新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は自宅庭で咲いた「レディ エマ ハミルトン(2024年6月22日撮影)。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

“OCNブログ人”時代の過去記事(~2014年6月)へは左の旧館入口からどうぞ!

2015/08

尋ねられた辛さって、疲れやすさとかのことだろうけど♪クープラン/第5組曲

CouperinOrdreMoroney  今日の私の予想は“イカチリ”にコロッケ……
 月曜日である。

 今日から荒涼庵の一週間も始まる。
 店主は荒涼感あふれる一週間分のメニュー案を土日休みのうちに考えたのだろうか?

 先週の月~水のメニューはここに書いたものだったが、木曜、金曜は私も出張に出たために、どのようなメニューだったのかわからない。。
 いや、食べたいというのではなく、ご承知のとおり、単に興味本位である。

 秋吉課長や大嵐係長に尋ねたらわかるだろうか?
 いや、否であろう。
 きっと関心ないに違いない。
 それどころか、店主に聞いても覚えてない可能性が高いくらいだ。

  チャーハンと担担麺を合わせたって3分の2人前だもんね
 私はといえば、木曜日は夕方近くから道北の支社の2人と札幌で打ち合わせした。
 双方の幸せのために、共に同じくらいの所要時間で来ることができる札幌を舞台に選んだのだ。

 夜は3人でESTA10階の四川飯店へ行った。
 翌日は血液検査が控えていたので、食べ方も控え目にした。
 カニ炒飯と担担麺を食べたが、それだってそれぞれ1人前を3人でシェアした。

 それにしても、私にとってはここの担担麺がいちばん好きだ。味もそうだし、麺の盛り付けが美しい。麺の束がきれいにそろって波のように丼の中に横たわっているのである。素麺ではこういう麺の盛り付けを見たことがあるが、中華麺系ではあまりないのではないか?

 他に頼んだのは、まずは相手方の1人の希望でレバニラ炒め。
 私はレバー炒めは得意としていないが、ここのはまったくクセがなく美味しかった。しかし尿酸値が上がるのを警戒し、肉は2切れに抑えた。
 油淋鶏で酢を摂取したし、激辛麻婆豆腐によって代謝を亢進させた。

 なお、ここ“ESTA10階 味のテラス”にある四川飯店は、陳健一の赤坂四川飯店とは関係がない(昔は関係があったようだが)。

 翌朝は鮭の切り身や玉子焼きといったニッポン的朝食をとり、午前中に2カ月に1度の医者との交流の場をもった。

 体重は63.8kg(風袋、つまり衣服分500g差し引き後)で、良好に維持。
 血液検査の結果のうち、血糖値とヘモグロビンA1cの値は10数分後にわかる。

 待つこと12分。
 「福山さん、福山雅治さん。診察室へどうぞ」 
 私の名が呼ばれた。

  医者、結果に興奮す!
 いきなり医者が興奮した様子で、「MUUSAN、これは、どうしたの?何かあった?」と言う。
 カニ炒飯の画像が頭の中でフラッシュバックする。まずかったか?

 ところが、である。
 数値は完璧なる健常者のもの。

 HbA1cは5.8(基準範囲4.6-6.2)、血糖は107(同78-109)。
 誰がどう見ても非難される内容ではない。
 医者の「MUUSAN、どうしたの?」は、なんでこんなに良くなったの?いかさましてないか?ってものだったのだ。

 「こうなったココロは?」と、ワケはわかるが、ちょいと古くさいギャグで医者は尋ねる。
 私は、「食事の最初に野菜をとるように心がけているのと、食べ過ぎないようにしてます」と、いかにもたいしたことしてないんだよ、みたいに答える。

 「それで辛いことはない?」
 本当は、そば屋でセットメニューを頼めないとかいろいろな辛いことを訴えようかと思ったが、「いえ、ダイジョーブです」と、大人の答えを返した。

 そのあとシャツをたくしあげ聴診器をあてられたのだが、そのとき(いつものように)後ろから女性看護師が上げたシャツの裾を持ってくれた。
 今回はやや年配の看護師だったが、後頭部の背後で聞こえる息遣いが、なんとも粗い。

 はぁ、はぁ、はぁ……

 こう書くと彼女が私の肌を見て興奮してしまったように誤解されるかもしれないが、そうではなく肺か心臓が弱ってるんじゃないかと心配になるほどだ。医者は気づいてないのだろうか?そこそこ危険っぽい感じがするのだが、大丈夫だろうか?

  小ライスもがまんするこの優等生ぶり
 私はといえば、こんな具合に笑顔で医者に別れを告げ、薬をもらい、早めの昼食をとり、次の打ち合わせに向かったが、その昼は、何年かぶりに“菅家”で醤油ラーメンを食べた。

 菅家のラーメンは、現時点では私がいちばん美味しいと思ってるラーメン屋である。
 検査・診察のあとだったので、ここはひとつ小ライスも頼もうかと思ったが、そこはがまんしラーメンだけにした。あるいは、柄でもなく野菜醤油ラーメンにしようかとも考えたが、身分をわきまえてそれもやめた。
 食べ終わったあと、やっぱり小ライスも頼めばよかったと、プチ後悔した。

 波打つ麺や息苦しそうな看護師さんにちなみ、今日もクープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の曲を。「第5組曲(Ordre No.5)」である。

