新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は江別市「らーめん しょう」の味噌ラーメン。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

“OCNブログ人”時代の過去記事(~2014年6月)へは左の旧館入口からどうぞ!

2015/06

慎み深そうだったり淫蕩だったり~最近のスパムメールから♪クープラン/第2組曲

CouperinOrdreMoroney  勤勉な…… 
 -★新着メッセージ★-
 《地域未登録の為表示出来ません》在住クリーニング店主:佐藤様からメールが届いています。
 ┏★《タイトル》━━
 ◆P.T付き◆クリーニング屋なんて地味な仕事だから困ってます!


 地味な仕事をコツコツ……きっと誰かがそれを見ていて、勤勉な貴女を認めてくれることでしょう。
 ところで佐藤様、もしかして野郎か?

 あっ、今気づいたけど、野口五郎を略すと野郎だ。

  第一印象は慎み深そうな女
 目黒春奈
 初めてで少し緊張しています…
 実は私、こうやって自分からメールしたのって初めてでドキドキしているんですけど…
 やっと気が合いそうな人見つけたので嬉しくなっちゃっていきなりメールしちゃってすみません! もしよければこれから仲良くなれたらなって思ってるんですけど、良ければ連絡先教えておくので直接連絡取りませんか?


 私には気が合うようには思えません。 

  シャロレじゃなくシャルウィ風の女
 -★新着メッセージ★-
 還暦過ぎでもいいですか?幸恵様からメールが届いています。
 ┏★《タイトル》━━
 ◆P.T.付◆シャルウィーダンス?寝床で社交ダンスなんて

 続きは下記URLよりご確認下さい☆


 還暦過ぎじゃダメです。いや、還暦前でもお断りします。
 “社”は“性”の隠語か?

 

  この先には幸福な思いが?
 支援被害救 済センタ ー・会長「神崎晶.」 さまからメッセージが届いております★
 タイトル
 2200万円振 込準備完了、 サイ.トの全機能を完 全無償.で 利 用可能で御.座います!簡単.に.ご説 明致しま すので、 本文をご覧頂 けま.す.か?


 書いてある意味がよくわからないんだけど……
 2200万円をくれるのか、2200万円相当分の全機能とやらをタダで使えることになったのか……。ドットをあちこちに入れてある時点で、まとなメールじゃないってことがわかる。


  ミミじゃないのか……
 -★新着メッセージ★-
 新人女医・マミ様からメールが届いています。
 ┏★《タイトル》━━
 マミです。年上の男性と落ち着いた時間を過ごしてみたいです。


 入院患者の中にはすっごく年上の男性もたくさんいるだろうに……


  熱心な女
 木 村.藤子 さまから.メ ッセー ジが届いてお ります★
 タイトル
 木村藤子です。あ.なた.に.人一倍大き.な宿命の日が迫.っています。本当に.凄い事 です.が、.私.の事.が気に入らな.いならば読まなくても結構で.す。


 ご熱心なことに木村さまから第2弾が。


 木 村 藤子 さまからメッセージ が届 い.ておりま.す★
 タイ.トル
 木村藤子です.。心配 はなさ.らないで下さい ね。私は.お.金 儲けの為にあなたに.連絡を している 訳では.あり ません。だから.こ.そ
 本.文はこ ちら


 これもドット入り。あちこちにドット入れるの面倒だろうな……

 
  へつらってるような女
 吉田清香
 本当はすぐにでも会いたいですけど…
 私も暇してて会える人探してたトコだからすぐメールしちゃいましたッ!
 本当は、いきなりでも会ってくれるんだったら嬉しいケド…少しずつでも仲良くなれたらなって思ってます!☆
 とりあえず連絡先教えて待ってますから時間出来たら連絡下さいね?☆


 ホントウハスグニデモアイタイケドっていうのが、スケベな男心をくすぐる。しかし「ケド」という書き方に遊び人の影がちらつく。

  淫蕩な女
 -★新着メッセージ★-
 【G】北条蕗深様からメールが届いています。
 ┏★《タイトル》━━
 お金には不自由していないけど、他の部分は飢餓状態

 続きは下記URLよりご確認下さい☆


 で、この名前何て読むんだ?


  第2に登場する女性は6タイプ
 クープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)の「クラヴサン曲集第1巻(Pieces de clavecin premier livre)」(1713刊)から、今日は「第2組曲(Ordre No.2)」。

 以下の22曲からなる。


  1. 勤勉な女(アルマンド)(La laborieuse (Allemande))
  2. クラント1,2(Courante 1,2)
  3. 慎み深い女(サラバンド)(La prude(Sarabande))
  4. アントニーヌ(L'Antonine)
  5. ガヴォット(Gavotte)
  6. メヌエット(Menuet)
  7. カナリーと変奏(Canaries et double)
  8. パスピエ(Passe-pied)
  9. リゴドン(Rigaudon)
 10. シャロレ風の女(La Charoloise)
 11. ディアーヌ(La Diane)
 12. ディアーヌに続くファンファーレ(Fanfare pour la suitte de la Diane)
 13. テレプシコーレ(La Terpsicore)
 14. フィレンツェ風(La Florentine)
 15. ガルニエ(La Garnier)
 16. バベ(La Babet)
 17. 幸福な思い(Les idees heureuses)
 18. ミミ(La Mimi)
 19. 熱心な女(La diligente)
 20. へつらい女(La flateuse)
 21. 淫蕩な女(La voluptueuse)
 22. 蝶々(Les papillons)


 このように第2組曲では文学的なタイトルの曲ばかりではなく、アルマンドやメヌエットといった舞曲の名がそのままついているものも多い。


 本日もモロニーの演奏で。
 2012年リリース(録音年記載なし)。PLECTRA MUSIC。

  番外:おまたにようこそ
 小俣洋子
 届いてなかったらごめんね?
 ちゃんと一括送信したはずなんだけど、いつも何人か届いてない人が居るみたいなんだよね…
  もし届いてたなら何回もメールしてごめんね?(汗) 一応誰に届いてるかの確認はしたいから、もし届いてるなら新しい連絡先載せてるからそっちに一度連絡して欲しいなッ!


