
日曜日の話。
8:20に足寄の道の駅に着く。
が、まだ開いていない。
開いてりゃ、またオベスムが売れたかもしれないのに、なんて商売べたなんだろう。
そんでもって、外トイレ(24時間OPEN!)を利用する。
9:10ごろ、陸別に着く。
給油後、道の駅による。
しばれ君とつららちゃんが描かれたクリアフォルダを買う。
そのあと、津別、美幌を抜け、博物館網走監獄を観る。
現在の網走刑務所の食事がなかなか立派であることを知るとともに、展示されていた昔の黒板に書かれていた内容から、豚には常に思いやりをもって接しなければならないことを学ぶ。

以前訪れたときに寄った寿司屋で鮭ザンギ丼を食べようと思ったが、たどり着けなかった。そもそも店の名前も憶えてないし。
そこで(たぶんチェーンではない)地元の回転ずし屋に入ってみる。
客の入りはまあまあ。特にボックス席は混んでいた。
コンベアで回っているのはいなりずしと玉子の握りの数皿だけ。
寿司が回っていない回転ずし屋。つまりは、食べたいものを紙に書いてオーダーするのを大前提としているシステム。まあ、いろいろ握って回してもロスが出るからなんだろう。
ネタの味はふつう。
地元産を謳ったネタもあるが、なかなか良いお値段。だからそれは頼まず。そちらはふつう以上だったのかも……
なぜかワナにはまったかのように、“回っている”いなりずしを最後の仕上げに食べてしまった私。
媚びを売るようなあの瞳
次に道の駅“流氷街道網走”に寄る。
建物の中に ガラス張りの喫煙室があり、そこでタバコを吸う。
吸い終わって外に出ると、すぐ近くのベンチに座っていたじいさんがニタニタしながら私に声をかけた。
「あ、あの、す、すいませんけんど、タバコを1本もらえないべか?」
なるほど、このベンチは喫煙室から満足げに出てくるスモーカーを捕獲するにはもってこいの場所だ。
このじいさん、こうやって何人にも声をかけているのだろう。
かなり長居している雰囲気だったし、あの妙なにやけ方でそれがわかる。
私は苦笑いを返しながらかぶりをふった。
でも、そのあとちょっとだけ後悔した。
“トムとジェリー”の真ん中作品が、突如頭に浮かんだのだ。
あの人は“しあわせの小人”ならぬ、“しあわせの老人”だったのでは?
もしかすると、タバコを1本お恵みしたお返しに時価数十万の本物の小判でもくれたかもしれない。
いや。いまやタバコ1本23円の世。
ああいう姑息な人には、たとえこの日が敬老の日であったとしても、毅然とした態度をとるべきだ。私は間違っていなかった。と、思いたい。
デュファイ(Guillaume Dufay 1400頃-74 フランドル)の世俗音楽作品にもあるではないか。「果して あなたのお恵みが得られましょうか(Pouray je avoir vostre mercy?)」ってのが。

タバコがらみで、タバコフ指揮ビルケント交響楽団、ビレットのピアノ独奏による演奏を。
つい先日、リスト(Liszt,Franz 1811-86 ハンガリー)の「死の舞踏」のすさまじくすばらしい演奏を紹介したが、今日は(おなじくリストの)、ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124(1849/改訂1853,'56)とピアノ協奏曲第2番イ長調S.125(1839/改訂1849,'53,'57,'61)。
有名な第1番の方は、意外と炸裂していない。一筋縄ではないが真っ当な演奏だ。
また、堂々としているが器用なすばしっこさがある。シャキシャキとした新鮮野菜のようにみずみずしい一面も見せる。
何を言いたいかというと、不思議食感だが体には悪くなさそうな味わい。
なお、私はこの曲の冒頭主題が、どこか人を小ばかにしているような感じがして、聴くたびに複雑な心境になる。“トムとジェリー”の真ん中作品で使われていた印象が強いせいだろうか?(確か“ノミのサーカス”だったかと……)。
第2番は間違いなく優れた演奏。
第1番に比べ聴かれることが少なく、存在自体が「えっ?もう1曲コンチェルトがあったの?」ってくらい地味だが、実は味わい深い作品(過去に地味に(?)取り上げている)。このムンムンするロマンティックさは、第1番も及ばない。
リスト自身「交響的協奏曲」と呼んだ第2番は、しかし散漫な感じがするのも事実。外面的な効果も乏しいとされ、そこは奏者の腕の見せどころだ。
そして、ビレットのエネルギッシュで冴えた演奏はこの曲の欠点を補い、曲の魅力を存分に伝えてくれる。
ややピアノのリズムが怪しくなる箇所もあるが、エキサイティングな曲の運びは、第2夫人、いや第2コンチェルトの存在を忘れがちな人にぜひお薦めしたい。
よくある話じゃないですか。クラスで目立たなかった女の子が、実はすっごくかわいかったとかってこと。
2004年録音。ナクソス。

サンゴ草の群生地と知られる場所は、もっと群生するようにと、良かれと思って何年か前に土を入れ替えたところ、逆効果になったそう。
そして北見へ。
ハッカ記念館を観たあと、ホーマックへ行きワイパー購入。
視界がすっきりしたところでホテルにチェックイン。
夜は大昌園という焼肉屋で食べる。
北見と言えば焼肉だが、実は焼肉を食べるのは初めて。
肉もおいしかったが、ドロドロしたタレがひじょうに美味。
ただ、平和園に慣れている身としては、やや値段が高め。
ということで、早々に切り上げ居酒屋で飲み直し、どしゃ降りの中ホテルに戻った。