 1713年刊の「クラヴサン曲集第1巻(Pieces de clavecin premier livre)」に収められている最後の組曲で、13曲からなる。

 1. ロジヴィエール(アルマンド)(La Logiviere(Allemande))
 2. クラント1,2(Courante 1,2)
 3. 危険な女(サラバンド)(La dangereuse(Sarabande))
 4. ジグ(Gique)
 5. かわいい頭巾(La tendre fanchon)
 6. おどけた女(La badine)
 7. 髪の油(バンドリン)(La bandoline)
 8. 花の女神(La Flore)
 9. 天使のような女(L'angelique)
 10. ヴィレールの奥方(La Villers)
 11. ぶどう摘みの女たち(Les vendangeuses)
 12. 装飾(Les agremens)
 13. 波(Les ondes)

 今日は、たまには気分を変えてモロニーの演奏を。
 ボーモンよりも力強い傾向の演奏。個人的にはボーモンの方が好きだけど……

 録音年の記載なし。2012年リリース。
 Plectra Music。

 もうすぐ鍋物の季節だ。
 マロニーちゃんが登場する場面も増えるだろう。

女かどうか、トゲかどうかわからないが……♪クープラン/第26組曲

20150829Conrad  ひどいトゲがあるドイツ生まれの……
 庭のバラはいまが第2シーズンを迎えている。

 もちろん、一季咲きのバラはもう咲くことがないが、四季咲きのバラは初夏のときほどではないにせよ、それぞれ花をつけている。私のために……

 しかし、今年のMy Roseたちには黒星病が流行している。
 そんなもの流行ってほしくないのだが、こまめに殺菌剤を散布できなかったせいだろう。あちこちで汚らしい葉が目立つ。一方で、うどんこ病はあまり発生していない。
 うどんよりもそば、そばよりもラーメンが好きな私としては精神衛生上、ややよろしい状況だ。

 二季咲き品種である“コンラッド・フェルディナント・マイヤー”(Conrad Ferdinand Meyer 1899 ドイツ・Muller)は現在つぼみを持っていない状態。
 アーチに絡ませているのだが、あまりに生育旺盛なので思いきって枝を整理することにした。

 しかし、この決断は勇気がいることだった。
 というのも彼女、花はきれいなのに、とにかく恐ろしいまでのトゲを身にまとっているからだ。
 出血覚悟の作業である。

  なんでここまでトゲをまとうのか?
 革の手袋をつけていても、しばしばそれを貫いて手に痛みが走る。
 が、それでもケガをせずに大剪定作業は進んだ(ごみ収集の方々、ぜひ気をつけてください)。

20150829Yubi が、残した枝をアーチに誘引する作業のとき、やっちまった。
 麻ひもで枝を結びつけるわけで、革の手袋をつけたままでは結ぶことができない。[ぼっこ手袋』でキーボードを打てないのと一緒だ。

 なので素手で作業するわけだが、そのとき押さえつけるのに失敗しピョンと枝がはね、右手人差し指の第1関節に当たったのだった。

 いっつぅぅぅ~。

 そして、血がにじんだかと思うと、あっという間に赤玉状態に。
 前日、血液検査で採血したばかりなので貧血で倒れてしまうかと思いきや、幸いにもそうはならなかった。

 でも、こういう傷は誘引作業時にしょっちゅう負っている。
 だから「ボク、痛いのガマンする」と作業を続けたのだが、1時間ほどすると指を曲げられないくらいの痛みになった。

 いつもと違う。
 おかしい……(笑ったわけではない)
 ただトゲで傷つき血が出ただけではないようだ。

 見ると、指が腫れている。
 えっ?腫れてるようには見えないって?そうかもしれない。でも腫れてるような気がする。

 さらによくみると、トゲが刺さった所とは別な箇所に、何か刺されたような跡が……
 写真の青い矢印のところがトゲで傷ついた箇所(わかりにくいが真ん中あたり)、赤い矢印の先が問題の跡である。

CouperinOrdreCompBaumont  痔にも効くらしいというのに……
 この痛み、腫れは、わずかなスキに虫に刺されたものではないかという結論に達した。
 自宅にはそれらしい薬はオロナイン軟膏しかなかったので、それを塗る。

 でも、よく見ると、オロナイン軟膏って痔だのいんきん、たむし、さらには水虫(ただし、“じゅくじゅくしていないもの”に限るようだ)に効くらしいのに、虫刺されとは効能書きに一言も書かれていない。

 というわけで、気休めにマキロンを塗って、痛みに顔をゆがめながらこの文を書いている。

 いえ、ウソをついてしまいました。
 ウチにあったのはマキロンというブランド品ではなく、“マッキンα”って薬だった。

  で、ソフィって何?どこ?誰?
 クープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の「第26組曲(Ordre No.26)」。

 1730年刊の「クラヴサン曲集第4巻(Pieces de clavecin quatrieme livre)」に含まれるこの組曲は、次の5曲からなる。

 1. 病み上がりの女(La convalescente)
 2. ガヴォット(Gavotte)
 3. ソフィ(La Sophie)
 4. とげのある女(L'epineuse)
 5. パントマイム(La pantomime)

20150819SweetJuliet なるほど、病み上がりの女性とか、腹立たしいトゲのある女ってのは、音楽で表現するとこうなるわけね、クープラン的には。

 ボーモンの演奏で。

 1991年録音。ワーナー。

 下の写真は“スウィート・ジュリエット”(Sweet Juliet 1989 イギリス・David Austin)。
 ティーローズの強い香りが実に魅惑的なバラだ。
 トゲもとても少ないし。

無名なのに一度聴くと病みつきに!♪シュニトケ/無名の俳優の物語

SchnittkeFilm2  読み落とした私が悪い
 先日「スポーツ、スポーツ、スポーツ」と「歯科医の冒険」という、ほとんど一般ならびに、この特別なMUUSANにも知られていない曲を取り上げた。

 私は“虫の知らせ”でこの曲、CDの存在を知ることになったが、まぁま、奥様、なんて素敵な音楽なんでしょう!

