Bruckner7Jochum  疲れてるのか、単に酔っぱらいなのか?
 このところ、夜になるとやたら早い時間に眠くなる。
 夏の疲れが過飽和状態にたまっているのだろうか?


 先日は9時ごろにソファでハイボールを飲みながらブルックナーなんぞを聴いていたら、アダージョ楽章で突如、「ガン、ゴロゴロ、カラカラ」と打楽器が鳴り響いた。いや、本来は打楽器はお休みの箇所で。


 なんだ、なんだ?

 目が覚めた。

 つまり私は眠りかけていたのだ。そして手にしていたハイボールのグラスを床に落としてしまったのだった。

 ガンはグラスが床に当たった音、ゴロゴロはそれが転がった音。カラカラは小売りの散乱する音。

 この手の失敗は2度目である。
 でも、さすがニッカだ。おまけに付いてきたハイボールグラスは割れることはなかった。この強度は世界に誇っていい。そういう問題じゃないが……


 それからというもの、さすがに懲りた私は、ソファでくつろぎながら飲むときは、一回一回、テーブルにグラスを置くようにしている。
 このように私は、たぶんだが、サルよりは賢い。

  子どものように早く寝、年寄りのようにやたら早く目覚める

 グラス落下事件が起こったとき聴いていたのは、ヨッフム指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるブルックナー(Anton Bruckner 1824-96 オーストリア)の交響曲第7番ホ長調WAB.107(1881-83)だった。


 オケは不思議な感触の美音を放ち、それが自然な流れとして進んでいく。安らかな気分にもなれる。
 だからウトウトしてしまったに違いない。

 これがモソロフの「鉄工場」とかだったなら、こういう粗相はしなかったはずだ。そのかわり、上下左右の部屋から文句が来るだろうが……


 ヨッフムのこの演奏、金管の弱さ(上手くなさ)を指摘する声もあるが、弱いというよりも好き好き。
 私はトータル的に感動的なすばらしい演奏だと思う。

 にしても、アダージョ楽章のほんの一瞬の気の緩みが、床に液体ジャ~ってことになってしまった。
 この先、老いとともにおしっこまでそんなふうにならないよう、十分な警戒が必要である。
 
 ところで早く眠くなる→へんに大人ぶって我慢しないで早く寝る→自然と年寄りのように早く目覚める、という負の循環に陥っている。
 数日前なんかは(9時に寝たのだが)、午前1時に目が覚め、そのあと2時半に再び開眼し、さらに3時半に瞼が開き、ついぞ我慢できなくなって4時15分に起き上がった。


  最近は4時だと明るくない
 日の出の時間も遅くなっているということだ。なのに、自然現象に逆行している私は不自然だ。
 がまんして夜更かしして、睡眠サイクルを整えなければ。

  今夜、寝過ごしは許されない

 と言いながら、今日の夜は帯広から車で西に30分強(JRの普通列車だと40分くらい)の距離にある町に行って、大切な取引先の社長さんと夜を共にする。
 いや、ベッドを共にするという意味じゃなくて、食事をするということ。

 となると、いつもよりは遅くまで起きていることに自ずからなるだろう。
 良いチャンスだ。
 食事のあと、家に帰るのにも緊張をもって行動をしなければ。乗り過ごしは帰宅困難状態になることを意味するから。


 ヨッフムの演奏は1976年録音。ワーナー。
 使用楽譜は1881-83年稿ノヴァーク版。