 やなこった……

山あいで騒音のごとく響くハフナー♪WAM/Sym35(by ガーディナー)

P6250160  喜びのあまり自然と「ハフナー」が……?
 先週の火曜日の午後、会議あとにかかりつけの病院に行った。
 2カ月に一度の医者との定期面談とお薬頂戴行為のためである。

 今回はおよそ2か月前に行なった血液検査の結果を聞くことになる。

 まず体重だが、64.8kg。すばらしい。たまに担担麺+小ライスを食べようとも、ふだんのちょっとしたがまんによって体重は低位安定している。

 血圧。上は125、下は68。下が68とは過去の私だったら死んでるようなものだ。なんという低さだろう!

 そして採血。結果は半日後に出るのだが、翌日は来院できないので15分後に判る血糖値とヘモグロビンA1c の値だけ聞き、それ以外は次回に聞くことにする。

 15分経って医師に呼ばれた。
 自慢じゃないが褒められた。

 HbA1c は6.0。正常値は4.6~6.2%で、高めではあるが正常の範囲内だ。これなら私、卑屈になる必要はない。
 血糖値は132。正常値は78~109ではあるが、これは空腹時の話。
 このとき採血したタイミングは昼食後約1時間半だったわけで、この結果には医者もにっこり納得。

P6260123 それ以外の、2カ月前の血液検査の結果だが、なんと中性脂肪が216。かつては700以上あったのになんという改善だろう!
 正常値は50~149でまだ異常値ではあるが、感覚的にはすっかり治ったような気分だ。

 そして尿酸値にいたっては5.5(正常値は4.0~7.0)。ここまで下がったのは初めてである。
 やはり全てが体重と連鎖するのか?

 医者が言う。

 「困ったなぁ。いや、困ったというのは悪い意味じゃなくて、尿酸値なんだけどこれまで多少上下はしていたけどこれまでの長い経過を見ると右肩下がりで落ちてきている。薬を減らすべきかどうか悩むところだ」

 こんなことでセンセを困らせちゃうなんて、アタシ、イケナイ患者ね。

 「よし、1日1回にしよう。上がればまた2回に戻せばいいな」

 最後は意外と大雑把な決断だったが、ずっと朝夕2回だった尿酸値の薬は朝1回になった。
 この日採った血液の検査結果はどうだったのか知らないが……

 診察室を出て、待合室で薬と会計で呼ばれるのを待っていると、なぜかハフナーの華々しい冒頭主題が聴こえてきた。結果が良かったので心がそら耳モードになっているのかと思ったら、そうではなかった。

 待合室にあるテレビでドラマの再放送が流れていて、その中で流れていたのだ。
 なんのドラマだったのか把握する前に、呼ばれたので事情はわからないままに終わった。
 にしても、待合室でドラマの再放送って……非難するなにものもないか。病院にあるテレビ=NHKがかかっている、というのは私の勝手な短絡的なイメージだ。

Mozart32Gardiner  ヒグマもびっくり、最低音質のシンフォニー
 モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー(Haffner)」(1782)。

 作品の詳細はここに書いてあるが、ザルツブルクのハフナー家のために作曲したセレナードを交響曲に改編したものである。

 今日はガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏で。
 ガーディナーによるモーツァルトの交響曲集は、すでにいくつも取り上げているがピリオドながらもシャリシャリ、ブンブンに偏り過ぎないバランスがとれた名演である。

 1988年録音。デッカ(原盤:フィリップス)。TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION +plus。

 ところで先週末にちょいとお出かけしたのだが、途中で旧大滝村(現在は伊達市)にある道の駅“フォーレスト276大滝”に寄った。

MozartGardinerBox 偶然にもそこでも「ハフナー」を耳にしてしまった。終楽章である。

 さすがにラッパ型スピーカーではなかったが、建物の入り口上から駐車場に向けて放たれる「ハフナー」は音が割れ、ガサガサだった。
 ちっとも気分は盛りたてられなかった。いや、むしろわびしさを感じた。しっこしたらすぐに出発しようぜって思った。

 なぜ、「ハフナー」だったのだろう。こういうところでは珍しい選曲だとは思うが……

  ハマナスはバラの原種の1つ 
 帰りは喜茂別、中山峠を通り定山渓を抜けて札幌市内に入った。
 トイレ休憩のために簾舞(みすまい)の手前にある除雪ステーションに立ち寄ったが、そこの生垣に白花のハマナスが植えられていた。

 ハマナスはバラの原種の1つである。
 そして、わが家にある原種バラもいま咲いている。
 ハマナスは植えていないが、“ノイバラ(Rosa multiflora)”が可憐な花を咲かせているのだ。
 私の肖像画のように可憐だ。

本日の案件は翼関連2件と黄金関係3件です♪サン・ミゲルの名曲?