 このアルバム、私にとって今年いちばんの収穫になる可能性もある。当面のライバルはP.M.デイヴィスの「復活」である。

 あぁ、うれしい悲鳴ですこと!

 今日はそのシュニトケ(Alfred Garrievich Schnittke 1934-98 ロシア→ドイツ)の「映画音楽集」から、CD1に収められている「無名の俳優の物語(The story of an unknown actor)」(1976)と「人民委員(The Commissar)」(1967/第2版1987)。

 久しぶりに開いたのだが、アレクアンドル・イヴァシキン編「シュニトケとの対話」(秋元里予訳:春秋社)の巻末には、出版時点での“作品ディスク目録”が載っている。

 それによると、“長編劇映画”でシュニトケが最初に音楽を手がけたのは1963年の「突撃」(監督:タランキン。以下同)。
 次いで1965年の「歯科医の冒険」(クリモフ)が書かれる。

 以降、「冗談」(1966.スミルノフ)、「人民委員」(1967。アストロニコフ)、「天使」(1968。スミルノフ)と続くが、今日取り上げる「無名の俳優の物語」はそのずっとあとの1976年の作である。

 にしても、この“作品ディスク目録”には小さな文字ですでにストロベル(シュトローベル)のディスクがあることが記載されている(セットではなく分売時のもの)。

 なんで見落としたのか?
 どうして、これまでこれらのCDに目がいかなかったのか?


 村上春樹の小説のなかで確か主人公がこんなことを言っていた。僕はいつも肝心なことを忘れてしまう、って(確かめたわけじゃないので、ちょっと違うかもしれないけど)。
 やれやれ。私も大切なことを見落としていた。


  失敗作だなんて……
 この本の70pで、シュニトケは次のように語っている。

 映画界に入って、初めの映画では特別なことをしませんでしたが、次のは4作シリーズの探偵ものだったので、毎回何か特別なことをやらなければなりませんでした。そこで僕は「ポーランド的」テクニックをかなりたくさん試してみました。トーンクラスター[ピアノの鍵盤を手や腕で音の塊として弾く技法。密集音塊]、アレアトリー[演奏を奏者の自由に任せることで、そこから生ずるずれや意外な対位法、不協和音などから面白い効果を生み出す技法]、ポリリズム[異なるリズムを同時に演奏する技法]、オスティナート[同じ低音を反復する技法]。どれも非常に幼稚でしたが、僕の失敗作にはちょうどお似合いだったかもしれませんね。

 映画のタイトルだけ見ても、果たしてそれが探偵シリーズなのかどうかわからないが、第2作目から順に4本となると、それらは「歯科医の冒険」「冗談」「人民委員」「天使」ってことになる。実際のところ、どうなんでしょうね?
 1964年にはテレビ映画「弾幕を俺たちに向けさせよう」(コロソフ)の音楽も書いているが、それも探偵シリーズだったのかもしれない。名前的にも。


 さて、シュニトケの映画音楽としては初期にあたる「人民委員」だが、このCDでは以下の11曲が収められている。

 1.  Wawilowa's City Walk
 2. Wedding
 3. Attack
 4. Game
 5. Entering the city
 6. Love
 7. Cellar
 8. Rain
 9. Dream
 10. Trek of the damned
 11. Conclusion

 確かにこの曲では、シュニトケが語っている“「ポーランド的」テクニック”というものがしばしば現れる。オスティナートや音の塊がときに激しく表出される。まるでゴジラが出て来るのではないかというような曲もある。
 ただしさほど“前衛ゼンエイ”しているわけではない(それが本人が幼稚と言っていることなのか?)。
 そんなことより、第1曲冒頭で現われ、全曲を支配する切ないメロディー。実に心にしみる!

  何の歌に似ているのか思い出すのに苦労しました
 一方、「無名の俳優の物語」は、

 1. Title music
 2. Sledge
 3. Trip
 4. Waltz(Farewell)
 5. Theme and march
 6. Finale

の6曲が収められている。

 このタイトル、つまり第1曲がこの上なく美しい。
 2曲目からはこれまた一度聴いたら忘れがたいメロディーが変化(へんげ)していく。第3曲では太田裕美のヒット曲「九月の雨」の“♪ 愛はこんなに辛いものなら 私ひとりで生きていけない”のフレーズを思い出せるメロディーも登場する。
 フィナーレは第1曲同様に、これまた実に美しい。

 こんな曲があったことを知らないで生きてきたなんて、これまで大損こいてきた思いにさいなまれる。

 シュトローベル指揮ベルリン放送交響楽団の演奏はとても満足のゆく出来栄え。録音も良い。

 2002-03録音。カプリッチョ。

 ところで、今日載せた写真は前回と違うことに気づかれただろうか?

