
先週札幌に出張した際、空いた時間に紀伊國屋書店に立ち寄った。
この店には音楽書のコーナーにスコアも置いてある。
で、発見してしまったのであった。
ホルストの「吹奏楽のための組曲」とベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」のスコアを。
出版社は日本楽譜出版社。音楽之友社や全音楽譜出版社とはまた違う、ちょいとマニアックな曲のスコアをさりげなく出版する会社だ。
いったいいつ出版されたのだろう?
が、初版〇年〇月〇日という表記はどこにもない。このあたりがまた日譜らしい。
表紙はピンク。ピンク本ってわけだ。うふふっ!
日譜のスコアはこれまで肌色っぽい色(古くはオレンジ色)だったのだが……
と思ったら、ピンクは“吹奏楽作品シリーズ”のようだ。
日本楽譜出版社スコアに、新しく吹奏楽作品シリーズが加わりました。それも日譜らしく、クラシック作曲家たちによるオリジナル版の吹奏楽作品シリーズです。吹奏楽の世界では、クラシックの作品は現代の編成に合わせた編曲版を演奏することが圧倒的に多いようですが、けっしてクラシックの作曲家たちが吹奏楽作品を残してないわけではありません。今後ともシリーズとして刊行を進めていきます。
すばらしい取り組みだ!(で、いつから加わったのだ?)
で、すでに8作品が刊行されている。

そのあと別な書店に行き、来年の手帳を買った。
私が長年愛用し続けているのは博文館新社の“No.95 サジェス”というもので、マイナーなのか、どこにでもは置いてないのだ。
それはそうと、ホルスト(Gustav Holst 1874-1934 イギリス)の「吹奏楽のための組曲」第1番変ホ長調Op.28-1,H.105(1909)。
そうです。組曲「惑星」でおなじみのホルストです。
吹奏楽をやっている方なら、たぶんこの作品については知っているはず。それほどの吹奏楽作品の古典的名曲。
この曲について、そして私がこの曲寄せる思いについては過去に取り上げているので、また書くとしつこいと思われるのは必至。だからここでは、最初に聴いたときに「2つの旋律がHなカップルのように絡みついて興奮もの!」と、鼻息を荒くした事実だけを報告しておこう。
CDはウィック指揮ロンドン・ウィンド・オーケストラ(1978録音。ASV)をご紹介しておきたいところだが、現在は入手困難。ごめんなさい……
一方のベルリオーズ(Hector Berlioz 1803-69 フランス)の「葬送と勝利の大交響曲」Op.15,H.80(1840)は、3楽章から成り、弦と合唱がオプションで加えられるという大きな曲。この曲についてはこちらの記事をご覧いただければと思う。

ホルストのスコアが今まで出てなかったのは不思議だが、ベルリオーズの方はよくぞこのマイナーな作品を出版してくれたと、私は拍手をおくる次第である。
なお、ホルストの方の作品番号にあるH.は、I.ホルストという人が作った作品目録における番号。
ベルリオーズの方のH.は、ホロマンという人の手による作品目録の番号である。
同じH.だがまったく別なものなのだ。それに絡み合うHとも関係ない。当たり前だけど。
関係ないが、北海道には幌満という名の川がある。
残念ながら私はただ聴くだけの人。吹奏楽経験者ではないのです。フェネルのはCDも持っていますが、LP時代のときに経験したあの疑似ステレオの変な音場であまり良い印象がないのです。