  実際には金色ではありませんが
 “本田翼が三浦翔平と真剣交際!”と報じられたころ、わがガーデンでは金の翼が見ごろを迎えていた。
 “ゴールデン・ウィングス”というバラである。

 “Golden Wings” はモダンシュラブ・ローズで四季咲き(厳密には繰り返し咲き)。
 大型の5枚花弁の一重で、香りは微かだが樹勢の強い強健種。1956年にShepherd(アメリカ)が作出した。

 そしてこのバラ、かわいいことに夕方になると花弁を丸めて閉じてしまうのである。
 その動作が、なんとも愛らしいではないか!助平な愛之助とはえらい違いだ(よく知らないけど)。

 生殖器であるおしべとめしべを隠すわけで、明るいところでは大胆にさらしていたというのに夜になると逆にそれを密室で守るのだ(いちばん下の写真)。
 
 もっとも、このように夜になると花を閉じる植物には、カタバミなどの雑草もあるけど……

P6200128

P6210125

P6210152

P6210143

P6260130

  ポケットに入らないくらいコンパクトじゃないカメラがほしい……
 相変わらず言い訳だが、同じコンパクト・デジカメでも前に使っていたニコンのクールピクスの方が仕上がりがシャープで色の良かった。
 それが故障して新春特価1万円のオリンパスのスタイラスに買い替えたが、5年も経ったので価格はニコンの3分の1ながら性能は同等かと思いきや、どうもそうではないらしい。クールピクスはいまでも1万じゃ買えないし……。腕が悪いんだから、せめて道具がカバーしてくれなきゃなぁ。
 それでも手ぶれ補正をOFFにしたら少しは良くなったような……

 ゴールデンといえば、タワレコに注文していたセレブリエール指揮によるショスタコーヴィチのバレエ「黄金時代」が、“メーカー在庫切れのため注文をキャンセルさせていただきます”という悲しいお報せメールをもって入手できなくなってしまった。
 ホントに悲しい。

 なお、上でリンクしている「黄金時代」の過去記事に載せてある“エバーゴールド”というバラは昨シーズン枯死した。残念ながらエバーじゃなかった。

Fennell Marches  位置づけ的に名曲というには無理が…… 
 そんなわけで今日は、知る人ぞ知る、そしてあまり知っている人はいないサン・ミゲル(Mariano San Miguel)の「ゴールデン・イアー(Golden Ear)」。
 行進曲だが、作曲者についても作品についても私には詳細がわからない。

 でも日本語にすると間違いなく「黄金の耳」ってことになるのだろう。
 黄金バットの耳ってことか?

 フェネル指揮イーストマン管楽アンサンブルの“マーチ名曲集”に入っている。
 ってことは、これ名曲なのか?

 1958年録音。マーキュリー。

いうまでもなく小太郎は太郎の子だが、みたいな♪スカルラッティ/ソナタ

ScarlattiRossComp  鍵盤音楽~イタリアでは?
 クラヴサン作品を完成された人物として、フランスにおいてはフランソワ・クープラン(Francois Couperin 1668-1733)がいた。
 このところ頻繁に紹介している通りである。


 ドイツにはバッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1757)がいた。「平均律クラヴィーア曲集」や「パルティータ」などの傑作を残した。この「平均律」、雑誌などで「平均率」と誤って記されているのを見つけると、ちょっぴりうれしくなる。そんな私も過去記事でやらかしたことがあるが……


 イギリスではヘンデル(Georg Friedrich Handel 1685-1759)が活躍した。
 もともとはドイツ人だがイギリスで大儲けをし破産もした興行主だった。大儲けしたのは歌劇や宗教曲によってだったが、鍵盤作品としては全2巻からなる「ハープシコード組曲」を書いている。このなかには有名な、けどちょいと力が抜けそうな「調子のよい鍛冶屋」という名の曲が含まれている(第1巻第5番第4楽章)。
 なおヘンデルがイギリスの市民権を得たのは1727年のことである。


 では音楽先進国のイタリアではどうだったのか?


 いるのである。ちゃんとドメニコ・スカルラッティという音楽家が。


  〇〇の子って言われても……
 音楽之友社の「新訂 大音楽家の肖像と生涯」で、辻荘一氏はこう書いている。


 ドメニコはいうまでもなく、アレッサンドロ・スカルラッティの子なのだが ―(以下略)―


 思わず「はぃっ?」と言ってしまいそうだ。ハンバーガーを買いにドライブスルーに来たのに店員に「自動車保険の更新ですね?」と言われたときのように。

 じゃあ皆川達夫著「バロック音楽」(講談社現代新書)ではどうか?
 ここでは次のように書かれている。


 一方、バロック後期のイタリアの鍵盤音楽にも、みるべき作品がすくなくない。
 ドメニコ・ツィポリ、フランチェスコ・ドゥランテらの作品に加えて、とくにドメニコ・スカルラッティの業績が重要である。
 彼はあのオペラの作曲家アレッサンドロ・スカルラッティの息子として、バッハ、ヘンデルと同じ年に生まれ、長くポルトガル、スペインに滞在して、500曲にあまるチェンバロのための独奏ソナタを作曲した。
 そのソナタは1楽章の形をとり、そのおのおのは二部形式からなる。ここには鍵盤楽器のありとあらゆる技巧、― 両手の交換、急速な3度や6度、大きな跳躍、グリッサンド、ポリフォニーとホモフォニーの交代、などが追求されており、内容的にも古典派のソナタの方向を模索していると評しうるものである。


 やっぱり父アレッサンドロに触れないわけにはいかないようだ。

 D.スカルラッティ(Domenico Scarlatti)もバッハやヘンデルと同じ1685年生まれ(1757年没)。
 
 「クラシック音楽作品名辞典」(井上和男編:三省堂書店)によると、

 「ナポリ楽派の歌劇作曲家、卓越したチェンバロ奏者、オルガニスト。ローマ在住のポーランド王妃マリア・カシミェラに仕え、ヴァチカンの楽長などを歴任。1720年頃ポルトガル宮廷礼拝堂の楽長に招かれ、マリア・バルバラ王女の指導にあたったが、'28年彼女がスペイン王妃になったのに伴ってマドリードに移り、終生その地で過ごす。今日、彼のソナタとして知られるチェンバロ用練習曲は、主にこの時代に彼女のために作曲されており、鍵盤音楽の新しい技巧の開発、ロココ趣味の音楽の発展のうえできわめて重要な位置を占めるものである。