 えっ、わかんない?

 そりゃ、病気にとりつかれているかも。

 

あのころはキョンキョンも少女だった♪ショパン/革命のエチュード

OTV  沖縄テレビとは関係ありません
 先日自宅の本棚の奥から「OTV」が出てきた。

 ホイチョイ・プロダクションによる、(当時の)さまざまなテレビ番組に突っ込みを入れた本である(ダイヤモンド社)。
 この本、同じホイチョイの「気まぐれコンセプト」とともに、非常に面白くて何度も読んだ。

 当時っていつかって?
 昭和60年ころのことである。
 「気まぐれコンセプト」は誰かに貸して、それっきり帰らぬ本となってしまった。残念である。

 例えば“企業ドラマ”に対し、ホイチョイ・スタッフはこう指摘する。

  生活感のないマンションの部屋
 企業ドラマにおけるエリート・ビジネスマンの夜の過ごし方のパターン:
 何故か必ずガウンを着て(ジーパンにセーターなどといういでたちであったためしが無い)ブランデーをなめながら、TVを見るでも無く、本を読むでも無く、マンションの窓の外の景色を見つめながら物思いにふける。


 田村正和演じるエリートなんか、まさにこんなんだった。
 私なんかは、誰が洗い物をするのかなと思って観てたけど。

  寝坊じゃサマにならない
 NHKのドキュメンタリー番組だと、

 ・(朝に)出て来るヒトは、何故か例外なく早起きで、白い息を吐き、霜柱を踏みながら、表に出ていく習性がある。
 ・登場人物は、問題が起こると、決まって車座の話し合いで解決する。

 ニュースの場合は、“事故現場を訪れた遺族は、必ず「悲しみを新たに」するし、火事はいつでも「折からの強風に煽られ」る”。“8月の第一日曜日のニュースは、必ず「夏休みに入って最初の日曜日の今日…」で始まり、街のイベントのニュースは、「道行く人も、足をとめて見入っていました」で結ばれる”のである。

 どうです?テレビの制作側もある程度進歩したかもしれないが、今でも当てはまることが少なくないのでは?

 私はニュース、特にNHKので感じるのは、何かが起こり、その件について大学教授や評論家といったその分野の専門家をインタビューする映像のとき、最初は必ずといっていいほどその人がパソコンに向かっているところ。

 変化がないんだよなぁ。
 で、その画面がゲームとかだったら面白いのに……

  うわっ、最新のエアーポットだ。うっれしいなぁ~
 すっかり数が少なくなったクイズ番組。
 芸能人が解答者のクイズ番組に対しては、

 クイズ・ダービーのはらたいら、ヒントでピントのかつての小林亜星のように、ここぞというとき奇跡のように難問を解く解答者が必ず1人いるというのも、共通のパターンだ。一般視聴者参加クイズと違い、勝ちチームに与えられる賞品は、象印ポットくらいがせきの山だが、ふだん派手な生活をしている芸能人たちが、ポットを貰ったくらいであれほど大喜びしてみせるのは、不気味である。

 副賞でもう一つ、やたらと聞くのが、「酒田時計貿易提供のラドーの高級腕時計をペアで差し上げます」というフレーズ。ラドーは、よっぽど、在庫がたまっているのだろうか?

と疑問を呈している。

 確かに出演者は象印賞を貰うときひどく喜んでいた。

 腕時計だと、ラドーと争うように提供されていたのがテクノス。
 ラドーってあまり聞かなくなったけど、テクノスはいまでも輸入小物雑貨の店で売っている。もちろん時計屋でも。それも1万円くらいで。当時の10分の1以下の値段だと思う。

  東家っていってもそば屋じゃありません
 スポーツ根性ドラマの章では、大映テレビの“怪進撃”について紙面を割いている。

 大映テレビというのは、主人公演じる堀ちえみが客室乗務訓練中にいきなり阿波踊りを踊りだす「スチューワーデス物語」や、下に述べるような「少女に何が起ったか」といった、ありえない日常行動を真面目に演じる場面が特徴だった。

OTVkyonkyon ……この独り言は、番組の展開が複雑になるにつれて、状況を説明する修飾語が次々にくっつき、どこまでも長くなる傾向にある。例えば、少女に何が起ったかのキョンキョン。彼女の役は、一流のピアニストを目指す音大生で、ピアノの演奏場面がちょくちょくあるのだが、この娘は、いったんピアノに向かうと、最低、下の台詞くらいは天井に向かって言わないと、弾き始めない。あまり家の中に置いておきたくない性格の娘だが、彼女がこの独り言をやめてしまうと、見ている方は、ストーリーがよくわからなくなってしまう。

 “下の台詞くらいは”ということは、実際の番組のセリフとは異なるのかもしれないが、載せたページのように長々とブツブツ言うわけだ。セリフを覚えるのも大変だったろうに……

 抜海っていうのが、またマニアック。
 抜海は稚内市にある地区名だが、いまの世の中なら、「落ちのびる」なんて表現は街をバカにするなと問題になるかもしれない。

 でもね、雪ちゃんはお熱あるのよ、きっと。
 だから大目に見てあげてね。

ChopnEtudesGav  作り話だったようで……
 そんなわけで、ショパン(Frederic Francois Chopin 1810-49 ポーランド)の練習曲第12番ハ短調Op.10-12「革命」。

