悲しく緊張感あふれるメロディーと冷たい足
家の中に入り、本来そうあるはずはないのに、水浸しのフローリングを踏んでしまった。
上を見上げると、本来そうあるはずはないのに、天井から水が滴り落ちていた。
2階に上がってみると、本来そうあるはずはないのに、トイレの床が水浸しだった。
そして、本来そうあるはずはないのに、お尻の方向ではなく、配管から床に向けて水がポタポタ落ちていた。
この日の朝、たまたま朝の番組の運勢占いを見逃したが、おそらく私の《今日のラッキー・アイテム》はバケツだったのではないだろうか?
そんな気がする。
そして、私のこのときの気分はブラームスのト短調ピアノ四重奏曲のようなものだった。
ブラームス(Johannes Brahms 1833-97 ドイツ)のピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25(1861)。
切ないメロディー、悲しいメロディー、独特の緊張感。
この曲は、ブラームスの室内楽作品としては初期のものだが、すっかり大人の音楽って感じである。
4楽章構成で、R.v.ダルヴィク男爵に献呈された。
ダルヴィクって誰か、私は知らないけど。
そして、この曲にはすさまじい管弦楽編曲版が存在する。
それについては後日!
オリジナルの四重奏曲で私が聴いているのは、ブラウンのピアノ、シュナイダーのヴァイオリン、トランプラーのヴィオラ、パーナスのチェロによる演奏。
1977年録音。ヴァンガード・クラシックス。
ところで、正月にトランプなんかしたりします?
それと、ナンプラーって好きです?
言われた通りに電話したのに……
月曜日に水道業者さんが来た。
トイレを見るなり「あっ、トワレかぁ」と、まるでビューティー・トワレが悪いかのように言った。
いや、実際悪いのはこいつなんだけど。
「もうこの製品、交換部品ないんですよ」
「そうでしょうね。だいぶ経ちますから」
ということで、近いうちに新品の便座に交換することを前提に、とりあえずトワレへの給水を遮断してもらった(給水管そのものをとっぱらってしまった)。
そのあと、ハウスメーカーの人が来た。
「水道屋さんと話したんですが、どうやら下から立ち上がっている水道管を伝って天井から水が落ちたようです。ですから天井裏では水はそんなに広がらなかったと思います」
「言われたように、火災保険の請求手続きの書類を送ってもらうよう電話しました」
「このぐらいですと、修理することはないと思います。仮に工事したとしても軽微な被害ですと保険金が出ないと思いますし」
だって、土曜日に来たときには開口一番、まずは保険会社に連絡を、って言ってたのに……
そしてコールセンターの人はすっごく丁寧に親身になって対応してくれたのに。
これじゃ、「あの話はなかったことに」ってことだ。
まったく、何で言うことが急に変わってしまうんだよ?
まあ、よけいな工事で煩わされることがなくなったし、保険会社にしても余計な出費がなくなって、双方お得って結末になったんだけど。
あとは、ホーマックにでも行って安い洗浄便座を探すことに目標設定しよう。
それにしても、ウソじゃなく、一晩でえらく雪が降った。
当地では珍しいくらいに、雪が積もっている。