 そのチェンバロ・ソナタ。全部で555曲ある。
 この辞典によると、

 スカルラッティのソナタは「練習曲集」Essercizi per cravicembaloが本来の名称で、その他「ソナタ」Sonata、「ピエス」Pieceなどの名称で出版された。
 それゆえ、(カークパトリック(R.Kurkpatrick)による整理番号K.でいうと)73,77,78の2楽章、89の3楽章、81,88,90,91の4楽章以外は楽章構成をもっていない。楽章構成のある8曲は上声部と通奏低音をもっていてヴァイオリン・ソナタとして演奏することもできる。


 また、K.287,K.288はオルガン用である。

 全曲録音の偉業を成し遂げたスコット・ロスのチェンバロ演奏で。
 34枚組。なのにこの値段で買えちゃうなんて、今の時代にいてよかったぁ。

 1984-85年録音。エラート。
 なおロスは、1989年にエイズのため38歳の若さで亡くなっている。

  ほとんど名無し
 クープランと対照的なのは、スカルラッティのソナタには標題(もしくはニックネーム)の付いているものがほとんどないということ。

 K.30の「猫のフーガ(Fuga del gatto)」と、K.446とK.451についている「パストラール(Pastoralle)」の3曲だけ。3/555という低率である。
 それ以外は調性と、K.番号やL.番号(A.Longoによる整理番号。またL.S.はロンゴ追加番号)の作品番号のみである。なんと無機質なんでしょう。まっ、もともとは練習曲なわけだから、タイトルなんてあまり意味がなかったのだろう。
 が、その音楽は決して無機質ではない。

 私もまだ全555曲を聴ききっていない。
 いや、100曲も聴いていない。
 道半ばの半ばって進度だ。

 今後個別に気になった楽曲を取り上げることがあるかもしれないが、とりあえず本日は総論ということで……

 余談だが、スパゲティなら私はナポリタン派じゃなくミートソース派である。
 また、ナポリ楽派のオペラ作曲家には、ポルポラなどがいる。

執拗な繰り返しに血液沸騰♪伊福部/ロンド・イン・ブーレスク

IfukubeCyu  ドドドドン・ドドドドン・ドドドドドドドドドドンと日本太鼓が鳴る
 先日、広上淳一/日本フィルハーモニー交響楽団の演奏による伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の「SF交響ファンタジー」の第1番と第2番を取り上げたが、今日は「SF交響ファンタジー第3番(Symphonic Fantasia No.3)」(1983)と「倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク(RONDO IN BURLESQUE for Japanese-drum and Orchestra)」。

 第3番のファンタジアは第2番同様、第1番に比較すると演奏、録音機会が少ない作品だが、映画の最初、“東宝”のロゴが映し出されるところのタイトルバック音楽で始まるところからいきなりワクワクさせられる。そして、この曲では特に「海底軍艦」の音楽が印象的だ。
 広上のタクトは、第1・2番同様、映画音楽の編曲ものとは思えない豊かな表情を描き出す。

 「倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク」も、3曲の「交響ファンタジー」と同じタイミングで発表された作品。

 素材として「ゴジラ」、「怪獣大戦争」、「フランケンシュタイン対地底怪獣」、「わんぱく王子の大蛇退治」が用いられている。

 実はこの曲のもとになっているのは、東京佼成吹奏楽団の委嘱で1972年に作曲された「ロンド・イン・ブーレスク(ブーレスク風ロンド)」という作品。同年手塚幸紀指揮/同吹奏楽団によって初演されている。


 伊福部はそのあとに日本太鼓のパートを書き足して「倭太鼓と吹奏楽のためのロンド・イン・ブーレスク(RONDO IN BURLESQUE for Japanese-drum and Symphonic Band)」(1977)とした。
 初演は1977年に汐澤安彦指揮東京音楽大学シンフォニック・ウインド・アンサンブルによって行われた。


 そしてこの曲は、1983年の“伊福部昭 SF特撮音楽の夕べ」のために3管編成オーケストラのために書き直されたのである。


 初演時ライヴでは倭太鼓は非常に強い音で入ってくるが、それと比べると広上盤はそんな張り切った叩き方をさせていない。むしろ柔らかだ。それは倭太鼓が前半部で最初に登場するときに、より顕著だ。

 実は初演の翌年に札響の特別演奏会でこの曲を聴いたときも広上と同じような叩き方だった(指揮は石井眞木)。
 初演時ライヴの力のこもった強打が刷り込まれていた私にとっては肩透かしを食らった感じだったが、その後の広上盤も同じように扱っているということは、初演後に作曲者が指示を加えたのかもしれない(あるいは初演時の奏者が張り切りすぎた、もしくはサービスが過ぎたのかもしれない。)。

 倭太鼓によって刻まれるオスティナート。
 この執拗に繰り返されながらエネルギーを増して進んでいく展開に興奮を抑えずにはいられない。
 これは伊福部版の「ボレロ」だ。
 ラヴェルの「ボレロ」は都会の一室での秘め事の盛り上がりを連想させるのに対し(映画の影響か?)、伊福部の曲は人間の精神の根元を刺激し血が沸き立つ興奮をもたらす。