 ショパンはピアノのための「練習曲(Etudes)」を27曲残している。
 第1番から第12番までが1833年出版の第1巻(Op.10)。第13番から第24番までは1837年出版の第2巻(Op.25)。第25番から第27番までの3曲は1839年の作である。

 今日は第1巻と第2巻の24曲を収めたガブリーロフの演奏を。

 っていうか、このCD以外、まとまって「練習曲」を聴いたことがないというのが私の実態である(一応、このCDは“レコード芸術”で推薦盤となっていた)。

 1985-87年録音。EMI。

 なお、この「革命」というのは、ポーランドなどで1831年に起こったロシアの支配に対する反乱のこと。
 これに対しロシアはワルシャワに侵攻。革命は失敗に終わった。

 体が弱かったショパンはこの反乱に参加できず、この「革命」のエチュードなどに怒りの感情を込めたとされる。が、現在では、それは作り話だと考えられている。
 なお、「革命」のタイトルは、リストがつけたという。

最後に再び登場ってのに弱いんです♪ハイドン/Sym31

HaydnSymsDorati  “狩場”ってねぇ……
 ハイドン(Franz Joseph Haydn 1732-1809 オーストリア)の交響曲第31番ニ長調Hob.Ⅰ-31(1765)。

 ホルンが4本用いられており、そのファンファーレが多いことから「ホルン信号(Mit dem Hornsignal)」の愛称をもつ。また、「クラシック音楽作品名辞典」(三省堂)では、さらに「狩場にて(Auf dem Anstand)」の別名も記載されている。

 ハイドンの交響曲のなかには、ホルンの数が通常の倍の4本用いたものが何曲かあるが、この曲はエステルハージ侯のオーケストラに新たに加わった2人のホルン奏者へ歓迎の意味を込めて書かれたとされている。そのなかでもこの31番はかなり演奏が難しいホルンのパッセージがあるという。確かに聴いててハラハラ感がある。

 第1楽章の第1主題はソロのホルンによって示される郵便のホルンだが、モーツァルトの「3つのドイツ舞曲」K.605を思い出させる。
 もちろん、それだけではなく随所で活躍するホルンがスリリングかつ心地良いのだが、曲の最後に冒頭の郵便ホルンのモティーフが再び現れるところは、私の心をくすぐる。

 伊福部昭の「ラウダ・コンチェルタータ」を初めて聴いたときも、まずいちばん感動したのは冒頭のメロディーが最後に力強く再び現れたことだった。

 循環型気質なのかしら、アタシ……

 私が聴いているのはドラティ/フィルハーモニア・フンガリカによる演奏のもの。
 
 31番の録音は1971年。LONDON(デッカ)。

  今週の荒涼庵
 まだ週の半ばだが、今日から私は出張につき、月曜日から昨日までの、相変わらずしつこく続いている、バイキングのメニューを紹介しておこう。

Kouryouan0824 月曜日。
 チキンピカタ、ホイコーロー、ミートボール、ウインナー炒め、マカロニサラダ

 出血大サービスってものだ。
 この肉々しさ、す、すごい……。パパはニコニコ、坊や万歳!力士はごっつぁんです、って感じだ。
 あまりにすごいので信じない人がいるかもしれない。
 だからこっそり、かつ、あわてて撮った証拠を載せておこう(心霊写真のようにブレててすまない)。
 
 火曜日。
 から揚げ、ラーメンサラダ、いか天、冷やっこ

 何のから揚げかは知らないが(常識的に考えると鶏だろう)、それにいか天ってのが斬新。
 口直しに冷やっこを用意する優しさも感じられる。

 水曜日。
 焼魚、カキフライ、玉子焼、冷そば、サラダ

 冷そばって、もりそばみたいなものなんだろうか?
 が、月曜日と比べると、この日はハズレって感じ。

 えっ?ワタシ?

 月曜日は近くのカフェで日替わりの鶏の味噌焼き定食、火曜日は道東唯一の百貨店の地下にあるイートインコーナーで天丼、昨日は珍宝楼でいつもどおり担担麺+小ライス。

 食べ過ぎだって?
 いえ、最近は昼に重点を置いてるんです。
 夜は控え目に、朝はさらに控え目にしています。

 金曜日、恒例の採血検査を控えている……

実は大人のための音楽♪シューマン/子供の情景(by ラ・サール)

SchumannSalle  子供っぽいって言われて、実は喜んでたりして
 シューマン(Robert Schumnn 1810-56 ドイツ)の「子供の情景(Kinderszenen)」Op.15(1838)。

 13曲からなるピアノ曲で、第7曲「トロイメライ(夢想)」は特に有名だ。

  1. 見知らぬ国と人びとから(Von fremden Landern und Menschen)
  2. 不思議なお話(Curiose Geschichte)
  3. 鬼ごっこ(Hasche-Mann)
  4. ねだる子供(Bittendes Kind)
  5. 満足(Gluckes genug)
  6. 重大な出来事(Wichtige Begebenheit)
  7. トロイメライ(Traumerei)
  8. 炉端で(Am Camin)
  9. 木馬の騎士(Ritter vom Steckenpferd)
 10. むきになって(Fast zu ernst)
 11. こわがらせ(Furchtenmachen)
 12. 眠っている子供(Kind im Einschlummern)
 13. 詩人のお話(Der Dichter spricht)

