舞台に選んだのだ。
夜は3人でESTA10階の四川飯店へ行った。
翌日は血液検査が控えていたので、食べ方も控え目にした。
カニ炒飯と担担麺を食べたが、それだってそれぞれ1人前を3人でシェアした。
それにしても、私にとってはここの担担麺がいちばん好きだ。味もそうだし、麺の盛り付けが美しい。麺の束がきれいにそろって波のように丼の中に横たわっているのである。素麺ではこういう麺の盛り付けを見たことがあるが、中華麺系ではあまりないのではないか?
他に頼んだのは、まずは相手方の1人の希望でレバニラ炒め。
私はレバー炒めは得意としていないが、ここのはまったくクセがなく美味しかった。しかし尿酸値が上がるのを警戒し、肉は2切れに抑えた。
油淋鶏で酢を摂取したし、激辛麻婆豆腐によって代謝を亢進させた。
なお、ここ“ESTA10階 味のテラス”にある四川飯店は、陳健一の赤坂四川飯店とは関係がない(昔は関係があったようだが)。
翌朝は鮭の切り身や玉子焼きといったニッポン的朝食をとり、午前中に2カ月に1度の医者との交流の場をもった。
体重は63.8kg(風袋、つまり衣服分500g差し引き後)で、良好に維持。
血液検査の結果のうち、血糖値とヘモグロビンA1cの値は10数分後にわかる。
待つこと12分。
「福山さん、福山雅治さん。診察室へどうぞ」
私の名が呼ばれた。
医者、結果に興奮す!
いきなり医者が興奮した様子で、「MUUSAN、これは、どうしたの?何かあった?」と言う。
カニ炒飯の画像が頭の中でフラッシュバックする。まずかったか?
ところが、である。
数値は完璧なる健常者のもの。
HbA1cは5.8(基準範囲4.6-6.2)、血糖は107(同78-109)。
誰がどう見ても非難される内容ではない。
医者の「MUUSAN、どうしたの?」は、なんでこんなに良くなったの?いかさましてないか?ってものだったのだ。
「こうなったココロは?」と、ワケはわかるが、ちょいと古くさいギャグで医者は尋ねる。
私は、「食事の最初に野菜をとるように心がけているのと、食べ過ぎないようにしてます」と、いかにもたいしたことしてないんだよ、みたいに答える。
「それで辛いことはない?」
本当は、そば屋でセットメニューを頼めないとかいろいろな辛いことを訴えようかと思ったが、「いえ、ダイジョーブです」と、大人の答えを返した。
そのあとシャツをたくしあげ聴診器をあてられたのだが、そのとき(いつものように)後ろから女性看護師が上げたシャツの裾を持ってくれた。
今回はやや年配の看護師だったが、後頭部の背後で聞こえる息遣いが、なんとも粗い。
はぁ、はぁ、はぁ……
こう書くと彼女が私の肌を見て興奮してしまったように誤解されるかもしれないが、そうではなく肺か心臓が弱ってるんじゃないかと心配になるほどだ。医者は気づいてないのだろうか?そこそこ危険っぽい感じがするのだが、大丈夫だろうか?
小ライスもがまんするこの優等生ぶり
私はといえば、こんな具合に笑顔で医者に別れを告げ、薬をもらい、早めの昼食をとり、次の打ち合わせに向かったが、その昼は、何年かぶりに“菅家”で醤油ラーメンを食べた。
菅家のラーメンは、現時点では私がいちばん美味しいと思ってるラーメン屋である。
検査・診察のあとだったので、ここはひとつ小ライスも頼もうかと思ったが、そこはがまんしラーメンだけにした。あるいは、柄でもなく野菜醤油ラーメンにしようかとも考えたが、身分をわきまえてそれもやめた。
食べ終わったあと、やっぱり小ライスも頼めばよかったと、プチ後悔した。
波打つ麺や息苦しそうな看護師さんにちなみ、今日もクープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の曲を。「第5組曲(Ordre No.5)」である。
1713年刊の「クラヴサン曲集第1巻(Pieces de clavecin premier livre)」に収められている最後の組曲で、13曲からなる。
1. ロジヴィエール(アルマンド)(La Logiviere(Allemande))
2. クラント1,2(Courante 1,2)
3. 危険な女(サラバンド)(La dangereuse(Sarabande))
4. ジグ(Gique)
5. かわいい頭巾(La tendre fanchon)
6. おどけた女(La badine)
7. 髪の油(バンドリン)(La bandoline)
8. 花の女神(La Flore)
9. 天使のような女(L'angelique)
10. ヴィレールの奥方(La Villers)
11. ぶどう摘みの女たち(Les vendangeuses)
12. 装飾(Les agremens)
13. 波(Les ondes)
今日は、たまには気分を変えてモロニーの演奏を。
ボーモンよりも力強い傾向の演奏。個人的にはボーモンの方が好きだけど……
録音年の記載なし。2012年リリース。
Plectra Music。
もうすぐ鍋物の季節だ。
マロニーちゃんが登場する場面も増えるだろう。