 広上盤の録音は1995年録音。ファイアバード(キング)。

  私は単売のを揃えることにします
 ところでこのあいだも書いたように、このCDは今さらながら買ったもの。
 そのうち再発売で値段が下がるんじゃないかと買い控えしていたわけではないのだが、聴いたことがある曲ということもあって、やっぱり3000円も出して買うということに躊躇していたのだ。

 が、20年経ってもこのCDは珍しくも現役盤のままであり、それはクラシック界では極めて異例で、かつありがたいことなのだが、値段を下げての再発売をやや期待していた身としては、すっかり予定が狂ってしまった。

 そしてまた、キングから出ているこの一連の伊福部シリーズ(Vol.12にまでになった)で私が所有していないのは、いつの間にかVol.1とVol.2の2枚だけになった。

 と、なんと“【SHM-CD】伊福部昭の芸術 20周年記念プレミアムBOX(仮)<初回限定盤>”が、9月16日に発売される予定だという吉報が入った。

 16枚組で27000円。ってことは1枚あたり1687円。

 プ、プライス・ダウンだぁ~。
 セットの中には初出の音源が2枚あるという情報もあるが、まだよくわからない。
 そうだとしたらその2枚、興味津々である。

 が、その初出音源の2枚と、単売で買っていないVol.1とVol.2の2枚の計4枚以外は、もう私の手元にCDがあるわけだ。
 ってことは、このワクワクBOXを私が買うということは、その4枚のために27000円払うってことになる。私にとってはビール4杯27000円の暴利バーに迷い込むに等しいことだ。吉報じゃなかった。

 涙をのんで、レギュラー価格の現行盤のVo.1とVol.2を買うとするか……

王に特に愛される女は陰気な女に妬まれただろうに♪クープラン/第3組曲

CouperinOrdreMoroney  バッハもクープランの著書で勉強した
 すでにご承知のとおり、現在このブログではクープラン・シリーズが進行中だが(って、ただ聴いてるだけじゃん)、ここで皆川達夫氏がクープラン(Francois Couperin 1668-1733 フランス)について書いている文を紹介しておこう(「バロック音楽」:講談社現代新書)。


 18世紀に入るとともに、クラヴサン愛好の傾向はさらに増大する。……フランソワ・クープランにいたって、フランス・クラヴサン音楽はひとつの完成点を迎えたといってよい。
 彼は、サン・ジェルヴェ大聖堂のオルガン奏者、また王宮礼拝堂オルガン奏者として活躍するとともに、4巻のクラヴサン曲集を刊行しているが、これらこそフランス鍵盤音楽史上もっとも重要な曲集である。
 その〈寵姫〉〈恋のうぐいす〉〈シテール島の鐘〉などの文学的ないし絵画的な標題が付されたクープランのクラヴサン作品は、基本的に舞曲のリズムを支えにし、短い流れるような旋律を何回も装飾音ゆたかに反復してゆく形が多いが、あふれるばかりの詩情とメランコリーをひめた愛すべき佳品である。比較的短い小曲でありながら、そこにはフランスのエスプリ、優雅、イロニー、知的な節度、均整感などすべてのものがこめられている。それらは、4曲ないし十数曲まとまってオルドル(組曲)を形づくっているが(全体で27の組曲)、しかしそれは決してひとつの有機的な統一体ではなく、個々の楽曲はそれぞれ固有の性格をもって独立した傾向をみせている。また、彼が1716年に刊行した「クラヴサン奏法」は当時もっとも重要な鍵盤奏法の教科書として知られ、ドイツの大バッハもこれを学んでいる。


  寵姫=愛妾=お気に入り
 作品のタイトルについては訳者によって違いがあるが、ここに書かれている「寵姫(ちょうき)」は、おそらく「クラシック音楽作品名辞典」(井上和男編:三省堂書店)では「お気に入り」と訳されている作品だと思われる(ボーモンによる抜粋盤では「愛妾(あいしょう)」となっている。愛妾とはお気に入りのめかけのことである)。
 また、「恋のうぐいす(恋のナイチンゲール)」と「シテール島の鐘」はともに「第14組曲」の中の曲である。


 今日は1713年刊の「クラヴサン曲集第1巻(Pieces de clavecin premier livre)」から「寵姫」を含む「第3組曲(Ordre No.3)」。
 第1巻は第1~第5の5つの組曲からなるが、第3組曲は次の12曲からなる。


  1. 陰気な女(アルマンド)(La tenebreuse(Allemande))
  2. クラント1,2(Courante1,2)
  3. 憂うつな女(サラバンド)(La lugubre(Sarabande))
  4. ガヴォット(Gavotte)
  5. メヌエット(Menuet)
  6. 巡礼の女たち(Les pelerines)
    ・行進(La marche)
    ・施し(La caristade)
    ・感謝(Le remerciement)
  7. ローラタン家の人びと(Les Laurentines)
  8. スペイン風(L'Espagnolete)
  9. 嘆き(Les regrets)
 10. プロヴァンスの水夫たち(Les matelotes provencales)
 11. お気に入り(2拍子のシャコンヌ)(La favorite(Chaconne a deux tems))
 12. いたずらな女(La lutine)