 この曲についてシューマンは、クララに宛てた手紙で、「前にあなたは私のことを子供っぽいと言いましたが、そのことが自分の気持ちの中で引っかかっていました。でも、それを生かしてみようと思い、30曲ほどの小品を書いてみました。そのなかから12曲を選んで『子供の情景』という題をつけました」といったことを書いている。

 ここでは12曲選んだと書かれているが、出版の際にはもう1曲加えられ、13曲となった。

  私には音名まではわかりませんが、そういうことらしいです
 このように「子供の情景」は子供の姿を描いたものではなく、あるいは子供のピアノ練習曲ではなく、子供のころの気持ちにかえって作曲した作品である。
 
 なお、各曲には調的な関連があり、ほとんどの曲が第1曲冒頭に現われる音型(G-Fis-E-D)を用いている。

 彼女の瞳のように澄んだ、しかし温かな情感があるラ・サールの演奏を。

 2013年録音。naive。

送り込まれたソヴィエト兵は人柱?♪ラフマニノフ/ヴォカリーズ

Rachmanivov2NXS  まだ終戦記念日前?
 いま、浅田次郎の「日本の「運命」について語ろう」(幻冬舎)を読んでいる(電子書籍)。

 本来なら終戦記念日前に読んだ方が良かったのかもしれないが、来年の終戦記念日の前だということで良しとしよう。

 浅田氏は「終わらざる夏」で(集英社文庫)、終戦したにもかかわらず千島列島の占守島にソヴィエト軍が攻め込んできたことを書いているが、この小説を読んでもちょっとわからなかったことが、本書を読むと理解できる。推測ではあるが、なぜ日本がポツダム宣言を受諾したあとにソヴィエト軍が侵攻してきたのか。そして、小説のなかでなぜソヴィエトの軍人の視点での描写があるのか、が。


  敵国の音楽だからけしからん? 
 これまた古い話で恐縮だが、7月後半からテレビで“「DVD 日本の戦争」、8月3日まで」というコマーシャルがずいぶんと流れていた。

 どれぐらい売れたのかはともかく、このコマーシャルで使われていた、しんみりする、けど美しい音楽は、ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov 1873-1943 ロシア)の「ヴォカリーズ(Vocalise)」Op.34-14である。

 ここに書いたように、もともとは歌曲。「14の歌曲」Op.34(1912/改訂'15)の第14曲を作曲者自身が管弦楽編曲した(あまりに有名な曲なので、他にも多数の編曲版がある)。

 今日はスラットキン/デトロイト交響楽団の演奏で。

 2009年ライヴ録音。ナクソス。

 日本の戦争のDVDのCMに、になぜ最後の最後に攻め入って来たソヴィエトの曲を使うのか!とお怒りになる方もいたかもしれない。ほとんどいないと思うけど。

 でも、コマーシャルを作った側はそこまで考えてないと思うし、郷愁をそそる「ヴォカリーズ」のメロディーはぴったりだったと思う。あれで軍艦マーチなんか流されたもんなら興ざめはなはだしいだろうから。

カブトムシ、ウソつかない♪シュニトケ/歯科医の冒険,スポーツ×3

SchnittkeFilm  多様主義を平易に
 シュニトケ(Alfred Garrievich Schnittke 1934-98 ロシア→ドイツ)の「スポーツ、スポーツ、スポーツ(Sport, Sport, Sport)」(1970)と「歯科医の冒険(Adventures of Dentist)」(1965)。

 ともに同名の映画音楽から組曲に編まれたもの。
 
 何年前のことだったか記憶が貞子定かでない、どころか迷宮入りしてしまっているが、浅田真央がシュニトケの「タンゴ」を演技に使ったことがあった。

 その曲はここに書いているようにコンチェルト・グロッソ第1番」の第5楽章だが、演技で同じ箇所のメロディーを繰り返し使っているのとは違い、原曲の方は、映画「レイダース」の最後でナチスのお偉いさんの顔が一瞬にして溶け落ちるがごとく、すぐにグロテスクなものへと変貌していく。

 そんな寸止め的欲求不満のおまたあなたも、このアルバムでスッキリ。

 あの「タンゴ」のメロディーはこれら2つの組曲に含まれていないが、シュニトケの心地良い、あるいはエキサイティングな聴きやすいメロディーが続き、シュニトケ・ワールドを堪能できる。
 
  カブトムシの誘惑
 あれはお盆のことだった。
 この曲をお聴きあれ!と自称・カブトムシこと本称“ぶっちさん”がコメントを寄せて来たのは……

 シュニトケ好きのMUUSANさんにぜひオススメしなくては・・・と夜の光に吸い寄せられるカブトムシのようにやってまいりました。
 これなんですが・・・。
 以前、シュニトケの「古い様式による組曲」という作品が、あまりにも美しいと話題になったことがありますが、実はあれ、この映画音楽集の中の「歯科医の冒険」から取られたもの。そんなこんなで、へんちくりんな曲ばかりです。「スポーツ・スポーツ・スポーツ」の第4曲目なんて七転八倒の騒ぎですし・・・。

