StravinskySrtBoulez   ソースはご家庭に何種類ありますか?
 バターを利かせたプレーン・オムレツに、サラリとした辛口のウスター・ソースをたっぷりかけて食べるのが好きである。
 塩胡椒をちゃんとすれば、ウスター・ソースなどかけるのは邪道に決まっているのだが笑わば笑えだ。

 向田邦子は「霊長類ヒト科動物図鑑」(文春文庫)のなかの「たっぷり派」というエッセイで、このように書いている。

 一般のご家庭で、とんかつソース、中濃ソース、ウスターソースの3種を用意していて、用途や気分によって使い分けているとしたら、私はすっごく感心してしまう。

 キッチンの棚あたりにブルドックの顔が整然と3つ並んでいる様子は、なかなか壮観だろう。ブルドック・ソースの場合に限るが。
 でも、セブン・アイのソースなら、セブン・アイのロゴが並んで、節約派らしさが伝わって来そうだ。

 ウチの場合はソースをあまり使わない。だから1種類だけしかなくても、一度封を切ると開栓前賞味期限を過ぎたあともまだ残ってる場合がある。だから、3種類なんてとても無理だ。

 ところでこのエッセイを読んで、私は無性にウスターソースをかけたオムレツ(というか、塩コショウのみの味付けの玉子焼き)を食べたくなった。
 実はわが家には(自宅にも、こちらの赴任地のマンションにも)ソースは中濃ソースしか配備されていない。
 なぜ中濃なのか?それもさしたる意味があって選んだわけではない。日本人的に、ちょうど中間が無難かな、くらいの話だ。

 そこで買ってみた。ウスターソースを。
 手の人差し指ぐらいの高さの小瓶がないかと思ったが、とんかつソースと中濃ソースにはそれがあるが、ウスターはなかった。そのサイズのニーズがないのか、あるいは粘度の低いウスターだと、そんな小さなサイズだとすぐに底をつくのかもしれない。

 ブルドックはやめ、それより40円ほど安いセブンのPBを選んだ。セブン・アイのウスターソースは、実はカゴメ製だということを、初めて知った。

 その日の夜。
 卵は焼かなかったものの、肉にウスターソースをかけて食べた。う~ん、大人の味だね。
 翌朝はオムレツ(といっても、よく焼いた玉子焼き)にウスターソースをかけて食べた。おぉ~、目が覚める味だね。

   兵隊さんのジープとかとすれ違った
 ところで日曜日、自宅からこちらに戻るとき、国道274号線も道東道も、ずいぶんと札幌方面に向かって自衛隊の車両が走って行った。
 どこに配備された人たちが、どこに向かっているのか知らないが、意外とスピードを出していた。公務中の兵隊さんもスピード違反で警察に捕まることはあるのだろうか?きっとあるんだろうけど。でも、タラタラ走られるよりはいい。

 ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky 1882-1971 ロシア→アメリカ)の「兵士の物語(L'Histoire du soldat)」(1918)。
 本日は、ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団による組曲版(つまり、語り手、兵士、悪魔が登場せず、セリフ無しで音楽のみで構成されている)の録音。

 作品の内容と、同じブーレーズの全曲演奏についてはこちらをご覧いただきたいが、この曲、舞台作品なのでCDで途中のセリフのみの部分をずっと聴かされるのは、はっきり言って辛い。
 かといって、全曲を知っていると組曲版が少々物足りない。

 なんてわがままなことだろうと思いつつも、歳をとるとわがままになっていくものなんだから仕方ない。最初っから組曲版しか知らない方が、そんなジレンマに悩まされることなく、幸せな人生を送れただろうに……

 ブーレーズによる全曲盤(1980年録音。エラート)の方は、悪魔も兵士も語り手も上手くて、そりゃちょっと途中であくびが出ちゃうけど(ただスピーカーから流れる言葉耳にしていて、集中力が足りないと非難される筋合いがあろうか?)、とても見事。そして、長いセリフのあとようやく音楽が鳴り始めると、我慢した甲斐があったわいとも思っちゃう。そして、この録音では、演奏もきりりと締まっていて、すばらしい。

 同じブーレーズのこの組曲の方もとても良い演奏だが、80年録音のものに比べるとややマイルドな仕上がり。

 それにしても、例えば冒頭部分など、セリフと音楽がかぶって進む箇所は、音楽だけだと物足りない感じがする。
 セリフだけの箇所をカットした、不完全全曲盤とかあれば……いえ、なんでもないです。

 1996年録音。グラモフォン。

   コメント4連射
 昨日の昼のことだが、昨日の記事に立て続けに同一人物から4つのコメントが入った。

 コメントの内容は、つまらぬブログを閉鎖しろ、とか、いつまでつまらぬブログを書き続けるのか、といったもの。ワケのわからぬ横文字のスパム・コメントが来たことはあるが、こういうクレームをつけられたのは初めてだ。
 私のブログの読者の方々の中には、自分でもブログをやっている人が少なくないと思うが、同じような経験をしたことがあるだろうか?

 私の記事がつまらないと思うなら、そっと無視しておいて欲しいんですけど……

 これらのコメントの公開は、迷ったものの、やっぱりしないことにした。
 4連射のうちの1つに、“このコメントは、馬鹿な管理者による確認後、くだらぬブログに反映されます”とあったからだ。
 くだらぬブログに反映させられちゃ不名誉なことだろうと、馬鹿なりに配慮した結果だ。

 ただ、このコメント寄稿者のURLをクリックすると“民主党の内幕”というサイトに飛ぶ。
 ますますもって、私のブログには縁のない世界だが……
 もしかして、と思うのは(4つのコメントの中の1つにも、中国がらみで触れられてはいるが)、村上春樹がキーワードになっているのかもしれないということだ。