 このように第6曲「巡礼の女たち」は3曲からなり、また第2曲のクラントは、1と2を別々にカウントし2曲とする場合もある。


 「クラヴサン曲集第1巻」では、皆川氏の言う“文学的ないし絵画的な標題”ばかりではなく、舞曲の名がそのまま付いているものも少なくない。


 この「第3組曲」ではクラント、ガヴォット、メヌエットが舞曲名そのものズバリであるし、アルマンド、サラバンド、シャコンヌもそうである。
  
 今日はいつものボーモンではなく、モロニーによる演奏を。

 現在モロニーはクープランのクラヴサン作品全曲録音に取り組んでいるところだそうだ。
 今日ご紹介するCDには「クラヴサン曲集第1巻」の5つの組曲が収められている。

 モロニーのタッチは力強い。1音1音がしっかりしている。
 反対にボーモンの演奏の方が優雅でしゃれっ気がある。

 なおボーモンによるクープランの「組曲」全集のなかでも、2台のクラヴサンによる作品ではモロニーが第2クラヴサンの奏者を務めている。

 録音年の記載はないが、リリースは2012年。PLECTRA MUSIC。

 にしても、「お気に入り」が、訳によっては全然別な印象を与える「寵姫」とか「愛妾」になるのってなんだかすごい。
 もっとも、寵姫も愛妾もふだん見かける字句じゃないけど……


こっちも痛い感じが…ええ、そこの上です♪アンドレ/...auf...

AndreAuf  やはり自然治癒するものじゃなかったようで……
 先週歯科医院に行った(今週の、それも昨日は定例採血および診察のためかかりつけの病院にも行ったが、その話はまた日を改めて)。

 ちょっぴり報告していたように、ものを噛んだとき左奥歯が痛み、またそこの内側(舌側)の歯ぐきになにやらポツっと腫れ物ができていたからだ。

 歯科医院はなかなかの込みようで、予約は入ったものの、午前の正統派予約患者診察終了後に急患扱いで診てくれるというものだった。

 万が一の前倒しをかすかに期待して予約時間よりも早めに行ったものの、そういう事情なわけからあとから来た人たちの方がどんどん先に呼ばれる。自分は忘れさられているんじゃないかという不安にかられた。が、待合室の壁にかけられたモニターに映っている音声なしの“千と千尋の神隠し”を囲碁対局講座を観ているような顔つきで凝視し、邪念のないふりを通した。

  あのとき私はヒトに認識されない状態にあったのか?
 高校生のとき、札響の演奏会に行く前に会場の北海道厚生年金会館ちかくの大衆食堂に入りカレーライスを頼んだことがある。

 が、いつまでたっても出てこない。
 それでもじっと待った。

 そのときである。厨房近くにいたおばさんが「あっ!」というような声を出した。
 私は死角になるような場所にいたわけでもないのに、店の人たちからは完璧に私の存在は神隠しにあっていたようだ。

 「あっ!」のあと、カレーはすぐに運ばれてきた。ボンカレーよりも早いくらいに。

 じっと待っている間、私は「カレーをイチから作ってるんだな、その割には厨房に動きがないけど」とそれなりに善意に解釈していたが、要するにオフィス街で中途半端な時間に入店した珍客が忘れられていただけの話だ。

 たまたま開演まで時間があったのでよかったが、このときから私は何でも早めに行動することを心がけるようになった。

 あの店、いまはもうない。

  覚えていてくれてありがとう
 40分待って、歯科衛生士さんが私を呼んだ。
 「たいへんお待たせして申し訳ありませんでした」
 忘れられていたわけでは、もちろんなかったのだ。今日のアタシは非正統的な予約者なのだ。身分をわきまえなくてはならない。

 症状を話すと、衛生士さんは医者にそのことを伝え、医者(女医さんじゃなくて恐れ多くも院長(男)だ)は「真ん中の奥歯がぐらついてます。トントントン。痛くないですか?」と言った。確かに痛かったので「痛いです」と答えた。

 その奥の歯もトントンされる。
 「ここはどうですか?」
 「痛くないです」
 手前の歯もトントンされる。
 「どうですか?」
 「痛くないです」
 ただこのときは痛くないんだか、多少痛んでいるんだか私の判断はだいぶ曖昧になっていた。

  センセ、いきなりそ、そんなことを
 医師は「冠を外して中をきれいにします」と言い、いきなりキュルキュルキュルキュルと削り始めた。

 今日はこのような大がかりな治療になると思わなかった。様子を確認して、いずれにしろ本格的な治療は次回からという展開を予想していたのだ。不測の事態だ。
 それなのに、センセイったら、いきなり太い指を私の口の中に……

 外し終えたあと医者は去り、衛生士さんが消毒薬を詰めてゴムで封印した。
 この先何度か消毒を繰り返す治療をしたあと、土台を作るという。
 そして、お昼どきにすいませんがこれからは30分は飲食はしないでください、という指示。

 会計のときに「今日はたいへんお待たせして申し訳ありませんでした」と言われた。
 待たせて申し訳ないという姿勢が実によろしいと思った。「はっ!」だけで済まされたあのときとは大違いだ。

 きっちり30分後に長寿庵で玉子丼を食べた。
 13時を過ぎていたので店はすいていた。ひと段落ってところだが、それでもポツポツと客が来る。
 やはりここは人気店なのだ。地元に愛され〇〇年って感じの……

 厳密には私は治療後20分経ったところで店に入り注文。待ち時間10分と計算したが、8分で出てきたので結果的には衛生士さんの言いつけを破って28分後に飲食を始めてしまったことになる。

 そのせいじゃないだろうが、玉子丼を頬張るたびに消毒薬の臭いが口中に広がり、本来の美味しさを堪能することができなかった。唯一の救いは、今回初めてお願いしたとおりに冷たいそばが出てきたことだ。

 なお、消毒薬の臭いは数日間続いた。
 次回の予約は7月に入ってからだが、なんとなく治療したところの上、つまり左上の奥歯も痛いように感じるのは気のせいだろうか?