 実際のコメントでは、「これなんですが」のあとにタワレコのこのCDが紹介されているURLが載っていた。
 そして、私は誘惑に負けた。

  気難しくないシュニトケが楽しめる
 発売・販売元であるナクソス・ジャパンによると、

 当時の作曲家たちの例にもれず、シュニトケも1960年代前半から1980年代までは、とにかくサウンド・トラックを書いていました。その数およそ60作品! しかし、そのほとんどはKGBの手で葬り去られてしまい、現在では、このシュトローベル編のような、他の作曲家が編曲した物を聴くことで、当時を推測する他なくなってしまったのは残念なことです。ここに収録された2曲のサウンド・トラックはどちらも名監督エレム・クリモフの映画で、「スポーツ~」は何とも古典的な人を食った感じの曲が並びます。妙になまめかしいメヌエットや、いかにもドキュメンタリーチックな緊迫感溢れる音楽(スパイ映画にもあいそう)です。興味深い曲ばかりです。「歯科医」はもっと古典的な音楽です。フィナーレのお気楽過ぎるメロディは、逆に郷愁を誘います。

 自分が診察を受けているときに、歯科医が「ここはひとつ冒険してみっか」なんてノリで治療を始めたら勘弁だが、さて、この映画の筋は果たしてどんなものなんでしょうね?

 組曲「歯科医の冒険」はバロック期の組曲がロシアの息を吹き込まれて近代的にリニューアルされたような趣き。
 9曲からなる。
 第2曲は交響曲第1番第2楽章前半部のメロディーだが、交響曲とは異なり、楽しいメロディーを邪魔するように金管などが介入してくることはない。邪魔物におびえずに終始安心していられる。

 「スポーツ、スポーツ、スポーツ」は5曲からなる。
 ぶっちさんが書いている第4曲では、チャイコフスキーの交響曲第5番第1楽章のメロディーがストリート・ミュージック風に現われたり、「ダバダバダ」っていう有名なメロディーが出てきたり(有名なのに私は曲名を知らない)で、意表を突いてくる。

 ぶっちさんが紹介してくれたのは4枚組のシュニトケ・フィルム・ミュージック集。
 それぞれ単売もされているが、セットの方が断然お得である(ただし、単売盤はSACDハイブリッド)。
 
  ネタバレしちゃった?……
 セットについての、ナクソス・ジャパンのセールス・トークは、
 
 好きな人はすごく好きだけど、知らない人は全く知らないというシュニトケ(1934-1998)の映画音楽集。この4枚組は多彩なメロディの宝庫なのです。昨年、あるアルバムに収録された「古風な組曲」。こちらはバロック風な様式を取り込んだとても美しいもので、「シュニトケにこんな美しい作品があったとは!」と話題になったのですが、実はこの組曲はもともと「歯科医の冒険」組曲から改編されたものですし、「無名の俳優の物語」のアジタートはフィギュア・スケートでも使われたりしています。「スポーツ、スポーツ、スポーツ」でもあっと驚くような仕掛けがされていたりと、面白い曲ばかりなのです。あのショスタコーヴィチが映画音楽では見事に大衆に迎合した作品を書いていたように、シュニトケもステキな曲を書いていたのです。ぜひご一聴ください。

 というもの。

 あっ、「スポーツ、スポーツ、スポーツ」の仕掛け、書いちまった。

 上にあげた2曲ともシュトローベルの編曲による。

 シュトローベル指揮ベルリン放送交響楽団。
 2004-05年録音。カプリッチョ。

親子関係3話♪R.シュトラウス/hrn協1(byストランスキー&プレヴィン)

StraussRHornCon  他人親子,または祖父と孫
 このところ、これでもかっ!ってくらい東京ミネルヴァ法律事務所の過払い金返還のコマーシャルがテレビで流れている。

 洗練されているとは言い難いとぼけた顔の、けど人が善いとも思えない弁護士が、記者会見で質問に答えるというものだ。

 あの顔、見たくないわぁ~。

 コマーシャルの中で弁護士に質問している女性記者も、良く見ると顔が弁護士に似てなくもない。

 親子かっ?

 弁護士事務所の過払い金返還のCMが盛んに流れ始めたのは、いまから10年くらい前のことだと思う。
 最初に派手にやり始めたのはアディーレだろう。超都会的な、というかケバい化粧の女性弁護士が出ていた。その篠田弁護士だかはいまだに出演しているようだが、さすがにふつうの化粧になっている。にしても、ずいぶんな変遷で、一時期、どれがホントの顔だかわかんなかった。

 ひっどくぎこちなく歩いているスーツ姿の男(これが弁護士)を撮ったのを流していたのは、ミライオだっけか?
 弁護士って出たがりなのか?それとも制作費を抑えて、放映料に向けているのか?

 で、聞くところによると、その10年位前、当時テレビ局は“過払いバブル”だったそうだ。
 つまり、この手のコマーシャルの放映がガンガン入って来て、苦労してスポンサーを探さなくてもいい。とっても良い収入源でだったというのだ。
 しかし、それは長くは続かないだろうとも言われた。
 かつての勢いは無くなったのかもしれないが、しかし、まだ流れ続けている。

 相談して助かった人もたくさんいるのだろうけど、毎日毎日大量のコマーシャルを目にすると、なんでここまで?って感じる。相談者、弁護士双方がWinの結果に終わるばかりなのだろうか?

