BachCPESinfonia174Hogwood  徹底した研究に基づく生き生きした演奏
 昨日の新聞によると、ホグウッドが24日に亡くなったという。73歳。死因は不明。

 ホグウッドは、1973年のピリオド演奏のエンシェント室内管弦楽団を設立。このコンビの名を世界的に有名にしたのが、モーツァルトの交響曲全集だった。

 私にとっては、C.P.E.バッハ(Carl Philipp Emanuel Bach 1714-88 ドイツ)の「6つのシンフォニア(6 Sinfonie)」Wq.182(1773)の演奏が衝撃的で、またどれだけ聴いたことか!

 この弦楽による6曲のシンフォニアはまとめて「ハンブルク交響曲」と呼ばれるが、ハイドン、モーツァルトやベートーヴェンといった古典派の作曲家の前、過渡期である前古典派の、いわば交響曲の成長過程に位置する(作品についてはこちらをご覧あそばせ)。

 私がクラシック音楽を聴き始めた初期の、まだCDが発明されていないLP時代のころから、C.P.E.バッハのバロックのような響きと自由奔放な情感が混合した、良い意味での折衷的な感触に魅かれたが、古楽器による演奏は、まさに疾風怒濤にふさわしかった。

 いま、朝も早からこのCDを聴いているが、この躍動する演奏は、故人の生前の元気な姿を見るような感覚になってしまう。

 1977年録音。オワゾリール。

 職場の同僚のご尊父様が亡くなったので、今夕私は胆振地方の某都市で営まれる通夜の儀に参列してくる。
 コンタワタシでなく、コンユウワタシである。