  「アオフ」と読みます
 歯医者や玉子丼の話とはまるっきり関係ないが、アンドレ(Mark Andre 1964-  フランス)の「 ...auf... 」。

 アンドレはフランスからドイツに移り、ラッヘンマンに師事してから頭角を表わしたという。

 「...auf...」は3部作で、「...auf...1」は2005-06年、「...auf...2」と「...auf...3」は2007年の作。
 オーケストラ作品だが、「...auf...3」では“live electronics”ってものが加わる。

 作品について私はなんの情報も持ち合わせていない。
 auf というのはドイツ語で、“…の上で”、“…の途中で”、“…を祈って”などの意味があるが、この曲のタイトルの日本語訳としてどういうものが適切なのか見当もつかない。

 バリバリのゲンダイオンガクである。
 仲良くなるには時間がかかる。時間をかけた上で、相性が悪いという結論に至るかもしれない。

 ただ多彩な楽器の響きと、それに加え各楽器の特殊奏法による音の変化を楽しめる。録音もとても良い。
 長岡鉄男氏が健在だったなら、超優秀録音に挙げるに違いない。

 カンブルラン指揮バーデン・バーデン・フライブルクSWR交響楽団の演奏。ライヴ・エレクトロニクスはSWRフライブルク実験スタジオによる。

 2009年録音。wergo。

厳密には紫がかっていますが……♪アンダーソン/ブルーベル

  よく言えばナチュラル、悪く言えば乱雑
 土日に帰宅したが、庭は花盛りだ。
 この光景を見ると、去年の冬囲いのつらい作業が報われたと実感する。

P6210115

  早くも第1次ピーク
 例年なら本格的なバラの開花シーズンは7月からなのだが、今年は早い。
 ごちゃごちゃしていてわかりにくいだろうが、多くの花が咲いているのがなんとなくわかっていただけるだろう。
 1週間前とずいぶんと変わっていることも、なんとなく納得していただけるだろう。

 そんなバラたちのなかから、今日は“ブルー・フォー・ユー”。
 いや、ですから重苦しい気分をあなたにパス!っていう意味ではない。

 フロリバンダ系で中輪だがその青紫色の花が房咲きする美しさは見事。
 四季咲きで強健な品種である。
 2006年にイギリスで作出された。

P6200114

P6200115

P6200126

AndersonFen  英米の作曲家はそう多くないわけで……
 クラシック音楽の作品名を調べてみると“ブルー”という名がついた作品は案外と少ない。
 私なりに考えるに、クラシック音楽では英米の作曲家はヨーロッパに比べ少ないからだろう。

 “ブルー”がついた曲名で有名なのはガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」ぐらいだろうか?ガーシュウィンと同じアメリカの作曲家のグローフェには組曲「ブルーの3つの彩り」という作品があるが、全然有名じゃないし、私も聴いたことがない。

 そんなわけで、今日はやっぱりアメリカの作曲家アンダーソン(Leroy Anderson 1908-75)の「スコットランドのブルーベル(The Bluebells of Scotland)」(1954)。

 このスコットランドのブルーベル(スコティッシュ・ブルーベル)というのはキキョウ科の植物イトシャジン(Campanula rotundifolia)のことだそうである。

 フェネル指揮、管弦楽団の演奏で。
 そう。“管弦楽団”なのである、ただの。契約上の問題で、このような表記になっているわけだ。いわば覆面Shincyo20150620オーケストラ。が、やってる方にしちゃ、報われないな。きっと。

 1964年録音。マーキュリー。

 日曜日の帰り。
 読む本を持ち合わせていなかったので、特急に乗る前にキヨスクで週刊新潮を買った。
 遅いって?

 そんなことはない。
 北海道では週刊新潮は土曜日発売なのだ。

 成瀬政博氏が描く表紙は、偶然にも青いバラの絵だった。

本日は一周忌。いや、満1歳の誕生日♪伊福部/SF1&2(by 広上)

IfukubeCyu  満と数えでは2歳差が出ることもある
 この“新・読後充実度 84ppm のお話”がワケありで(本格的に)始まったのが去年の6月22日。
 つまり今日が満1歳の誕生日である。

 ところで満年齢と数え年が時に2つ離れることがあるのを不思議に思ったことはないだろうか。

 例えば昨日6月21日生まれの人の場合。
 この人は昨日で満35歳になったとしよう。数えで言えば36歳である。満年齢と数え年で1歳の差がある。それは数え年では生まれた年が1歳だからである。

 ところが誕生日前の6月20日時点ではどうなるかというと、満34歳だが数えでは36歳なのである。
 というのも、数え年は1月1日を基準として歳をカウントするからで、年明けと同時に1つ歳をとるのだ。

 縁起の良い例えではないが、この人が誕生日前に亡くなったとすると、おくやみ欄に書かれる年齢は36となる。そして、「えっ、そんな歳だったっけ?」と混乱する人が現れたりするのである。

  伊福部生誕101年目の今年
 1年前のいまごろは伊福部昭生誕100年で音楽界はにぎわっていた。
 そして生誕101年目の今年も、来月に“伊福部昭百年紀Vol.3”のCDがリリースされるなど、落ち着いたものの流れは続いている。

 その伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の「SF交響ファンタジー第1番(Symphonic Fantasia No.1)」と「SF交響ファンタジー第2番(Symphonic Fantasia No.2)」。

 この2曲は、「SF交響ファンタジー第3番」と「倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク」とともに、1983年に作曲(編曲・編さん)されたもので、同年8月に日比谷公会堂で初演された(汐澤安彦/東京交響楽団)。
 この演奏会、“伊福部昭 SF特撮映画の夕べ”こそが、じわじわと高まりつつあった伊福部昭に対する再評価の動きの勝利宣言的イベントであったことは間違いない。