 さらに近ごろは肝炎の還付金がどうたらこうたらという、おや政府広報かなと思いきや、実は弁護士事務所のCMっつーのも流れている。
 病人を食いものに?
 よくわからないが、そんな感じにとらわれる。

 考えてみれば弁護士事務所のCMが盛んに流れるようになった少し前は、「ソウダンです!」なんて、貸す方のCMが盛んに流れていたんだけど……

  音楽家親子
 R.シュトラウス(Richard Strauss 1864-1949 ドイツ)のホルン協奏曲第1番変ホ長調Op.11(1882-83)。
 作曲者18歳のときの作品で、ホルン奏者だった父・フランツに献呈された。

 今日はストランスキーのホルン独奏、プレヴィン指揮ウィーン・フィルの演奏を。

 この演奏、技巧を誇示するものではない。が、ストランスキーのテクニックがかなりのものだとわかる。
 オーケストラとソロのバランスも絶妙!プレヴィンの匠の技が光る。

 派手さはないが、この曲をこんなにチャーミングに仕上げた演奏はほかにそうそうないのではないか?
 曲の終わりも、これみよがしにホルンが咆えない。その柔らかさがほのぼの感を醸し出す。

 1996年録音。グラモフォン(タワレコ限定)。

  平凡な親子
 この演奏にあるようなニュアンスの曲の閉じ方は、聴いたことがある。

 高校生のとき吹奏楽でホルンをやっていた私の息子が、コンクールでこの曲を吹いたのだが、終わりをこうやっていた。

 私は練習しているのを耳にしたときに、「そこはもっと堂々と力強くしめた方がいいんじゃないの?」と言ったところ、「先生がこうやった方がいいと言った」と、あっさり完璧に却下された。

 そのときの先生(何度か通っただけだけど)というのは札響のあるお方だったが、この演奏を知って、その解釈にあらためて納得させられた。

同期が私のブルーな気分を解消!♪WAM/p協18

MozartPf18&27Sofronitzki  ♪青い歯っていいなぁ~……
 昨日はわが家におけるWiFi事情について書いたが、お盆期間中はBluetoothなるものも利用し始めた。


 Bluetoothって、そのままなら“青い歯”ってワケで、なんか気持ち悪い。間違って洗濯洗剤のブルーダイヤで歯磨きしたらこうなっちゃう……わけがない。

 それはそうと、入れ替えた車のカーナビがブルートゥース対応。
 いや、前の車で使っていたポータブル・カーナビもブルートゥースに対応していたのだが、使うメリットというか目的がわからなかった。このカーナビで音楽を聴けたとしても、ロクな音ではないはずだからだ。

 が、今回はウォークマンに保管してある音源をブルートゥースで飛ばすことで、カーステレオでそれを聴くことができるということを理解した。家から持ち出したCDを過激な温度変化を経験させなくてもよいわけだ。


 だが、なかなかペアリングが成功しない。
 つまりウォークマンとカーナビが同期しないのだ。
 なんどやってもエラーが出る。
 ペアになれない。

 ウォークマンのマニュアルを見ると、ちょいと想像しがたいものの、相手先(つまりカーナビ)のパスキーを入力する画面が表示されるようなことが書いてある。そんなの出たところで、ウォークマンでどうやってパスキー(4桁の数字)を入力するのかわからないので頭を抱えそうになったが、そもそもそこに至る前に双方でエラー・メッセージが表示された。

  つまり取り組み姿勢が根本から違っていたようで……

 いろいろ試すこと延べ3日(1日当たりの奮闘時間10分)。
 なんのことはない。カーナビ側のパスキーを、デフォルトからウォークマンの0000に変更することでペアが成立した。

 その結果、想像した以上に良い音が車内を満たした。

 粒立つフォルテピアノの音に、重くならないが豊かなオーケストラの響き。

 第1号となった曲はモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91オーストリア)のピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456(1784)。演奏はソフロニツキのフォルテピアノ、カロラク指揮ムジケ・アンティケ・コレギウム・ヴァルソヴィエンセ。

 適度に鋭角があるこの演奏は、眠気を誘わなくて運転にはぴったり。
 そして、この曲の特に第1楽章をかけながら運転すると、自然とセカセカしない大人の運転になる。
 単に齢だろって?ほっとけやっ!


 作品についてはこちらをご覧いただきたいが、まったくもってこのソフロニツキの録音はすばらしい。

 2005-06年録音。PRO MUSICA CAMERATA。

激励のお気持ち承り所
最近寄せられたコメント
私の浮き沈み状況

これまでの御来訪者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

メッセージ

名前
メール
本文
本日もようこそ!
ご来訪いただき、まことにありがとうございます。

PVアクセスランキング にほんブログ村
サイト内検索
楽天市場 MUUSAN 出張所(広告)





カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
タグ絞り込み検索
読者登録
LINE読者登録QRコード
QRコード
QRコード
ささやかなお願い
 当ブログの記事へのリンクはフリーです。 なお、当ブログの記事の一部を別のブログで引用する場合には出典元を記していただくようお願いいたします。 また、MUUSANの許可なく記事内のコンテンツ(写真・本文)を転載・複製することはかたくお断り申し上げます。

 © 2014 「新・読後充実度 84ppm のお話」
  • ライブドアブログ