 さて、今日取り上げるのは広上淳一/日本フィルハーモニー交響楽団によるもの。

 このCDは1995年にリリースされたものだが、同じ広上による「兵士の序楽」や「サロメ」同様、図書館でCDを借りてカセットテープにダビングして聴いていたが、カセット時代終焉後は耳にできないままになっていたもの。
 それがこのたび、かなり遅ればせながら買うことを決意をしたのだった。こんなことならもっともっと早く買えばよかったのにねぇ……

  第1番より深遠さを感じる第2番
 第1番は多くの録音がCDで出ているが、2番と3番、ロンド・イン・ブーレスクはない。

 第1番がゴジラのテーマで始まり良い意味で通俗性に富んでいるのに対し、第2番や第3番は同じくSF映画音楽を素材にしてはいるものの、より“聴かせる”ものに仕上がっている。
 第1番はアンコール・ピースとしても興奮した聴衆に火に油を注ぐような効果が十分で、しばしば使われるようだ。そんなこともあって録音点数も多いのだろうが、第2番や第3番が第1番に比べてここまで不当に扱われていることに私は不満を感じる。
 特に味わい深さという点では第2番がいちばんかもしれない。

 汐澤の初演時ライヴはさすがにかなり気負っていて、ややもすると細かなニュアンスが乏しく力まかせに進めるところもあったが、それから10年ほどあとに録音された広上盤は実に音楽的に仕上がっている。もちろんパワーも十分備えている。
 第2番の「モスラ対ゴジラ」からの「聖なる泉」は感動的美しさだ。

 1995年録音。ファイアバード(キング)。

 なんでも“お嬢様聖水”なる飲料がヒットしているらしい。
 確か先月東京に行ったときに、E電(←死語)の車内広告か、駅売店でポスターを見かけたような気がする。
 エナジードリンクということだが、こういうネーミングが許される会社ってすごい。

 明日は朝から札幌で会議があるため、今日の夜に移動する。

いきなりつまずきそうになるファンファーレ♪シルヴェストリのチャイ4

TchaikoSym4-1Score  吹きながらしゃっくりしたわけではありません
 シルヴェストリ指揮フィルハーモニア管弦楽団による、チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky 1840-93 ロシア)の交響曲第4番ヘ短調Op.36(1877-78)。
 知る人ぞ知る“奇演”である。

 冒頭のファンファーレ(チャイコフスキーはこれを「運命の主題」と言っている)が、どうしたらこんなことを思いつくのかというくらいヘンテコに吹かせているのである。まるで音符が1つ2つ多いようにさえ聴こえる。
 このスコアがどういじられてるのか、さっぱりわからない(掲載譜は全音楽譜出版社のもの)。
 何かにつまずいてそのまま前に転んでしまいそうだ。
 これをきちんとやっているオーケストラも立派だ(こんな風に吹くの、きっとかなりの抵抗感があったろうな)。

 シルヴェストリという指揮者はロシア・東欧もので、個性的な解釈によって注目されたというが(私がこの指揮者を知ったときにはとっくに故人。LP時代セラフィムの廉価盤をいくつか買った)、恣意的すぎるという批判もあったようだ。

 このチャイコフスキーの4番の「運命の主題」だって、解釈を超えアレンジしちゃったかのようだ。

SilvestriBox あまりにファンファーレが衝撃的なので、ほかのところは麻痺しちゃうが、強弱のつけ方やテンポの揺らしなど、ちょこちょこやってくれている。

 が、クセになるのだ。これが。
 イヤよイヤよも好きのうちって感じか?
 ってことで、まだ知らないならあなたにもぜひ聴いてほしいと思ういけないアタシ。

 ただしキワモノであるのは間違いないので、未就学児は聴かないでね。

 1957年録音。EMI。
 ステレオ初期の録音で音は少し苦しいが、それほど気にならない。

20150619Hodou  おしゃれなようで危険なインターロッキング歩道
 帯広の街中の歩道は、レンガのインターロッキングである。
 が、冬の間その下の地面が凍結したり融けたりの繰り返しによってガタガタになっている。

 これが実に歩きにくく、危ない。

 酔っていなくても、つまり朝の通勤時でもしばしば飛び出したレンガの角につまずく。
 つまずいているうちは「あら、アタシとしたことが」で済むが、転んだり足を挫く危険がある。
 そこまでに至らないまでも、靴に傷をつけることだってある。
 なんとかしてほしいものだ。

 それと藤丸百貨店の西側にあるセブンイレブン前の横断歩道。
 滑り止めのゴムが摩耗し沈み込んでいて、金属のフレームやボルトが路面から飛び出している。
 渡るのも危険だが、このまま放っておけばここを通る車だってパンクする危険性があるかもしれない。

 舗装し直す予定、ないのかなぁ。
 極めてローカルな話題ですいません……

激励のお気持ち承り所
メッセージ

名前
メール
本文
これまでの御来訪者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
読者登録
LINE読者登録QRコード
本日もようこそ!
ご来訪いただき、まことにありがとうございます。 日々の出来事 - ブログ村ハッシュタグ
#日々の出来事
サイト内検索
楽天市場(広告)
MUSIC(広告)
カテゴリ別アーカイブ
最近寄せられたコメント
タグクラウド
タグ絞り込み検索
ささやかなお願い
 当ブログの記事へのリンクはフリーです。 なお、当ブログの記事の一部を別のブログで引用する場合には出典元を記していただくようお願いいたします。 また、MUUSANの許可なく記事内のコンテンツ(写真・本文)を転載・複製することはかたくお断り申し上げます。

 © 2014 「新・読後充実度 84ppm のお話」
  • ライブドアブログ